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ハイドロキノンは本当にシミや肝斑ケアに有用?有用性・副作用・正しい使い方まで徹底解説

ハイドロキノンはシミ・肝斑ケアに有用か?正しい使用方法を解説

監修医師

医療法人優聖会 最高顧問 井畑 峰紀 医師

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井畑峰紀医師

この記事でわかること

  1. 肝斑とその他のシミの違いとは?
  2. 肝斑にハイドロキノンは有用?
  3. ハイドロキノン使用時の注意点

シミや肝斑に悩んでいる方の中で、「ハイドロキノン」という名前を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれるほど注目されており、美容クリニックでもシミや肝斑のケアを目的として用いられる成分です。

ただし、正しい使い方を守らないと、副作用や肌トラブルにつながるリスクがあります。

そこで本記事では、肝斑と他のシミの違い、ハイドロキノンの美白メカニズム、臨床研究に基づく効果、使用時の注意点、そして当クリニックで取り扱う製品まで詳しく解説していきます。

気になるシミや肝斑を改善して美しい肌を取り戻すため、ぜひ最後までご覧ください。

肝斑とその他のシミの違いとは?

シミとひと口に言っても種類は様々です。

特に、肝斑は他のシミと特徴や原因が異なるため、改善の方法が異なる場合があります。

ここでは肝斑の特徴と違いを整理します。

肝斑(かんぱん)とは?その特徴を解説

肝斑は、主に30〜50代の女性に多く見られる、左右対称にできる薄茶色のシミです。

頬骨のあたりや、目の下、額、口の周りに左右対称に広がる特徴があります。

その形は地図のようにも見え、輪郭がはっきりしないケースもあるでしょう。

肝斑は、他のシミとは異なり、肌を強くこすったり、刺激を与えたりすると悪化しやすいというデリケートな性質を持っているとされています。

ホルモンバランスの変化が主な原因と考えられており、妊娠中や経口避妊薬の使用中に現れる可能性があります。

肝斑とその他のシミの見分け方

以下に肝斑とその他のシミの見分け方を示します。

シミの種類特徴主な原因
肝斑頬骨や目の下などに左右対称にできる。輪郭が不明瞭で、モヤモヤとした形をしている。ホルモンバランスの変化、紫外線、物理的な刺激
老人性色素斑
(日光性黒子)
顔や腕、背中など、紫外線を浴びやすい場所にできる。輪郭が比較的はっきりしており、単発でできる場合が多い。紫外線
雀卵斑
(そばかす)
鼻や頬に小さな斑点が散らばるようにできる。遺伝的な要因
炎症後色素沈着ニキビ、擦り傷、やけど、虫刺され、過度の擦れなど炎症や外部からの刺激メラニンの過剰産生、沈着、排泄されにくくなり、凹凸が基本なく、淡い茶色から黒っぽい褐色調

シミはその種類によって原因や特徴が異なっており、自己判断で間違ったケアをすると、かえって悪化させてしまう可能性があります。

ただし、シミの種類は見た目だけでは判断が難しいケースも多いため、専門のクリニックで正確な診断を受けるのがおすすめです。

肝斑ができる主な原因

肝斑は多因子性とされており、以下の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

  • ホルモンバランスの変化
  • 紫外線
  • 摩擦や刺激

妊娠やピルの服用、閉経などでホルモンバランスが変動すると、メラニン色素の生成を促し、肝斑ができやすくなると考えられます。

紫外線に当たるとメラノサイト(色素細胞)が刺激され、メラニン色素が過剰に生成されるといわれています。

忘れてはならないのが日常的な肌への物理的な刺激(ゴシゴシ洗い、強い力でマッサージする等)です。

これも肝斑を悪化させる原因となると考えられます。

ハイドロキノンによる美白メカニズム

ハイドロキノンは、美白作用が強いとされており「肌の漂白剤」とも呼ばれ、シミや色素沈着の改善に効果が期待できる成分です。

ここでは、ハイドロキノンがどのようにシミに作用するのかについて詳しく解説します。

「肌の漂白剤」と呼ばれるハイドロキノン

ハイドロキノンは、イチゴ類や麦芽、コーヒーなどにも含まれる天然の化学物質です。

市販品は化粧品に分類され、一般的に2%以下の濃度で配合されている製品が多いですが、医療機関ではより高濃度の製剤が処方され、強力な美白効果が期待できます。(1)

特にシミや色素沈着が濃い場合に、医師の診断のもとで使われるケースが多いです。

ハイドロキノンがシミに効くメカニズム

ハイドロキノンは、ただ単にシミを薄くするだけでなく、シミができる過程からすでに存在するシミまで、多角的にアプローチする成分です。

メカニズム作用内容
メラニン生成の抑制メラニン色素を作り出す酵素「チロシナーゼ」の働きを抑え、メラニンが過剰に作られるのを防ぐ効果が期待できます。
メラノサイトの活性抑制紫外線などの刺激で過剰に活動するメラノサイトそのものの働きを抑え、新たなシミの発生を防ぐ効果が期待されます。
メラニンの還元
排出促進
すでに肌に蓄積されたメラニン色素を還元して薄くしたり、分解・排出しやすくする作用も持つと考えられています。

これらの作用により、既にできてしまったシミを薄くするだけでなく、未来のシミ予防にもつながると考えられています。

ハイドロキノンと他の美白成分との違い

ハイドロキノンは、既にできてしまったシミを薄くする効果に優れているとされています。

一方、トラネキサム酸やビタミンC誘導体は、シミの予防や肌全体のトーンを整える役割が期待できます。

成分作用の仕組み特徴
トラネキサム酸炎症を抑え、メラノサイトの過剰な活性を防ぐ肝斑の改善に取り入れられるケースが多い。内服・外用ともに利用される。
ビタミンC誘導体メラニン生成抑制抗酸化作用比較的刺激が少なく、日常ケア製品に配合されるケースが多い。

肝斑にハイドロキノンは有用か?

肝斑に対するハイドロキノンの効果は臨床研究もいくつかされており、実際に有用性が報告されています。

研究内容考察
ハイドロキノン4%配合クリームの有効性に関する研究12週間使った人たちのシミが、より目立たなくなったと報告されています。(2)
ハイドロキノン(シミを薄くする塗り薬)だけを使う方法とハイドロキノン+トラネキサム酸(飲み薬)の比較研究2つを組み合わせた人の方が、シミの改善効果が高かったという報告もあります。(3)

副作用としては、少し肌が乾燥したり赤くなったり、皮がむけたりすることはありましたが、重いトラブルはなかったとの報告があります。(2)

ハイドロキノン使用時の注意点

ハイドロキノンには有用性が期待できる一方で、副作用やリスクも指摘されています。

必ず医師の診察を受け、指示に従って使用してください。

ここでは使用のタイミングや紫外線対策、注意すべき点を詳しく見ていきます。

使用のタイミングと適切な塗布方法

ハイドロキノンは紫外線に当たるとシミを濃くする可能性があるため、一般的に夜のスキンケアでの使用とされています。

推奨される塗布方法は以下になります。

  • 塗布前に洗顔を行う
  • 洗顔後、化粧水や美容液で保湿する
  • シミや色素沈着が気になる部分に少量を塗布する

ただし、朝晩の使用を推奨しているものもあり、使用前に必ず医師の指示に従い、適切な方法で使用してください。

徹底した紫外線対策

ハイドロキノン使用中は、肌が非常にデリケートな状態になるため、日中の紫外線対策は非常に重要です。

日焼け止めを毎日欠かさず使用し、帽子や日傘も併用して、肌を紫外線から守りましょう。

わずかな紫外線でも、シミが濃くなったり、赤みや炎症が起きたりする可能性があります。

赤み・かゆみなどの肌トラブル

ハイドロキノンの使用開始直後や、体調によっては、赤み・かゆみ・ひりつきなどの症状が出る場合があります。

これらの症状は、使用を続けるうちに落ち着く傾向にありますが、症状がひどい場合や肌に異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し医師に相談してください。

白斑が生じるリスクについて

ハイドロキノンは、メラニン生成を抑制する作用があるため、健康な肌に不要な部分まで使用すると、白斑(肌の色が白く抜けてしまう状態)が生じる可能性があります。

これを防ぐため、必ず医師の指示に従い、シミのある部分にのみ、少量ずつピンポイントで塗布するようにしてください。

自己判断での広範囲の使用や、長期間の使用は避けましょう。

当クリニック取り扱いのハイドロキノン製品

当クリニックでは、ゼオスキンやガウディスキンといった医療機関専売コスメを取り扱っています。

それぞれの特徴を知り、自分に合った製品を選びましょう。

ゼオスキン「ミラミン」

美容皮膚科学に基づき開発されたゼオスキンヘルスシリーズの美白クリームです。

独自のテクノロジーにより、肌の色むらを整え、透明感のある肌へと導きます。

ハイドロキノンを配合し、シミやくすみに対して改善効果が期待できます。

ご使用方法:朝と夜、1プッシュを顔全体に塗布してください。

ゼオスキン「ミラミックス」

ハイドロキノンを主成分とする美白クリームで、トレチノインとの併用が推奨されています。

ミラミックスには、トレチノインの浸透をサポートする成分が含まれているため、肌の奥深くまで有効成分を届け、より高い美白効果や肌質の改善が期待できます。

ご使用方法:夜、1プッシュをトレチノインと合わせて使用します。

ガウディスキン「HQクリア」

日本人の肌質に合わせて開発された製剤です。

ハイドロキノン4%を配合し、肌への刺激を抑えながら美白効果を発揮することが期待できます。

肌のバリア機能を守りながらシミにアプローチします。

ご使用方法:朝と夜、2プッシュを顔全体になじませてください。

まとめ

今回は、ハイドロキノンが肝斑・シミに期待できる改善効果や使い方について解説しました。

ハイドロキノンは美白効果が強力で、肝斑やシミの改善に役立つ成分とされていますが、副作用のリスクもあるため、必ず正しい方法で使うことが大切です。

特に、肝斑は複雑な要因で生じるため、自己判断で市販薬を使うのではなく、医師の診察を受けて適切な施術を受けましょう。

プライベートスキンクリニックでは、ゼオスキンやガウディスキンなどの医療機関専売コスメを取り扱っており、患者様一人ひとりに合った施術をご提案しています。

シミや肝斑でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

(1)https://cosmetic-ingredients.org/skin-lightening-agents/1255/

(2)https://cdn.mdedge.com/files/s3fs-public/Document/September-2017/080060497.pdf

(3)https://pmc.carenet.com/?pmid=27762489

よくあるご質問

患者様からよくいただく質問をご紹介します。

セラピューティックは誰でも受けられますか?

妊娠中・妊活中・授乳中の方はレチノールを含む製品を使用できません。その場合、レチノールを含まない施術をご提案いたしますので、医師にご相談ください。

効果はどのくらいで実感できますか?

使用するアイテムや個人により差がありますが、ゼオスキンでは、セラピューティックコースが終わる3カ月目目以降、ガウディスキンでは、Q-YAGレーザー、レーザートーニングを併用したセラピューティックの場合、7週間後に効果が実感できると期待できます。

市販品と医療機関専売のハイドロキノンの違いは?

市販品は化粧品に分類され、一般的に2%以下の濃度で配合されている製品が多いです。
医療機関専売品は、医師の管理下で使用されるため、高濃度成分の配合が可能です。

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DOCTOR.

井畑峰紀医師

医療法人優聖会 最高顧問

井畑 峰紀

糸リフトやフィラー注入によるシワ・たるみなどの美肌治療などに携わり、約20年の豊富な経験と知識を活かし、患者様に感動を与える美容医療を追求しています。適切な治療と丁寧な説明で、安全性と満足度の高い施術をご提供いたします。

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資格

経歴

平成15年

大阪医科大学 形成外科教室:入局

平成21年

大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任

平成24年

医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定

平成25年

某美容クリニック:院長就任

令和5年

プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る

井畑医師の詳細はこちら

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