60代になると、シワだけでなく「顔全体のたるみ」・「頬やこめかみのボリュームロス」・「輪郭のゴツゴツとした印象」など、複数のエイジングサインが同時に現れやすくなります。
以前ヒアルロン酸治療を受けたことがある方でも、加齢とともにボリュームロスが進行し、左右差や凹凸感が目立ってくることが少なくない年代ではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、他院でヒアルロン酸治療を受けた経験のある60代女性に対し、現在のお顔の状態を診察したうえで、不足している部位へ適切にヒアルロン酸を追加注入した症例です。なぜこの部位を選んだのか、どのような治療設計を行ったのか、医師の考え方とともにご覧ください。
60代のヒアルロン酸治療とは?ナチュラルな若返りを目指すエイジングケア
ここでは、60代で起こる顔の変化や、若返りを目指すヒアルロン酸治療について解説します。
60代で増える顔のお悩み
60代になると、20〜50代の頃とは異なるお悩みが顔全体に現れやすくなります。
代表的なものには、
- 顔全体のたるみ
- 頬コケ(頬の脂肪やハリが失われてこける状態)
- こめかみの凹み
- ゴルゴライン(下まぶたから頬にかけて斜めに入る溝状のシワ)
- マリオネットライン(口角から顎にかけて伸びる縦じわ)
- フェイスラインのもたつき
- 顔のゴツゴツ感・凹凸感(部分的にボリュームが失われることで生じる凹凸)
などがあります。
これらは一つひとつが独立して現れるというより、加齢によるいくつかの変化が同時進行することで、顔全体の印象を大きく左右するものです。シワの有無だけを基準にすると、60代のお悩みの本質を見落としてしまいます。
60代で起こる顔の加齢変化
60代の顔の変化には、主に次のような要因が関わっています。
- 骨自体がわずかに萎縮し、土台となる支持力が低下するなどの骨格の変化
- 皮下脂肪や深部脂肪が減少し、頬やこめかみなどが痩せて見えるボリュームロス
- 皮膚や脂肪を支えるリガメント(靭帯)がゆるみ、たるみやすくなる
- 顔の脂肪は部位ごとに減り方が異なるため、部分的な凹凸が生まれる
- 噛み癖や生活習慣の影響が長年蓄積し、左右のボリュームロスや下垂の差が大きくなることで左右差が目立ちやすくなる
これらが複合的に重なった結果が、シワだけでなく輪郭全体のゴツゴツとした印象を与えてしまいます。60代のエイジングケアでは、この点を理解しておくことが大切です。
60代のヒアルロン酸は何本くらい使う?
ヒアルロン酸の年代別使用料は以下の通りです。
- 30代:2〜4cc(3本)
- 40代:3〜4cc(4本)
- 50代:4〜6cc(5本)
- 60代:5〜8cc(6本)
ヒアルロン酸の使用量の目安は「年代から0を取った本数」といわれています。
つまり60代は6本程度が目安の本数です。
ただし、これはあくまで一つの目安であり、実際に必要な本数は年齢だけで決まるものではありません。自然な仕上がりを目指すには、顔全体の骨格やボリュームロスの程度、過去の治療歴や目指す仕上がりによって、必要な部位へ必要な分だけバランスよく注入することが重要です。ご自身にとっての適正な本数や治療方針を相談するためにも、カウンセリングでの診察をもとに、個別に設計することが大切といえるでしょう。
ヒアルロン酸の効果を長持ちさせるためのメンテナンス
ここでは、ヒアルロン酸の効果をできるだけ長く保つために知っておきたいポイントをご紹介します。
【症例解説】60代女性のヒアルロン酸治療
ここからは、60代女性の症例をもとに、ご来院時のお悩みや診察で確認されたお顔の状態をご紹介します。
ご来院時のお悩み
今回ご紹介する患者様は60代女性で、他院にて頬・こめかみ・ほうれい線へヒアルロン酸(ボリューマ約3cc)の注入歴がありました。
ご来院時には、他院での治療をもう少し改善したいというお気持ちに加え、顔全体の輪郭をもう少し引き上げたい、左右差が気になる、こめかみや頬のボリュームロスが気になるといったお悩みでした。そして、効果は欲しいけれど不自然な仕上がりにはしたくないというご希望をお持ちでした。
診察で分かったこと
井畑医師が診察したところ、左側の頬まわりに強いたるみが見られ、こめかみのふっくら感が失われるボリュームロスも確認されました。
その他にも、涙袋の下から頬にかけての凹み(ゴルゴライン)、頬の外側のボリュームロス、口角から顎にかけて伸びる縦ジワ(マリオネットライン)、あごまわりを支える力の低下が見られました。
こうした変化が加齢により積み重なった結果、顔全体がゴツゴツとした印象になっていたため、シワなど気になる部分だけでなく輪郭全体のバランスを整える治療を計画しました。
今回の施術内容
今回の患者様には、以下の製剤を使用し、複数の部位へ分けて注入を行いました。
施術後の変化
施術後は、ボリュームロスが目立っていた頬にふくらみが生まれ、ほうれい線やフェイスラインの凹凸感、左右のバランスにも変化が見られました。
ここからは、施術前後を比較しながら、どのような変化が得られたのか詳しく解説します。
どのような変化が得られたか
施術前は頬の中央から頬骨にかけてのボリュームが乏しく、影が入りやすい状態でしたが、施術後は頬にふくらみが戻り、その影が目立ちにくくなりました。ほうれい線の溝の深さもやわらぎ、口元からフェイスラインにかけての凹凸が滑らかになった点も特徴的です。
また、術前に見られた左右のボリューム差が整い、顔全体のバランスが取れた印象になっています。フェイスライン全体の丸みが増したことで、こけて見えていた輪郭は、年齢に合った自然な若々しさが感じられる仕上がりになっているのではないでしょうか。
シワだけを埋めるのではなく、顔全体の骨格やボリュームバランスを踏まえて注入したことが、部分的な変化ではなく、顔全体の印象としてまとまりのある変化につながったといえます。
ヒアルロン酸リフトの施術例(ボリューマXC 4本・ボリフトXC 1本)
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
| 施術 |
たるみの原因となる靭帯(リガメント)のゆるみをヒアルロン酸で補強することで、自然なリフトアップを実現します。
また、真皮層にヒアルロン酸を注入することで、しわや凹みを目立たなくし、滑らかな肌へ導きます。
施術後すぐに効果を実感でき、ダウンタイムがほとんどないため、多くの方に選ばれている人気の施術です。 |
| 料金 |
302,500円(ジュビダームビスタ®ボリューマXC 4本・ジュビダームビスタ®ボリフトXC 1本) |
| 期間・回数 |
1回・40分ほど |
リスク (副作用) |
針を刺した部分や注入部分に赤みや腫れが、1~7日程度生じることがあります。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
より理想の仕上がりを目指すためにご提案した治療
今回の患者様には、ヒアルロン酸でボリュームロスを補ったうえで、さらにリフトアップ効果やたるみ改善を希望される場合の選択肢として、HIFUと糸リフトをご提案しています。これは「ヒアルロン酸だけでは不十分」という意味ではなく、より高い効果を求める場合に検討いただける追加の選択肢としてのご紹介です。
まとめ
60代の顔の変化は、シワだけでなくたるみやボリュームロス、輪郭のゴツゴツ感など、複数の加齢変化が重なって現れることが特徴です。ヒアルロン酸は失われたボリュームを補うことで顔全体のバランスを整え、自然な若々しさを目指せる治療のひとつです。
また、必要な本数や注入部位は年齢だけで決まるものではありません。骨格やボリュームロスの程度、左右差、過去の治療歴などを総合的に診察したうえで決定することが、自然な仕上がりへの近道です。治療後も、定期的なメンテナンスやHIFU・糸リフトを組み合わせることで、より良い状態を維持しやすくなります。
まずはカウンセリングで現在のお顔の状態を診察したうえで、一人ひとりに合った治療をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
60代のエイジングケアでお悩みの方へ
解剖学を熟知した医師が患者様一人ひとりに適した治療をご提案します。
井畑医師からのコメント
他院でヒアルロン酸治療を受けられた方でも、今のお顔の状態を丁寧に診察したうえで、不足している部分だけを見極めて追加していけば、自然なバランスに整えることは十分可能です。加齢によるボリュームロスや左右差は、時間とともに少しずつ変化していきます。
以前の治療内容にとらわれすぎず、その時々のお顔に合わせて治療のデザインを見直すことこそ、大切だと考えているのです。
今回は、たるみだけでなくシワ感を整えることも意識しました。こめかみや頬、マリオネットラインなど複数の部位へバランスよく注入することで、無理に引き上げるのではなく、内側からふっくらと支えるような自然な若々しさを目指しています。
『効果は欲しいけれど不自然にはしたくない』というご希望は、多くの患者様からいただくものです。そのお気持ちを大切に、量や部位は慎重に調整させていただきました。
治療は一度で終わるものではなく、経過を見ながら続けていくものだと考えています。メンテナンスや他の治療を組み合わせることで、より良い状態を無理なく維持していただけるはずです。