二重顎の原因は顎が小さいから?
「太ってないのになぜ二重顎になるの?」
「ダイエットしても、首と顎の境目がはっきりしない」
鏡を見るたび、横顔に自信が持てず悩んでいませんか?
実は、二重顎になる原因は単に脂肪の問題だけでなく、顎の骨格や肌のたるみなど、複数の要因が絡み合っている場合があります。
また、日々の姿勢の悪さが、その悩みをさらに加速させている可能性もあるでしょう。
本記事では、「太っていないのに二重顎になる原因」と「太ってなくても二重顎の原因となる顎が小さい方の特徴」を解説します。
さらに、顎の骨格を改善できるプロテーゼやヒアルロン酸、脂肪・たるみを軽減する美容医療などをご紹介します。
セルフケアに限界を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
太っていない・痩せているのに二重顎になる原因
太っていない・痩せているのに二重顎になる原因として、顎が小さい、または後退(下顎骨が奥に引っ込んでいる)が挙げられます。
骨格が原因である場合、その上に乗る皮膚や脂肪をピンと張れず、わずかな量でも皮膚がたるみ、下顎のラインが曖昧になり二重顎として目立ってしまうでしょう。
また、顎が後退していると首との境界があいまいになり、顔全体が丸く見える場合もあります。
つまり、顎の小ささや後退は、脂肪やたるみがなくても二重顎になりやすくなる傾向があります。
皮膚・筋肉のたるみ
二重顎の大きな原因の一つとして、皮膚や筋肉のたるみが挙げられます。
皮膚のハリを保つコラーゲンやエラスチンは加齢とともに減少する傾向があり、重力に負けて皮膚が下がるためです。
さらに、顎周りや口元の筋肉を使わない生活を送っていると、筋力が衰えて脂肪や皮膚を支えきれなくなり、たるみとなって二重顎を形成する可能性があります。
したがって、年齢とともに、または筋肉の衰えによって皮膚組織が緩むと、二重顎はより顕著になる傾向があるでしょう。
また、保湿不足や紫外線によるコラーゲン減少も皮膚のハリを損ない、たるみを助長する要因となるとされています。
姿勢の悪さ・スマホ首
現代人に特に多く見られるのが、姿勢の悪さやスマホ首による二重顎です。
長時間、顔を前に突き出した前傾姿勢を続けると、顎下の皮膚が常に圧迫され、二重顎が形成されやすくなる傾向があります[1]。
この姿勢は顎下の血行やリンパの流れを悪化させ、むくみや老廃物が溜まりやすくなることも考えられます。
スマートフォンやパソコンを長時間使用する方は、骨格や脂肪に関わらず、姿勢の悪さ自体が二重顎の直接的な原因となるため、注意が必要です。
顎が小さい人に多い顔立ちの特徴
「顎が小さい・後退しているために二重顎になりやすい人」には、いくつかの共通した顔立ちの特徴が見られます。
ここでは、その代表的な3つの特徴を紹介します。
下顔面が短く、フェイスラインが後退して見える
顎が小さい人は、顔全体に対して下顔面(鼻の下から顎先まで)の長さが相対的に短く、横から見たときにフェイスラインが後退して見えるという特徴があります。
これは、下顎骨の発達が不十分であるため、顎先が前に出ていないのが原因と考えられます。
その結果、正面から見ると「丸顔」や「幼い印象」を与えやすく、横から見ると顎先が首に埋まっているように見え、首と顔の境目が曖昧になりがちです。
したがって、太っていなくても横顔の輪郭が曖昧だと感じる方は、顎の小ささが原因である可能性が高いと言えるでしょう。
口元が前に出やすく、Eラインが崩れやすい
顎が小さい人は、横顔のバランスを示す「Eライン(鼻先と顎先を結ぶ線)」よりも、口元が前に出て見える場合があります。
Eラインは、鼻先と顎先を直線で結んだラインで、美しい横顔では唇がこのライン上、または内側にあるのが理想とされています。
顎が後退していると、鼻先に対して顎先が引っ込んでいるため、相対的に唇が前に突出しているように見えてしまう傾向です。
そのため、「口ゴボ(口元の突出)」に見える方も、実は顎の小ささが原因である場合があります[2]。

口を閉じた時に顎先にシワ(梅干しジワ)ができる
顎が小さい方の中には、口を閉じた時に顎先に「梅干しジワ」が出る方もいます。
これは、顎を前方に出す筋肉(オトガイ筋)が緊張しているために起こると考えられている現象です[3]。
顎が小さい・後退している場合、唇を閉じるために筋肉を過度に使う必要が生じやすく、結果として顎先の皮膚にしわが寄ってしまう場合があります。
二重顎を防ぐために意識したい日常ケア
日常のちょっとした習慣も、フェイスラインの印象に大きく影響する可能性があります。
ここでは、二重顎を予防するために意識したい3つのポイントを紹介します。
姿勢を整える
二重顎の進行を食い止めるには、まず正しい姿勢の意識が重要です。
猫背やスマホ首といった悪い姿勢は、首の前側の皮膚を常に押しつぶす状態をつくり出す場合があります。
それにより、顎下にしわやもたつきが定着しやすくなるだけでなく、血行不良を引き起こしやすくなる傾向があるでしょう。
スマートフォンやパソコンを見る時間が長い人ほど、顔が前に出て頭の重さを支える首の筋肉に負担がかかり、フェイスラインを引き上げる力が弱まりやすくなると考えられます。
具体的な対策
- 椅子に座る際や立っている時も、耳と肩が一直線になるように背筋を伸ばしましょう。
- 顎を軽く引くことを習慣づけましょう。
日常的に正しい姿勢を意識すると、首や顎のラインがすっきり見えやすくなることが期待できます。
舌の位置を正しく保つ
舌の位置も、顎周りのラインに深く関係していると考えられます。
舌が正しい位置にないと口呼吸になりやすく、口周りや顎の筋肉が緩んでフェイスラインがたるみやすくなる可能性があります。
理想的な舌の位置は、舌先を上の前歯のすぐ後ろの歯ぐきに軽く触れさせ、舌全体を上あごに密着させる状態です。
この姿勢を保ちながら鼻呼吸を意識すると、自然と口周りの筋肉が使われ、顎下のもたつき予防につながると期待できます。
普段から口を閉じ、舌を上に置く意識が大切です。
むくみや冷えを放置しない
むくみや冷えは、フェイスラインをぼやけさせ、二重顎を目立たせる大きな要因となる可能性があります。
血流やリンパの流れが滞ると老廃物や水分が顎下にたまりやすく、フェイスラインがぼやけて見える場合があります。
特に冷え性の人や長時間同じ姿勢を続ける人は、むくみによって二重顎が強調されやすくなる傾向があるでしょう。
対策として、以下の点が挙げられます。
- 毎日の入浴で体を温め、首や肩を軽く回すだけでも血行促進に効果が期待できます。
- 睡眠不足や塩分の摂りすぎもむくみの原因となるため、生活習慣を整えるのも重要です。
- ストレッチやウォーキングなどの軽い運動を取り入れることで、血行促進や体温の上昇効果が期待できます。
体を温めて代謝を高めると、自然なフェイスラインの維持につながります。

美容医療で叶える二重顎・フェイスライン改善
セルフケアでの予防や意識づけは大切ですが、すでに二重顎が定着している場合は、美容医療によるアプローチも有効な選択肢となり得ます。
二重顎の原因に合わせて「脂肪を減らす」「たるみを引き上げる」「骨格を補う」など、さまざまな施術方法があります。
顎ヒアルロン酸注入でフェイスラインを整える
顎が小さい、または後退しているタイプの二重顎には、ヒアルロン酸注入による輪郭形成もおすすめの選択肢の一つです。
顎先にヒアルロン酸を注入し、骨格ラインを補うと、下顔面のバランスが整い、首との境界がはっきりとした印象になると期待できます。
輪郭全体がシャープに見えるため、脂肪やたるみが少ない方でも横顔の印象を大きく変えられる可能性がある施術です。
- 持続期間は使用する製剤により異なりますが、一般的に半年〜2年程度で、体質によっても差があります。
- ダウンタイムは1〜2日で、施術時間も5~10分と、日常生活に支障がでにくい傾向にあることもメリットといえるでしょう。
脂肪溶解注射で輪郭を引き締める
脂肪溶解注射は、メスを使わずに顎下の余分な脂肪の減少を目指す施術です。
有効成分が脂肪細胞に直接作用し、分解・排出を促して、フェイスラインのもたつきをすっきり見せる効果が期待できます。
特に「太っていないのに顎下だけ気になる」という方で、局所的な脂肪の蓄積が原因である場合、脂肪溶解注射により輪郭を引き締める効果が期待できるでしょう。
脂肪溶解注射に使用する製剤によって成分濃度や反応の強さが異なります。
当クリニックを例にご紹介します。
- 当クリニックでは、カベリン、チンセラプラス、FatX Core などの薬剤を導入しており、患者様のご希望に応じて使い分けています。
- カベリン(0.5%) → チンセラプラス(0.8%) → FatX Core (1.0%)の順にデオキシコール酸の濃度が高くなり、脂肪細胞への作用がしっかりしている分、痛みや腫れなどの反応がやや出やすい傾向です。
希望する仕上がりやダウンタイムについて医師と相談し、適切な製剤の選択が大切です。
脂肪吸引注射でボリュームを減らす
脂肪吸引注射は、極細のカニューレ(管)を用いて、顎下の余分な脂肪細胞を物理的に吸引・除去する施術です。
脂肪溶解注射が脂肪細胞を破壊し排出するのに対し、こちらは脂肪を物理的に取り除くという違いがあります。
一度の治療で二重顎のボリュームを減らしたい場合、脂肪吸引注射がおすすめの選択肢の一つとなり得ます。
脂肪細胞の除去により短期間で輪郭を引き締め、すっきりとした印象になるのが期待でき、
従来の脂肪吸引に比べてダウンタイムが少ないのも特徴の一つです。
さらに、スレッドリフト(糸リフト)と併用すると、皮膚のたるみを引き上げながら、よりシャープなフェイスラインが期待できるでしょう。
「細いのに、顎下だけが気になる」「早く効果を実感したい」という方におすすめの施術です。
ボトックス注射で梅干しジワを改善する
ボトックス注射は、ボツリヌス菌がつくり出す「A型ボツリヌス毒素」というタンパク質を利用した治療で、筋肉と神経がつながる部分に作用して、その部位の筋肉の動きを一時的に弱めてくれるのが特徴です。
過度に緊張した顎の筋肉(オトガイ筋)の働きを緩めることで、梅干しジワが出来にくくする効果が期待できます。
糸リフトでたるみを引き上げる
皮膚のたるみが原因で二重顎になっている方には、糸リフト(スレッドリフト)も有効な選択肢の一つです。
特殊な糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や筋肉を内側から引き上げて、輪郭をすっきりと整えると期待できます[4]。
施術直後から引き締まりを実感しやすく、ダウンタイムが少ない傾向にあるのも特徴です。
糸が体内で溶ける過程でコラーゲン生成が促され、肌のハリや弾力アップも期待できるでしょう。
「たるみも脂肪もどちらも気になる」という方には、脂肪吸引注射との併用で、より高いリフトアップ効果が期待できる可能性があります。
脂肪を取り除いてから皮膚を引き上げるため、フェイスラインの輪郭がより明確になると期待できるでしょう。
糸リフトについて詳しくはこちら
顎プロテーゼで骨格を補う
顎の小ささが二重顎の最大の原因で、半永久的な効果を望む方には、顎プロテーゼ(シリコン挿入)による施術が選択肢のひとつとなります。
シリコン製のプロテーゼを骨の上に挿入し、顎先のラインを整えて、フェイスラインの土台を支えます。
皮膚が引き伸ばされるため、顎下のたるみや段差が目立ちにくくなり、横顔もすっきり引き締まる効果が期待できるでしょう。
施術は口の中からアプローチするため、顔の表面には傷跡が残らないという特徴があります。
また、患者様一人ひとりの骨格や理想のラインに合わせてプロテーゼの形を選定・調整するため、自然でバランスのとれた仕上がりが期待できます。
ヒアルロン酸注入に比べて効果の持続性が高く、輪郭をしっかり形成したい方におすすめの施術です。
悩みにアプローチするオーダーメイド施術
二重顎の原因は、脂肪の量だけでなく、骨格や筋肉、皮膚の状態など複数の要素が複雑に絡み合っていると考えられます。
そのため、ひとつの施術で全てを改善しようとするのではなく、原因に合わせた「組み合わせの施術」がより効果を高めてくれる可能性があります。
組み合わせ治療の例
- 顎が小さく後退している方にはヒアルロン酸注入や顎プロテーゼで骨格のバランスを整える。
- 脂肪が多い場合は脂肪溶解注射や脂肪吸引注射でボリュームを減らす。
- 皮膚のたるみが目立つ場合にはスレッドリフトで引き上げる。
このように複数のアプローチを組み合わせると、より自然で立体的なフェイスラインの形成が期待できます。
まとめ
今回は、二重顎になる原因と改善法について解説しました。
二重顎は、脂肪だけでなく、顎の骨格や筋肉のゆるみ、姿勢などが複合的に影響して起こると考えられます。
セルフケアで姿勢や舌の位置を意識するのも大切ですが、根本から改善したい場合には、美容医療によるアプローチも有効な選択肢の一つです。
プライベートスキンクリニックでは、熟練の形成外科専門医が以下の施術を組み合わせ、自然で美しいフェイスラインづくりをサポートしています。
- 脂肪溶解注射
- 脂肪吸引注射
- 糸リフト
- 顎ヒアルロン酸注入
- 顎ボトックス注射
- 顎プロテーゼ
カウンセリングはすべて医師が担当し、骨格や脂肪量、肌の状態を丁寧に確認したうえで最適な施術プランをご提案いたします。
「太っていないのに二重顎が気になる」「フェイスラインをすっきり見せたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献・論文
[1]Joon-Hee Lee.The effect of forward head posture on the statics and dynamics of the platysma muscle.J Phys Ther Sci. 2016 Jan 30;28(1):274–277.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4756019
[2]Ricketts, R. M.Esthetics, environment, and the law of lip relation.Am J Orthod
. 1968 Apr;54(4):272-89
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/5238879
[3]B M Zide, J McCarthy.The mentalis muscle: an essential component of chin and lower lip position.Plast Reconstr Surg
. 1989 Mar;83(3):413-20.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2645595
[4]Gi‐Woong Hong, Jovian Wan, Song‐Eun Yoon, Sky Wong, Kyu‐Ho Yi.Anatomical Consideration for Double Chin Thread Lifting.J Cosmet Dermatol. 2025 Jun 13;24(6):e70238.
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
顎プロテーゼと顎ヒアルロン酸注入は、どちらを選ぶべきでしょうか?
顎プロテーゼは半永久的な効果で根本改善を目指す方、顎ヒアルロン酸は手軽に試したい方や微調整希望の方におすすめです。
持続性やダウンタイムで選択肢が変わります。
最終的な選択は、医師とのカウンセリングでご自身の骨格、理想、リスク許容度を総合的に判断して決定することが重要です。
脂肪溶解注射と脂肪吸引注射は、どちらを選べば良いですか?
脂肪溶解注射は、よりダウンタイムを抑えたい方におすすめです。
脂肪吸引注射は、物理的に脂肪細胞を吸引・除去するため、一度の治療でより確実にボリュームを減らしたい方や、早く効果を実感したい方に向いていると言えます。
どちらの施術が適しているかは、現在の状態や希望する効果によって異なるため、医師と相談して決めることが大切です。
複数の原因が絡んでいる二重顎の場合、どのように治療を進めますか?
まず骨格・脂肪量・皮膚の弾力などを詳細に分析します。
そして、脂肪減量、たるみ引き上げ、骨格形成など、原因に合わせた複数の施術を組み合わせるオーダーメイド治療をご提案します。
診療時間
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