ヒアルロン酸で自然な若返りを目指すには、気になる箇所だけでなく、適切な部位に必要な量を注入することが大切です。
今回ご紹介するのは、ほうれい線や顔全体のたるみが気になる40代女性の症例です。
診察では複数の原因が重なっていることが分かり、患者様のお悩みや希望に合わせて3つの治療プランをご提案しました。
本記事では、それぞれの治療プランをご提案した理由や施術内容、治療後の変化について解説します。
ヒアルロン酸注射による若返り治療とは
ヒアルロン酸注射は、シワや凹みを補うイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし近年は、注入する部位や目的に応じてさまざまな使い方があり、得られる効果も異なります。
特に、加齢による顔の変化には、リガメント(支持靭帯)のゆるみやボリュームロス、顔面の骨格の変化など、さまざまな要因が関係しています。
「ほうれい線さえ消えれば若く見える」と考える方は多いですが、実際はほうれい線だけを埋めても、顔全体の印象が若々しくなるとは限りません。
理想の仕上がりを目指すには、顔全体を診察したうえで、注入部位や使用量を決めることが大切です。
また、ヒアルロン酸による若返り治療は、顔を大きく変えることが目的ではありません。
患者様のお悩みや希望にあわせて、必要な部位へ適切な量を注入し、自然な若々しさを目指します。
患者様の来院時のお悩みと診察内容
今回の症例は、40代女性の患者様です。
ほうれい線や口元のもたつきなどを中心に複数のお悩みを抱えてご来院されました。
ここでは、来院時のお悩みやご希望についてご紹介します。
ほうれい線や口横のもたつきが気になる
今回の患者様が、最も気にされていたのはほうれい線です。
加齢とともに、ほうれい線が深く目立つようになったことに悩まれていました。
また、口横のもたつき(マリオネットライン周辺)の改善を希望されています。
診察では、ほうれい線だけでなく、口元のもたつきやフェイスラインの状態もあわせて確認しました。
目の下の変化についてもご相談がありましたが、今回は優先順位を踏まえ、ほうれい線・口元・輪郭を中心に診察・治療を行う方針としました。
小顔を目指しながら顎のラインも整えたい
全体的な印象として小顔感をご希望されており、顎へのヒアルロン酸注射にも関心をお持ちでした。
そこで、顎だけではなく顔全体のバランスを確認するため、中顔面の下垂やリガメントの状態、頬の位置、フェイスライン、顎の形態まで総合的に診察しました。
顎を尖らせることを目的とせず、正面・横顔の輪郭が自然につながるよう、患者様の骨格に合わせた仕上がりをご提案しています。
今回の診察で分かったこと
ほうれい線や口元のもたつきは、一つの原因だけで生じるものではありません。
今回の診察では、患者様のお顔全体を確認した結果、4つの特徴が見られました。
ここでは、それぞれがほうれい線や顔全体の印象にどのような影響を与えていたのかを解説します。
リガメントなどの支持組織がゆるんでいる
診察ではリガメント(支持靭帯)など、皮膚や脂肪を支える組織がゆるんでいることが分かりました。
リガメントがゆるむと頬の組織が下方へ移動し、ほうれい線や口横のもたつきが生じやすくなります。
この状態では、ほうれい線だけを直接埋めても、顔全体の下垂感が残るケースも少なくありません。
そのため、リフトアップによるアプローチも含めて治療方針を検討しました。
ほうれい線に陥凹がみられる
患者様が気にされていた、ほうれい線の陥凹も確認できました。
リガメント周辺を支えてリフトアップを図ったとしても、ほうれい線の凹みが残るケースがあります。
このような場合は、残っている陥凹に必要な量のヒアルロン酸を注入して補います。
顔全体の土台を整えたうえで陥凹の状態を確認することで、必要以上の注入を避けながら、自然な仕上がりを目指せます。
顎が小さく後退している
今回の患者様は、顎が小さく、お顔の輪郭に対して後退している傾向がありました。
顎が小さい、または後退していると、顔全体が丸く見えたり、口元が強調されたりすることがあります。顎のラインを適度に整えることで、逆卵型の輪郭が整いフェイスラインや横顔とのバランスが整い、顔全体が引き締まった印象につながります。
今回の患者様では、ほうれい線だけでなく、中顔面を支える部位やリガメント周辺へのアプローチも必要と判断しました。
また、ほうれい線に残る陥凹を補い、顎のラインを自然に整えることで、逆卵型の輪郭が整い顔全体のバランスを考慮した治療計画をご提案しました。
患者様にご提案した3つの治療プラン
診察結果をもとに、患者様の状態やご希望を踏まえ、3つの治療プランをご提案しました。
それぞれに特徴があり、お悩みや優先したいことによって適した選択肢は異なります。
ここでは、それぞれの治療プランについてご紹介します。
【プラン①】ほうれい線のみにヒアルロン酸を注入する
ほうれい線の陥凹へ直接ヒアルロン酸を注入する治療です。
気になる部位へピンポイントにアプローチでき、治療範囲・使用本数を抑えたい方にも適しています。
一方で、リガメントのゆるみや中顔面の下垂に対する治療は含まれないため、顔全体のたるみ感や口横のもたつきの改善には向いていません。
また、ほうれい線へ注入量を集中させることで、不自然なボリュームにつながるリスクもあります。
【プラン②】リガメント周辺にヒアルロン酸を注入する
顔を支えるリガメント周辺にヒアルロン酸を注入し、中顔面のリフトアップを目指す治療です。
頬の下垂感やたるみを改善したい場合や、顔全体の引き上げを重視したい方に適しています。
頬を支えることで、ほうれい線や口元の重たい印象の軽減につながります。
一方で、ほうれい線そのものの陥凹が深い場合は、リフトアップだけでは十分な改善が得られず、状態に応じてほうれい線への追加注入を検討します。
【プラン③】リガメント・ほうれい線・顎を組み合わせる このプランを選択
顔を支える部位、ほうれい線、顎を段階的に整える治療です。
まずリガメント周辺や頬を支える部位へ注入し、顔全体の土台を整えます。
その後、残っているほうれい線の陥凹を必要な範囲で補い、最後に顎を自然に整えることで、正面と横顔の輪郭まで考慮した治療を行います。
このように段階的にアプローチすることで、ほうれい線だけに集中させることなく、各部位へ適切に注入しながら、バランスを保った自然な仕上がりを目指します。
今回は、患者様のご希望と診察結果をもとに、こちらのプランを選択しました。
今回プラン③を選択した理由
顔全体のバランスを重視した治療方針
今回の治療では、顔全体のバランスを考慮し、3種類のヒアルロン酸製剤を部位や目的に応じて使い分けました。
使用する製剤や注入部位は、患者様の状態によって異なります。
以下では、それぞれの治療目的と使用した製剤についてご紹介します。
STEP 1リガメント周辺・中顔面
| 注入部位 | 使用製剤 | 使用本数 | 料金 |
| リガメント周辺・中顔面 | ジュビダームビスタ® ボリューマXC | 2本 | 121,000円 |
STEP 2ほうれい線の陥凹
| 注入部位 | 使用製剤 | 使用本数 | 料金 |
| ほうれい線の陥凹 | ジュビダームビスタ® ボリフトXC | 1本 | 60,500円 |
STEP 3顎
| 注入部位 | 使用製剤 | 使用本数 | 料金 |
| 顎 | ジュビダームビスタ® ボラックスXC | 1本 | 88,000円 |
症例写真で見る治療後の変化
実際の症例写真とともに、治療後の顔全体の変化をご確認いただけます。
なお、掲載している写真は施術後に撮影したものです。
施術直後のため、一時的な腫れや赤みなどが含まれている可能性があります。
症例No.0085895
ヒアルロン酸リフトの施術例(ボリューマXC2本・ボリフトXC1本・ボラックスXC1本)
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
| 施術 |
ヒアルロン酸で靭帯(リガメント)を補強し、たるみを改善してお顔をリフトアップする施術です。また、気になるシワには直接ヒアルロン酸を注入し、ふっくらと持ち上げることで影や凹みのない明るい印象を与えます。 |
| 料金 |
269,500円(ジュビダームビスタ®ボリューマXC2本・ボリフトXC1本・ボラックスXC1本) |
| 期間・回数 |
1回・40分ほど |
リスク (副作用) |
針を刺した部分や注入部分に赤みや腫れが、1~7日程度生じることがあります。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
ほうれい線の凹みや口元の印象が改善した
写真で確認すると、ほうれい線の影や陥凹がやわらいでいることが分かります。
ほうれい線へ直接注入するだけでなく、リガメント周辺にアプローチしたことで、口元や頬だけ膨らむことなく、自然な仕上がりとなっています。
顎先からフェイスラインがすっきり整った
リガメント周辺や中顔面に注入したことで頬の位置が持ち上がり、フェイスラインまで含めた輪郭の変化が確認できます。
また、顎を自然に補正したことで、正面・横顔ともに輪郭のつながりがなめらかになりました。
ほうれい線だけでなく、顔全体が引き締まり、逆卵型の輪郭が完成し立体感のある印象へと変化しています。
顔全体が自然で若々しい印象に変化した
顔立ちを大きく変えるのではなく、加齢によるたるみやボリュームロスにアプローチし、立体感や輪郭を整えながら、自然で若々しい印象を目指した症例です。
ヒアルロン酸を顔の複数箇所へ適切に注入することで、顔全体のバランスが整いました。
治療の効果には個人差があり、すべての方が同様の変化を得られることを保証するものではありません。
井畑医師からのコメント
まとめ|ヒアルロン酸注射で自然な若返りを叶えよう
40代になると、ほうれい線だけでなく、顔全体のたるみや輪郭の変化が気になり始める方も少なくありません。
ヒアルロン酸で自然に若々しい印象を目指したい一方で、「ほうれい線だけに注入してよいのか分からない」「自分には何本必要なのか知りたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
また、顔がパンパンになるなど、不自然な仕上がりが不安という方もいるでしょう。
当クリニックでは経験豊富な医師が、リガメントの状態や頬の位置、輪郭、骨格、ボリュームロスなどを総合的に診察し、一人ひとりのお顔立ちやご希望に合わせた治療プランをご提案します。
ヒアルロン酸と糸リフトのどちらが適しているか迷っている方や、顔全体のバランスを整えたい方も、ぜひお気軽にご相談ください。
ほうれい線やたるみの改善に適した施術を知りたい
ヒアルロン酸と糸リフトのどちらが適しているか迷っている方は、お気軽にご相談ください。経験豊富な医師が、リガメントの状態や頬の位置、輪郭、骨格、ボリュームロスなどを総合的に診察し、一人ひとりのお顔立ちやご希望に合わせた治療プランをご提案します。
井畑医師MEMO
患者様のご希望も踏まえた結果、今回はプラン③が最も適していると判断しました。
主な理由としては、気にされていたほうれい線だけでなく、リガメントのゆるみや中顔面のボリューム低下、顎を含めた顔全体のバランスを整えるためです。ほうれい線またはリガメント周辺どちらか一方へのアプローチでは、十分な改善が難しい状態でした。
そのため、顔全体の土台を整えたうえで、ほうれい線の陥凹を補う治療をご提案しています。
さらに、顎を自然に整えることで、輪郭やフェイスラインとのバランスも調整できると判断しました。
今回のプランでは、ヒアルロン酸による治療範囲で改善を目指します。