ボトックス注射を打ち続けても大丈夫?老ける・たるむ・抗体リスクを医師が徹底解説
この記事でわかること
「ボトックスって、ずっと打ち続けても大丈夫なの?」
「やめたら逆に老けるって本当?」
そんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
ボトックス注射は、適切な間隔と方法で行えば、長期的に続けても安全で効果的な治療です。
この記事では、美容医療の専門医が打ち続けるとどうなるのかを医学的な視点から解説し、
安全にボトックスを継続するためのポイントをお伝えします。
お顔の悩みを解消して、鏡を見たときに自分に自信を持てるような手助けになれば幸いです!
目次
ボトックスを打ち続けるとどうなる?
結論から言うと、適切な頻度と部位で施術を行えば、ボトックスを打ち続けても問題ありません。
ここでは、実際に長期間続けている方の傾向や、打ち続けることで起こる変化について解説します。
打ち続けることで起こりうるリスクと対処法
安全性の高い治療といわれるボトックスですが、誤った頻度や部位選びで打ち続けると副作用や違和感が出ることもあります。
医師の立場から、代表的な3つのリスクとその回避方法を紹介します。
抗体ができて効かなくなる可能性
繰り返し打つことで稀に「抗体」ができ、効果が感じにくくなることがあります。
高用量を頻繁に打つとリスクが高まるとされ、適切な間隔(3〜6カ月)を守ることが大切です。

美容医療に携わって20年ほどになりますが、これまでたくさんボトックス注射を施術してきても、抗体ができて効果が出なくなった患者様は実際にはほとんど見たことがありません。
適切な間隔をあけて施術すれば、安心して長期的に続けていただけます。
表情筋が使われずにたるむケース
ボトックスは筋肉の動きを抑える作用があるため、
過剰に注入すると使われない筋肉が弱り、皮膚がたるんだように見えることがあります。
特にエラのボトックス注射は、繰り返し注入すると咬筋(エラの筋肉)が徐々に萎縮し、筋肉のボリュームが減少していきます。
その結果、中顔面のボリュームに対して皮膚が余り、頬やフェイスラインにたるみが生じる可能性があるのです。元々皮膚のハリが少ない方や、加齢によってたるみが出やすい方は注意が必要です。
ただし、適切な量・間隔で施術を行えば、たるみリスクは最小限に抑えられます。
医師とのカウンセリングで注入量や施術頻度をしっかりと相談しましょう。
不自然な表情になるリスク
注入量が多すぎたり、表情を支える筋肉に過剰に作用すると、
「笑っても目が動かない」「常に引きつったように見える」などの違和感が出ることがあります。
経験豊富な医師であれば、動きを残すナチュラルなデザインを意識して施術を行うため、
自然な仕上がりに導くことが可能です。
ボトックス注射の効果を十分に発揮し、効果を維持するためには継続的な施術をおすすめします。ただし、打ち続ける際は、以下の3点に注意しましょう。
| 注意事項 | 理由 |
| 適切な施術間隔で施術する | 間隔が短いと、耐性がついてしまい、効果が減少する可能性がある |
| 適切な量を注入する | 過度な量を注入すると、不自然な仕上がりになる |
| 経験豊富な医師に施術してもらう | 施術に満足できる可能性が高い |
ボトックスを打ち続けるメリット

正しく継続すれば、ボトックスには大きな美容的メリットがあります。
長期的な若返り・老化予防の観点から、その効果を3つ紹介します。
表情ジワを予防できる
筋肉の過剰な動きを抑えることで、シワが刻まれる前に防ぐことができます。
特に眉間・額・目尻などは「動作ジワ」と呼ばれ、ボトックスで最も効果を実感しやすい部位です。

表情ジワの改善という点で、ボトックス注射に代わる治療は今のところありません。
そのため、長く愛され続けている施術のひとつといえます。
筋肉のクセがリセットされる
ボトックスを繰り返すことで、無意識に眉を上げたり、眉間にシワを寄せる、口角を下げるなどの癖が改善され、
表情筋のバランスが整っていきます。
ナチュラルな若々しさをキープできる
継続的に施術することで、加齢による表情ジワやたるみをゆるやかにし、自然な若さを保つアンチエイジング効果が期待できます。
ボトックス注射で改善できるお悩み
- エラ張り解消
- 表情ジワ解消
- 口角アップ
- 人中短縮
- 脇汗の解消
- 肩こり解消
- ガミースマイルの改善
ボトックスを打ち続けても老けない理由
ボトックスを定期的に続けることで、むしろ老けにくい肌を保てるのが大きなメリットです。
その理由は、ボトックスが「表情筋の過剰な動きをコントロールする治療」だからです。
筋肉の動きによって生じるシワ(表情ジワ)は、年齢を重ねるほど深く刻まれやすくなります。
しかし、ボトックスを定期的に行うことでその動きを穏やかにし、シワが定着する前に予防する=老化のスピードを緩やかにできるのです。
また、表情筋のクセがリセットされることで、無意識に眉を寄せたり目を細めたりといった老け見え表情も減り、自然で若々しい印象を維持できます。
ボトックスをやめたら老けるって本当?
「やめたら一気に老ける」と言われることがありますが、これは半分誤解です。
ボトックスの効果が切れると、筋肉の動きが元に戻るため、一時的に以前より老けたように感じることがあります。
ただしそれは、施術前の状態に戻っただけであり、実際に老化が進んだわけではありません。
むしろ、定期的にボトックスを行っていた期間に「表情ジワが刻まれなかった」ことで、長期的にはシワの少ない状態を維持できているといえます。
安全に打ち続けるためのポイント
長期間続けても安心して効果を維持するために、医師が推奨する3つのポイントを紹介します。
① 施術の間隔を守る(3〜6カ月が目安)
短期間で繰り返すと抗体形成のリスクが上がるため、3〜6カ月の間隔をあけるのが理想的です。
筋肉の動きが戻ってから再施術を行うと、自然で長持ちする仕上がりになります。
② 製剤を選ぶ

アラガン社のボトックスビスタ®は、厚生労働省の正式な承認を受けた国内唯一の美容医療用ボトックス製剤です。
そのため、製造から流通、保管、そして投与に至るまで、すべての工程で厳しい安全基準が定められています。
また、20年以上にわたって世界90カ国以上で使用されている実績があり、信頼性・効果・安全性のすべてが豊富な臨床データによって裏付けられています。
さらに、ボトックスビスタ®は不純物を極力排除した製法で作られており、長期的に使用しても「効かなくなるリスク(抗体形成)」が低いとされる製剤です。
継続治療を考える方にとっても、非常に安心して選べるボトックスといえます。
③ 医師の技術とデザイン力が重要
どの筋肉をどの程度動かすかをデザインできるかが、ナチュラルな仕上がりを左右します。
経験豊富な医師に相談し、毎回の状態を見ながら調整することが大切です。
部位別に見る「打ち続けリスク」
打ち続けた場合の影響は、部位によって異なります。
よく施術される代表的な部位と、その注意点を解説します。
| 部位 | 打ち続けることで起こりうる変化 | 医師のコメント |
|---|---|---|
| 額 | 眉が下がる、まぶたが重く見える | 適量注入で回避可能 |
| 眉間 | 筋肉が強いと再発しやすい | 定期施術で安定 |
| エラ | 打ちすぎるとフェイスラインがややたるむ | 徐々に量を減らす調整が有効 |
| 口角 | 笑顔が作りにくくなることも | 動きを残すデザインを重視 |
まとめ|正しく続ければ「老けないボトックス」に
ボトックスは、正しい方法で打ち続ければ老化を防ぎ、ナチュラルな若さを保つことができる施術です。
誤った打ち方や頻度によるリスクを避けるためにも、経験豊富な医師に相談しながら、自分に合ったペースで継続していくことが大切です。
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
ボトックス注射が効きすぎてしまった場合、どうしたら良いですか?
ボトックス注射が効きすぎてしまった場合は、施術を受けたクリニックに相談してください。
対処法はクリニックによって異なりますが、施術後すぐにやり直すことはできないため、元の状態 に戻るまで待つ可能性があります。
ボトックス注射を打ち続けると、抗体ができてしまいますか?
ボトックス注射を短期間で打ち続けていると、非常に稀ではありますが中和抗体ができる可能性 があります。
効果が切れると不安になり、短期間で再施術を希望される方もいますが、施術の間隔は医師の 指示に従いましょう。
ボトックス注射を打ち続けると、たるみますか?
ボトックス注射を打ち続けることによってたるむと不安になる方もいますが、適切な施術を受けれ ばたるみが生じることはないでしょう。
ボトックス注射の効果がなくなり元の状態に戻ると、たるみが目立つ場合があります。
ボトックス注射は打ち続けないといけないのですか?
ボトックス注射の効果は一時的なものです。
継続的に効果を求める場合は、3〜6ヶ月毎に再施術をおすすめします。
診療時間
[ 完全予約制 ] 10:30〜19:00
土日診療あり
| 美容外科・ 美容皮膚科 |
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DOCTOR.
このページの監修医師
資格
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology)正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボルベラXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボラックスXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボライトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ウルトラXC/ウルトラプラスXC認定医
- ボトックスビスタ認定医
- レスチレン認定医
経歴
| 平成15年 | 大阪医科大学 形成外科教室:入局 |
|---|---|
| 平成21年 | 大阪医科大学 助教(准):就任 |
| 平成24年 | 医学博士学位取得 |
| 平成25年 | 某美容クリニック:院長就任 |
| 令和5年 | プライベートスキンクリニック |
学会発表
- 第67回日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
- 額(おでこ)へのヒアルロン酸注入による輪郭形成の134症例 -使用量についての経験及び検討-
- 最新型医療ハイフ(ウルトラフォーマー®MPT)の77症例における経験及び安全性についての考察
- 第42回日本美容皮膚科学会総会(2024年8月31日~9月10日)
- PRPを用いた複合治療におけるざ瘡後瘢痕と毛穴開きの治療の当クリニックでの経験について









