「糸リフトをやらなきゃよかった」「思ったより痛い」「効果がなかった」――
SNSや口コミでそんな声を見かけて、不安になっていませんか?
糸リフトはメスを使わずに顔のたるみを引き上げられる人気の施術ですが、実は向いている人と向いていない人がはっきり分かれる治療でもあります。
この記事では、糸リフトのデメリットや後悔しやすいポイントを正直に解説しながら、年代別の効果の限界、失敗を防ぐ医師選びのコツまで詳しく紹介します。
メリットだけではなく、糸リフトのデメリットについてもしっかりチェックしてくださいね。
溶ける糸リフトとは?
溶ける糸リフトとは、体内に吸収される特殊な医療用糸を挿入して、お顔のたるみをリフトアップする施術です。
糸にはコグという突起がついており、皮膚を引っかけ土台からたるみを持ち上げます。
また、皮下に挿入した糸によって皮下組織が刺激され、皮膚内のコラーゲンやエラスチンの生成が促されることで、施術後徐々に肌の細胞が活性化されていきます。
糸の引き上げによるリフトアップ効果に加え、時間の経過とともにお肌のハリ・引き締め効果も期待できます。
糸リフトのデメリット【総まとめ】
糸リフトは、メスを使わずにたるみを引き上げられる人気の施術ですが、どんな治療にもリスクや副作用、注意点はあります。
効果や経過を正しく理解しておくことで、後悔のない選択ができます。
腫れ・内出血・ツッパリ感などの一時的な副作用
施術直後~数日は、針を挿入した部分に腫れや赤み、内出血、ツッパリ感、くぼみが出ることがあります。
特に頬やフェイスラインのあたりに軽いツッパリ感を感じる方が多く、
笑ったり、口を大きく開けたりすると引っ張られるような違和感を覚えることがあります。
また、数日間は、糸の挿入部分を押した際に痛みがでる場合があります。
実際の例
- 食事のときに口が開けにくく、硬いものを噛むのが少ししんどい
- 洗顔のときに頬を強くこすると痛みがある
- あくびをすると糸のテンションを感じる
これらの症状はほとんどが1〜2週間以内に自然に落ち着く一時的なものですが、
「直後から完璧に普段どおり」とはいかない点は押さえておきましょう。
メイクやスキンケアのときに軽い痛みを感じることがある
糸リフト後は、針穴や糸の通り道が一時的に敏感になります。
翌日からメイク可能な場合も多いですが、術後1〜3日目くらいまでは頬のファンデーションや化粧水を塗るときに軽い痛みや違和感を感じることがあります。
また、リフト直後はスキンケア時のマッサージや強い摩擦はNG。こすらず優しくなじませるようにするのがコツです。
効果の持続に個人差がある
糸リフトの持続期間は使用する糸の種類や肌質によって異なり、一般的には半年〜2年程度が目安です。
肌の弾力が低下している場合や、たるみが強い場合は効果を感じにくいこともあり、
定期的なメンテナンスが必要になるケースもあります。
骨格や皮膚の厚みによっては効果を感じにくい
糸リフトは、皮膚の下に糸を通して引き上げる構造的治療のため、
骨格や脂肪の付き方、皮膚の厚みによって仕上がりに差が出ます。
皮膚が薄い方は糸が透けたり引きつれやすく、逆に皮下脂肪が多い方はリフトアップ効果が出にくい傾向があります。
注意したいポイント
- 頬骨が高い方や面長の方は、糸の方向設計を誤ると左右差が出やすい
- 皮膚の薄い人は、コグ(糸の突起)が浅く感じるケースも
医師の技術や糸の選定によって回避できることも多いですが、
自分の骨格・皮膚タイプを理解して設計することが大切です。
メンテナンスが必要になる
糸リフトの効果は、時間の経過とともに少しずつ薄れていきます。
そのため、半年〜1年おきに追加施術を行うことで、自然で若々しいフェイスラインを維持していくのが理想的です。
切開リフト(フェイスリフト)のように余分な皮膚を取り除く手術に比べると、
効果の持続期間はやや短く、糸リフトはメスを使わない分、定期的なメンテナンスが前提の治療といえます。
「一度で完了する施術」ではなく、中長期的に肌の変化を見ながら続けていくエイジングケアとして考えるのが現実的です。
糸リフトのメリット
次は、逆に糸リフトの代表的なメリットをご紹介していきます。
引き上げ効果が高い
注入系や照射系治療に比べ、糸を使って物理的にたるみも引き上げますので、その分高い効果が得られます。また、エイジングケアとしてたるみ予防効果も期待できます。
即効性がある
施術後すぐに、たるみやシワに対するリフトアップ効果を感じることができます。
傷跡が目立たない
糸リフトは、メスを使わず行う治療です。
髪の生え際から細い針を使って糸を挿入するため、傷跡が目立ちません。
また、切開リフトに比べ、痛みや施術時間、ダウンタイムが短いため、体への負担が軽いのも特徴の一つです。
年代別に見る糸リフトのメリットと限界
糸リフトは、年齢や肌質によって得られる効果や持続期間に差があります。
「何歳から始めるのがいい?」「何歳まで効果があるの?」という質問も多くいただきますが、
それぞれの年代でできることと限界を知っておくことが、後悔しない施術選びのポイントです。
20代〜30代|早めのたるみ予防と小顔効果
20〜30代では、まだ肌の弾力やハリがしっかりしているため、軽度なたるみ予防やフェイスラインの引き締めに効果的です。
特に、輪郭のもたつきやほうれい線の初期サインが気になり始めた方には、早期ケアとして最適な時期です。
この年代では糸の効果がしっかりと反映されやすく、ナチュラルな小顔効果も期待できます。
ただし、たるみがほとんどない状態で過度にリフトアップを行うと、引きつれ感や不自然な仕上がりになることも。
必要以上に強く引き上げるより、将来のたるみ予防としてゆるやかに引き上げる施術を選ぶのがおすすめです。
おすすめの施術
VOVリフト(吸収性PDO糸)を左右3本ずつ、計6本前後使用。
VOVリフトは引き上げ力と自然な仕上がりのバランスが良く、皮膚への負担が少ないため、初めて糸リフトを受ける20〜30代にも向いています。
40代|中等度のたるみ改善に効果的
40代になると、頬や口元のたるみ・ほうれい線が目立ち始める時期です。
糸リフトによって、フェイスラインを引き締めながら、ほうれい線の深さを軽減する効果が期待できます。
この年代では、肌のハリを支える「支持靭帯(リガメント)」がゆるみ始めているため、適度な引き上げ力と固定力をもつ施術が効果的です。
おすすめの施術
テスリフトやアンカーXなどの吸収性リフト糸を左右6〜8本前後使用。
これらは糸表面のコグ(突起)によってしっかりとたるみを引き上げつつ、自然な仕上がりを実現します。ただし、皮膚のゆるみが強い場合は、ヒアルロン酸リフトやハイフとの併用が効果的です。
50代以降|糸単体では限界あり。併用治療でのリフトアップが鍵
50代を過ぎると、骨や脂肪の萎縮が進み、皮膚の余りも増えていきます。
そのため、糸リフト単体では十分な引き上げ効果を感じにくいケースが増えます。
とはいえ、フェイスラインや口元のもたつきを自然に整えたい方には依然として有効な選択肢です。
おすすめの施術
テスリフトまたはアンカーXを左右6〜10本前後の使用。
しっかりとした引き上げ力と持続性を兼ね備えており、顔全体のリフトアップ効果を狙います。
また、骨のボリュームロスが進むこの年代では、ヒアルロン酸注入を併用して、土台から持ち上げる設計にすることで、より自然で若々しい印象を保ちやすくなります。
糸だけで無理に引き上げようとすると皮膚のヨレや不自然な張り感が出やすいため、
50代以降は複合治療でバランスをとることがポイントです。
年代に合わせた無理のない施術選びが大切
糸リフトは年齢を問わず人気のある施術ですが、「何をどこまで改善したいか」や肌の状態によっては、効果に限界があることもあります。
これは、糸リフトのデメリットの一つでもある「万能ではない治療」という点です。
たるみの初期段階で行えば予防的なリフトアップ効果が、進行してからは他の治療と組み合わせることでより自然な若返りが期待できます。
大切なのは、デメリットを理解したうえで、自分の年齢・たるみの程度に合った最適な治療方針を立てること。
それが、糸リフトで満足のいく結果を得るための一番のポイントです。
糸リフトが向いている人・向いていない人
糸リフトは、メスを使わずにリフトアップできる手軽さから幅広い年代に人気があります。
しかし、すべての人に同じような効果が出るわけではなく、肌質やたるみの程度によって“向き・不向き”があります。
自分の状態を知っておくことで、無理のない治療選びができます。
糸リフトが向いている人
- 軽度〜中程度のたるみが気になる方
まだ皮膚のハリが残っていて、フェイスラインやほうれい線の初期たるみを改善したい方に効果的です。
- 自然な変化を求める方
糸リフトは、強く引き上げるというよりもナチュラルに整える治療。
周囲に気づかれずに若返りたい方におすすめです。
- ダウンタイムを短くしたい方
施術直後からメイクが可能な場合も多く、仕事や生活に支障を出したくない方に向いています。
- 定期的にメンテナンスできる方
糸リフトは永久的な治療ではなく、半年〜1年ごとに追加施術を行うことで効果を維持します。
「定期的にケアしながら若々しさを保ちたい」という方にぴったりです。
糸リフトが向いていない人
- 皮膚のたるみが強く、余りが多い方
皮膚が下方向に大きく余っている場合、糸だけでは十分に引き上げきれず、
切開リフトやフェイスリフトなどの外科的手術のほうが適している場合があります。
- 脂肪が多く、頬や顎下にボリュームがある方
皮下脂肪が厚いと糸の引き上げ力が分散し、効果を実感しにくくなることがあります。
脂肪溶解注射やハイフとの併用で、よりリフト効果を高められます。
- 皮膚が薄く、糸が透けやすい体質の方
糸が浅い層に入ると、肌表面に糸の影や凹凸が出ることがあります。
そのため、皮膚の厚みや脂肪量を見極めて層を選べる医師の技術力が重要です。
- 効果を長期間維持したい方
糸リフトは効果が半年〜2年程度と限定的なため、「一度で長持ちする結果を求める」方には不向きです。
長期的な若返りを目指す場合は、再生医療やヒアルロン酸注入などの併用が現実的です。
デメリットを理解し、自分に合う治療を選ぶことが大切
糸リフトの一番のデメリットは、「すべてのたるみに万能ではない」という点です。
ですが、自分の肌状態や生活スタイルに合った方法を選べば、
負担を抑えながら自然で満足度の高いリフトアップ効果が得られます。
「自分に合っているかどうか」をカウンセリングで見極めることが、後悔しないための第一歩です。
デメリットを回避するためのクリニックと医師選び
糸リフトは、医師の技術力や診断力が結果に直結する施術です。
同じ糸を使っても、施術者によって仕上がりや持続力がまったく異なることもあります。
デメリットの多くは「技術不足」「糸の種類の選定ミス」「カウンセリング不足」など、医師側の判断や設計で防げるケースも少なくありません。
ここでは、後悔しないためにチェックしておきたいポイントを解説します。
① 形成外科や美容外科の専門医が在籍しているか
糸リフトは皮下組織・脂肪層・筋膜など、解剖学を理解したうえで糸を挿入する必要があります。
そのため、顔の構造を熟知した形成外科専門医や美容外科医が在籍しているクリニックを選ぶことが重要です。
解剖学的な知識がある医師ほど、糸が適切な層に通り、引きつれや凹みなどのリスクを最小限に抑えることができます。
② 症例実績と使用糸の種類を確認できるか
信頼できるクリニックでは、施術ごとの症例写真や実績数を明確に提示しています。
また、使用している糸(例:VOVリフト、テスリフト、アンカーXなど)や、その特徴・持続期間・向いている部位について丁寧に説明してくれることも大切です。
糸の種類や太さを個人に合わせて選んでもらうことで、「効果が感じにくい」「糸が浮いた」「引きつれた」といったデメリットを避けやすくなります。
③ カウンセリングでたるみの原因を診断してもらえるか
単に「たるみを上げる」だけでなく、どの層(皮膚・脂肪・SMAS・骨)に原因があるのかを
診断してもらえるかどうかが非常に重要です。
原因を特定せずに糸を入れると、リフト効果が一時的だったり、左右差や不自然な仕上がりになることがあります。
誠実なクリニックほど、「糸リフトだけで対応できるか」「他の治療と併用すべきか」まで説明してくれます。
④ 無理な勧誘や過剰な本数提案がないか
糸リフトの効果は本数だけで決まるものではありません。
必要以上に多くの糸を入れると、皮膚への負担が増え、引きつれや凹凸の原因になることもあります。
信頼できる医師は、たるみの程度や皮膚の厚みを見極めたうえで、最小限の本数で最大限の効果を出す設計をしてくれます。
⑤ アフターケア・再診体制が整っているか
糸リフトは施術後も腫れやツッパリ感が出ることがあり、適切なアフターケアや再診フォローが安心につながります。
経過観察やメンテナンスの説明を丁寧にしてくれるかどうかも、クリニック選びの重要な基準です。
プライベートスキンクリニックの糸リフトの施術例
糸リフト(スレッドリフト)の施術例(Gコグリフト6本・VOVリフト4本)
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
| 施術 |
糸リフトは、コグ(突起)の付いた特殊な医療用吸収糸(溶ける糸)で、お顔のたるみやほうれい線を引き上げます。
さらに、フェイスラインをすっきりさせ、小顔効果も高いので幅広い年齢層に人気の施術です。 |
| 料金 |
209,000円(Gコグリフト6本・VOVリフト4本) |
| 期間・回数 |
1回・40分ほど |
リスク (副作用) |
1〜2週間程度、針を刺した部分や挿入部分に赤みや腫れ・窪みが生じることがあります。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
糸リフト(スレッドリフト)の施術例(アンカーX6本)
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
| 施術 |
糸リフトは、コグ(突起)の付いた特殊な医療用吸収糸(溶ける糸)で、お顔のたるみやほうれい線を引き上げます。
さらに、フェイスラインをすっきりさせ、小顔効果も高いので幅広い年齢層に人気の施術です。 |
| 料金 |
173,800円(アンカーX6本) |
| 期間・回数 |
1回・40分ほど |
リスク (副作用) |
1〜2週間程度、針を刺した部分や挿入部分に赤みや腫れ・窪みが生じることがあります。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
糸リフト(スレッドリフト)の施術例(テスリフト4本・VOVリフト8本)
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
| 施術 |
糸リフトは、特殊な医療用吸収糸(溶ける糸)に小さな突起(コグ)が付いた糸を使い、たるんだお顔をリフトアップする施術です。
これにより、フェイスラインがすっきりし、ほうれい線も目立ちにくくなるなど、若々しい印象へと導きます。 |
| 料金 |
313,500円(テスリフト4本・VOVリフト8本) |
| 期間・回数 |
1回・40分ほど |
リスク (副作用) |
1〜2週間程度、針を刺した部分や挿入部分に赤みや腫れ・窪みが生じることがあります。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
まとめ|糸リフトのデメリットを理解して、後悔しない選択を
糸リフトは、メスを使わずにリフトアップできる人気のたるみ治療です。
しかし、どんな施術にもメリットとデメリットがあり、糸リフトも「たるみを完全に解消する魔法の治療」ではありません。
腫れやツッパリ感などの一時的な違和感、効果の持続期間の限界、そして骨格や皮膚の厚みによって仕上がりに差が出る――
これらは、多くの方が実際に感じやすいリアルなデメリットです。
とはいえ、適切な糸の種類と本数を選び、解剖学を理解した経験豊富な医師が施術すれば、
糸リフトは自然で若々しいフェイスラインを叶える非常に有効な治療法になります。
大切なのは、デメリットを正しく理解したうえで、自分の年齢・肌状態・ライフスタイルに合った治療を選ぶこと。
それが、糸リフトで後悔せず、長く満足できる結果を得るための一番の近道です。
プライベートスキンクリニックでは、形成外科専門医が一人ひとりのお顔の状態を見極め、
「効果」と「自然さ」を両立させたオーダーメイドの糸リフト治療をご提案しています。
たるみやフェイスラインのもたつきでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
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URL: https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s00266-021-02256-w.pdf SpringerLink
- Hsieh CH., Liang CP., Peng P.HL., Samizadeh S. Thread Lifting: Complications and Management. In: Samizadeh S. (ed) Thread Lifting Techniques for Facial Rejuvenation and Recontouring. Springer, Cham. 2024.
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- Han DG., et al. Early Complications from Absorbable Anchoring Suture (Barbed Thread Lifting): A Review. Archives of Aesthetic Plastic Surgery. 2017;23(1):…
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