女性の円形脱毛症の原因と治療法
この記事でわかること
急に円形に髪が抜けていることに気づき、不安になる女性は少なくありません。
円形脱毛症は、一般的な女性の薄毛(FAGA)とは異なり、自己免疫の関与が強い脱毛症と考えられています。
本記事では、女性の円形脱毛症について、原因や年代別の特徴、自然治癒の可能性、早く改善を目指す方法を医学的根拠に基づいて解説します。
目次
女性に多い円形脱毛症とは?一般的な薄毛との違い
円形脱毛症は、頭皮の一部が円形または楕円形に突然脱毛する疾患です。
日本皮膚科学会などの報告では、自己免疫反応が主な原因と考えられています。
本来、外敵から身体を守る免疫が誤って毛根を攻撃してしまい、毛髪の成長が一時的に止まることで脱毛が起こります。
一方、女性に多いFAGA(女性型脱毛症)は、加齢やホルモンの影響によって徐々に髪が細くなる進行性の脱毛です。
円形脱毛症は「急に起こる」「局所的」「炎症を伴わないことが多い」という点で、一般的な薄毛とは明確に異なります。
| 比較項目 | 円形脱毛症 | 一般的な薄毛 |
| 抜け方 | 突然・円形に抜ける | 全体的に徐々に薄くなる |
| 進行スピード | 早い | ゆっくり |
| 年齢 | 年齢不問 | 30代以降に多い |
| 主な原因 | 自己免疫・強いストレス | 加齢・ホルモン変化 |
| 自然回復 | 可能なこともある | 放置で改善しにくい |
| 治療方針 | 免疫・炎症のコントロール | 発毛・毛周期改善 |
女性の円形脱毛症の原因5選
女性の円形脱毛症は、単一の原因ではなく、免疫・ストレス・体調変化など複数の要因が関与して発症すると考えられています。
ここでは、医学的に指摘されている主な原因を5つに整理して解説します。
①自己免疫の異常
円形脱毛症の最も有力な原因とされているのが、自己免疫の異常です。
本来は体を守る免疫が、誤って毛包を異物と認識し、毛の成長を妨げてしまいます。
この免疫反応により、成長期の毛髪が途中で抜け落ち、円形の脱毛斑が生じます。
②精神的・身体的ストレス
強い精神的ストレスや過労、睡眠不足などは、自律神経や免疫バランスを乱す要因です。
円形脱毛症では、発症の数週間〜数か月前のストレスが関与しているケースが多いとされています。
また、仕事や人間関係、育児・介護など、女性特有のライフイベントが重なることも要因の1つです。
③ホルモンバランスの変化(ライフステージ)
女性は、月経・妊娠・出産・更年期など、ライフステージごとにホルモン環境が大きく変化します。
ホルモン変動そのものが直接の原因と断定されているわけではありませんが、免疫や血流、毛周期に影響し、円形脱毛症の発症や再発に関与する可能性があります。
④生活習慣・栄養状態の乱れ
偏った食生活や極端なダイエット、慢性的な睡眠不足は、毛髪の成長環境を悪化させます。特定の食べ物で治るわけではありませんが、全身状態を整えることは重要です。
⑤頭皮環境の悪化と外的刺激
ヘアカラーやパーマが直接円形脱毛症を引き起こすとする明確なエビデンスはありません。
しかし、頭皮の炎症やかぶれ、慢性的な刺激がある場合、脱毛を悪化させる可能性は指摘されています。
【年代別】女性の円形脱毛症の特徴と原因傾向
円形脱毛症は年齢を問わず発症しますが、年代ごとに背景となる要因や経過の傾向が異なります。
ここでは、女性に多い年代別の特徴を整理しましょう。

20代女性の円形脱毛症
20代では、進学や就職、環境の変化による精神的ストレスが関与するケースが多いです。
比較的軽症で、自然治癒することもありますが、強いストレスが続くと再発することもあります。
30代女性の円形脱毛症
仕事と家庭の両立、妊娠・出産など、身体的・精神的負担が重なりやすい年代です。
ホルモンバランスの変化や生活リズムの乱れが影響することがあります。
40代女性の円形脱毛症
ホルモン環境の変化が始まり、自律神経の乱れを感じやすくなります。
単発で終わらず、複数箇所に脱毛が生じるケースも。
50代女性の円形脱毛症
更年期の影響により、免疫や自律神経のバランスが不安定になりやすい時期です。
改善に時間がかかることがあり、他の脱毛症との併発にも注意が必要です。
60代女性の円形脱毛症
加齢に伴い、毛髪の回復力が低下する傾向があります。
自然治癒を待つよりも、医療機関での相談を検討する方が増えます。
70代女性の円形脱毛症
基礎疾患や服薬の影響も考慮する必要があります。
体への負担を考えながら、無理のない治療や経過観察が重要です。
円形脱毛症は自然治癒する?待っていいケースと注意点
円形脱毛症は、症状の程度によっては自然に改善することがあります。
特に、脱毛範囲が小さく単発で、進行が見られない場合には、数か月以内に発毛が確認されるケースも報告されています。
ただし、すべての円形脱毛症が自然治癒するわけではありません。
脱毛範囲が広がっている場合や、複数箇所に脱毛が生じている場合、再発を繰り返している場合には、自然治癒を待つことで症状が進行する可能性があります。
また、発症から半年以上経過しても改善が見られない場合や、脱毛部位が徐々に拡大している場合は、自己判断で様子を見るのではなく、医療機関への相談をおすすめします。
円形脱毛症は、見た目の変化による精神的負担が大きくなりやすい疾患です。
不安が強い場合や日常生活に支障を感じる場合には、早めに専門家の意見を聞くことで安心につながるでしょう。
円形脱毛症を早く治す方法5選
円形脱毛症は自然に改善することもありますが、早期の対応によって回復を促し、再発リスクを抑えられる可能性があります。
ここでは、一般的に行われている改善アプローチを5つ紹介します。
①生活習慣とストレス環境を整える
睡眠不足や過労、強いストレスは、自律神経や免疫バランスに影響を与えるとされています。
十分な休養を取り、生活リズムを整えることは、円形脱毛症の改善を目指すうえで基本となります。
②皮膚科で正確な診断を受ける
円形脱毛症かどうかを正しく診断することが重要です。
似た症状を示す脱毛症もあるため、自己判断ではなく医療機関での診察が勧められています。
③外用薬・内服薬による治療
症状や重症度に応じて、炎症や免疫反応を抑える治療が行われることがあります。
治療内容は個人差があるため、医師の判断のもとで進めることが大切です。
④頭皮環境を整える治療
頭皮の血流や毛包周囲の環境を整えることを目的とした医療的ケアが行われる場合もあります。
頭皮環境を改善することで、発毛をサポートすることが期待されています。
⑤頭皮注入治療という選択肢
頭皮注入治療は、発毛に有効な成分を直接頭皮に届けることを目的とした治療法です。
すべての方に適応となるわけではありませんが、早期改善や再発予防を重視する方に選ばれる選択肢です。
円形脱毛症が気になるときの対処法
円形脱毛症は、ある日突然気づくことが多く、「どうして?」「このまま広がったらどうしよう」と強い不安を感じやすい症状です。
見た目の変化が分かりやすいため、人目が気になったり、外出や人と会うことに抵抗を感じたりする方も少なくありません。
しかし、円形脱毛症は適切な対処とケアを行うことで、症状の進行を抑えたり、気持ちの負担を軽くしたりすることが可能です。
ここでは、治療と並行して取り入れやすい考え方や工夫を中心に、円形脱毛症が気になるときの対処法を紹介します。
髪型を工夫して視線を分散する
円形脱毛症を目立たなくするためには、まず髪型の見直しが有効です。
分け目を固定せず、日によって位置を変えることで脱毛部分への視線が集中しにくくなります。
また、トップにボリュームが出やすいカットや、レイヤーを入れることで自然にカバーできる場合もあります。
強く引っ張るスタイリングは避け、頭皮に負担をかけないことが大切です。
頭皮用カバーアイテムを取り入れる
頭皮用ファンデーションやパウダー、スプレータイプのカバー剤は、地肌の透け感を自然に目立たなくできます。
特に、髪色よりやや暗めを選ぶと、違和感が出にくくなります。
洗髪で落とせるタイプを選ぶと、頭皮への負担も抑えやすいでしょう。
部分ウィッグ・ヘアピースを活用する
脱毛部分がはっきりしている場合には、部分用ウィッグやヘアピースが有効です。
分け目や後頭部など限られた範囲を自然にカバーでき、日常生活でも使いやすい点が特徴です。
近年は軽量で通気性に配慮された製品も増えており、見た目の違和感を感じにくくなっています。
帽子やヘアアクセサリーで自然に隠す
帽子やターバン、ヘアバンドなどのアイテムも、円形脱毛症を目立たなくする手段の一つです。
ファッションとして取り入れやすく、外出時の心理的な負担を軽減しやすくなります。
長時間の着用では蒸れや締めつけに注意が必要です。
頭皮に負担をかけない生活を意識する
円形脱毛症を隠すことと同時に、悪化を防ぐ意識も欠かせません。
強いブラッシングや過度なスタイリングを控え、低刺激のシャンプーで頭皮を清潔に保つことが回復を妨げにくくします。
無理のないケアを続けることが、見た目と治療の両立につながります。
まとめ
女性の円形脱毛症は、加齢だけが原因ではなく、自己免疫の異常やストレス、ホルモンバランスの変化、生活習慣などが複雑に関与して発症すると考えられています。
症状が軽い場合には自然に改善することもありますが、脱毛範囲が広がる場合や再発を繰り返す場合には、早めの対応が重要です。
自己判断で様子を見続けるのではなく、医療機関で正確な診断を受けることで、症状に合った治療選択がしやすくなります。
また、早く改善を目指したい方や再発を防ぎたい方にとっては、頭皮環境に直接アプローチする医療的な治療を検討することも一つの選択肢です。
不安を抱えたまま過ごすのではなく、正しい情報をもとに、自分に合った方法で円形脱毛症と向き合うことが、安心と回復への第一歩になります。
円形脱毛症を早く治したい女性は、お気軽にプライベートスキンクリニックにご相談ください。
参考文献
日本皮膚科学会ガイドライン 円形脱毛症診療ガイドライン 2024
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/AAGL2024.pdf
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
円形脱毛症ができる場所に意味はありますか?
円形脱毛症ができる場所自体に明確な意味があるとはされていません。
ただし、頭部だけでなく、眉毛や体毛などに生じる場合もあり、範囲が広がる場合は注意が必要です。
円形脱毛症に良い食べ物はありますか?
特定の食べ物で円形脱毛症が治るという医学的根拠はありません。
ただし、たんぱく質や鉄分、亜鉛などを含むバランスの良い食事は、毛髪の成長環境を整えるうえで重要とされています。
円形脱毛症は何科を受診すればよいですか?
円形脱毛症は基本的にまず皮膚科が受診先です。
診断を受けたうえで、症状に応じた治療方針を検討します。
とにかく早く生やしたい、脱毛が広いまたは再発を繰り返している、見た目の悩みが強い、ステロイド以外の選択肢も検討したい、という方は美容クリニックをおすすめします。
診療時間
[ 完全予約制 ] 10:30〜19:00
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DOCTOR.
このページの監修医師
資格
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology)正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボルベラXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボラックスXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボライトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ウルトラXC/ウルトラプラスXC認定医
- ボトックスビスタ認定医
- レスチレン認定医
経歴
| 平成15年 | 大阪医科大学 形成外科教室:入局 |
|---|---|
| 平成21年 | 大阪医科大学 助教(准):就任 |
| 平成24年 | 医学博士学位取得 |
| 平成25年 | 某美容クリニック:院長就任 |
| 令和5年 | プライベートスキンクリニック |
学会発表
- 第48回 日本美容外科学会総会(2025年9月25日~26日)
- 顎のヒアルロン酸注入を用いた輪郭形成-248症例の治療経験
- 第43回 日本美容皮膚科学会総会・学術大会(2025年8月16日~17日)
- POTENZA®を用いた美肌・毛穴・ニキビ治療の臨床経験
- 第42回 日本美容皮膚科学会総会(2024年8月31日~9月10日)
- PRPを用いた複合治療におけるざ瘡後瘢痕と毛穴開きの治療の当クリニックでの経験について
- 第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
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