横顔をきれいに見せたいと思ったとき、多くの方がまず鼻の高さや顎先の形に注目するかもしれません。
しかし、横顔の印象は、中顔面(目の下から鼻横、頬の中央付近にかけてのエリア)が平坦だったり、鼻翼基部(小鼻の付け根の部分)やゴルゴライン(下まぶたから頬にかけて斜めに入る溝状のシワ)にくぼみがあったりすると、横から見たときに立体感が不足して見えることがあります。
今回ご紹介するのは、笑ったときに目立つ鼻横のくぼみと、ゴルゴラインの段差にお悩みだった30代女性の症例です。すでにリフトアップヒアルロン酸やほうれい線への治療を受けられており、ほうれい線自体は十分に改善されていました。それでも残っていた違和感の正体と、その解決策について解説していきます。
今回の症例|鼻横のくぼみとゴルゴラインのお悩み
横顔の印象は鼻や顎だけでなく「中顔面の立体感」も重要
中顔面とは、一般的に目の下から鼻横、頬の中央付近にかけてのエリアを指す言葉です。鼻や顎ほど注目されにくい部分ですが、実は横顔の印象を大きく左右するパーツだといえます。中顔面が平坦に見える原因としては、いくつかのパターンが考えられます。
鼻周囲の骨格がもともと小さい、または奥まっている方もいれば、加齢によって骨や脂肪が少しずつ変化し、鼻周りのボリュームが減っていくタイプの方もいるはずです。鼻翼基部にくぼみがある場合や、ゴルゴラインに段差がある場合、脱脂後などに目の下と頬の境目が目立ちやすくなっている場合にも、中顔面が平坦に見えやすい傾向があります。鼻の周囲を支える骨格のボリュームが少ない方は、中顔面が奥まって見えるタイプであることも多く、顔の中央に立体感が出にくい傾向があるといえるでしょう。
この立体感は横顔の印象を大きく左右する要素です。横顔は鼻先・唇・顎先の位置関係だけでなく、鼻横や頬の位置関係によっても印象が変わってきます。鼻翼基部が奥まっていると鼻だけが前に出ているように見えることがあり、ゴルゴラインに段差があると顔の中央に影が入りやすくなるものです。
反対に中顔面へ自然な立体感が加わると横顔全体のつながりがなめらかに見えやすくなり、顔全体が明るく若々しい印象に近づくケースも少なくないでしょう。
なぜ今回は鼻翼基部とゴルゴラインにヒアルロン酸を注入したのか
今回の患者様は、過去にリフトアップヒアルロン酸やほうれい線への治療を受けており、ほうれい線自体はすでに薄くなっていました。
そのため、さらにほうれい線へ直接追加するのではなく、顔全体をあらためて確認したうえで、立体感が不足していた鼻翼基部とゴルゴラインを整える方針で施術を行っています。気になる線や溝があるからといってそのままヒアルロン酸を追加するとは限りません。違和感の原因が、気になっている部位とは別のところにあることも少なくないのです。顔全体のバランスを見ながら必要な部位を判断することは、すでに整っている部位への入れすぎを防ぐ意味でも大切なポイントといえます。
脱脂後にゴルゴラインや目の下の段差が気になることがある理由
今回の症例に関連して、目の下の脱脂とゴルゴラインの関係を補足しておきましょう。
目の下の脱脂は、目袋の原因となる眼窩脂肪を取り除く治療です。目袋がすっきりすると、もともとあったゴルゴラインや頬との段差が目立ちやすくなることがあります。脱脂後に脂肪注入などでボリュームを補っていない場合、目の下やゴルゴラインのくぼみを気にされるケースが少なくありません。
ただし、すべての方に同じ変化が起こるわけではなく、原因や適した治療は診察によって異なります。脱脂を受けたからといって、必ずゴルゴラインが目立つわけではない点にも注意が必要です。
施術内容
今回使用したのは、ジュビダームビスタ®ボリューマXC2本。鼻翼基部とゴルゴラインの両方にこの製剤を使用しました。
ボリューマを選んだ理由としては、鼻翼基部が骨格的な支えや立体感を補いたい部位であることが挙げられます。ゴルゴラインについては、比較的やわらかい製剤であるボリフトも選択肢として検討されましたが、今回はやわらかさよりも支持力を重視し、比較的硬さのあるボリューマを選択しました。製剤の選び方は、注入部位や皮膚の厚み、くぼみの程度、希望する仕上がりなどによって使い分けられるのが一般的です。
注入部位と量は以下の通りです。
施術後の変化|中顔面に立体感が生まれ、顔全体が明るい印象に
正面から見た変化としては、目の下から頬にかけての境目がなめらかになり、影が目立ちにくくなりました。頬の中央付近にほんのりとした丸みが加わったことで、中顔面全体がふっくらとした印象に近づいています。ただし正面から見た場合、顔の形が大きく変わるわけではなく、あくまで自然な変化にとどまっている点がポイントです。 横から見た変化はより分かりやすく、鼻翼基部から頬にかけてのラインに丸みが加わったことで、施術前に見られた鼻の付け根まわりのへこみがやわらぎました。鼻だけが前に出て見えていた印象が整い、鼻横から口元にかけてのつながりがなめらかに見えるようになっています。今回の症例は、正面よりも横から見たときのほうが、中顔面の変化を実感しやすいケースといえるでしょう。
こうした変化により、顔全体の印象にも良い影響が見られます。目の下から頬、鼻横にかけて自然な立体感が加わったことで、影が軽減され、明るい印象に近づいたといえるでしょう。中顔面のバランスが整うことで、若々しくいきいきとした印象に近づいたと感じられます。
横顔をヒアルロン酸で整えたい方へ
まとめ
今回ご紹介したのは、笑ったときの鼻横のくぼみとゴルゴラインの段差を気にされていた30代女性の症例です。過去にリフトアップヒアルロン酸やほうれい線への治療を受けており、ほうれい線やフェイスラインはすでに整っていましたが、顔全体を確認すると鼻翼基部とゴルゴライン付近の立体感が不足していました。
そこで鼻翼基部とゴルゴラインへジュビダームビスタ®ボリューマXCを注入し、中顔面のボリュームバランスを整えています。治療後は鼻横のくぼみやゴルゴラインの段差がなめらかに見えるようになり、横顔のバランスだけでなく顔全体が明るく若々しい印象に近づきました。 横顔の印象は、鼻や顎だけで決まるものではありません。鼻横や頬を含めた中顔面の立体感も、顔全体のバランスを大きく左右します。ヒアルロン酸治療では、気になる部分だけを見るのではなく、骨格や過去の治療歴を含めて顔全体を診断し、必要な部位へ必要な量を注入することが大切です。
ヒアルロン酸で横顔の印象を変えたい方へ
解剖学を熟知した医師があなたのお悩みを見極め 最適な施術をご提案します。
井畑医師がヒアルロン酸治療で重視していること
今回の症例では、患者様が鼻横のくぼみを訴えられていたからといって、そのまま鼻横だけへ注入したわけではありません。
過去の治療歴や現在の顔全体の状態を確認したうえで、ほうれい線はすでに薄くなっていること、リフトアップもされていること、唇と顎のバランスも良好であることを踏まえ、鼻翼基部とゴルゴラインの立体感が不足していると判断し、注入部位を決めています。
シワや溝といった気になる部分だけを見て決めるのではなく、骨格や脂肪、皮膚、靭帯、過去の治療歴まで含めて確認しています。
そのうえで顔全体のバランスを見て足りない部位だけを補い、すでに整っている部位にはむやみに追加していません。 患者様一人ひとりの状態をしっかり見て「必要な部位へ必要な量を注入する」というのが、プライベートスキンクリニックが一貫して大切にしている治療方針です。