マンジャロで「禿げる」は本当?副作用について
この記事でわかること
「マンジャロを使うと禿げるらしい」
そんな話を聞いて、使用をためらっている方もいるかもしれません。痩身治療として注目されているマンジャロですが、脱毛するという情報に不安を感じるのは当然です。
実際には、マンジャロそのものに脱毛の副作用は確認されていません。急激な体重減少やストレスによって身体や頭皮に負担がかかると、抜け毛が増える可能性があります。これはマンジャロに限らず、急激なダイエットに共通するリスクです。
そこでこの記事では、「マンジャロで禿げる」と言われる原因や、抜け毛を予防するための具体的な対策について詳しく解説します。マンジャロは、無理なく続けられる痩身治療として多くの方に選ばれています。安心して治療に取り組むためにも、正しい情報を確認しておきましょう。
目次
マンジャロとはどんな薬?

マンジャロは、GIP/GLP-1受容体作動薬と呼ばれる注射タイプのお薬です。
消化ホルモンであるGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の働きを補い、体内のインスリン分泌が促進されるため、血糖値のコントロールがしやすくなります。脳の満腹中枢に作用して、食欲を自然に抑える効果が期待できます。
強い食事制限や過度な運動を必要とせず、自然と食べる量が減るため、ストレスを感じにくいダイエット法として人気を集めています。
医師の管理のもとで行う痩身治療であり、健康的かつ効率的に体重を減らすサポートが可能です。
もともとは2型糖尿病の治療薬として開発されたお薬であり、近年は痩身治療としても注目されています。
マンジャロで禿げると言われているのはホント?
マンジャロを使用して「抜け毛が増えた」「髪が薄くなった」といった声をSNSなどで見かけ、不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、現時点でマンジャロの公式な副作用として「脱毛」は含まれていません。
ただし、実際に一部の方から脱毛の報告があるのも事実です。これは、急激な減量やストレスが原因で生じる症状であると考えられています。
マンジャロの副作用
マンジャロの副作用は、胃腸の症状を中心としたものがほとんどです。特に治療開始初期は症状が出やすいため、少量から投与を始めるのが一般的です。
代表的な副作用には以下のようなものがあります。
- 吐き気、嘔吐
- 下痢、便秘
- 胃もたれ、腹部膨満感
- 倦怠感、脱力感
- 頭痛やめまい
- 注射部位の発疹や痛み
- 胆石症や胆嚢炎のリスク(極端な食事制限により胆汁の流れが滞るため)
- 急性膵炎のリスク(まれなケース)
なぜマンジャロによって薄毛になるのか?
マンジャロの使用によって薄毛になる理由は、薬の直接的な作用ではなく、体調の変化によって引き起こされる「休止期脱毛症」が関係していると考えられます。休止期脱毛症とは、成長期の髪の毛が急激に休止期へ移行して抜け毛が増える症状であり、急激な体重減少による栄養不足、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、血行不良などが原因とされています。マンジャロに限らず、急激なダイエットによって起こりやすい症状の一つです。
栄養不足が髪の成長を阻害する
食事量が極端に減ると、髪の毛の成長に必要な栄養素が不足し、抜け毛が増える可能性があります。特に鉄分やタンパク質が不足すると、毛根の働きが弱まり、髪の成長が妨げられます。糖質を制限しすぎると、エネルギー源としてタンパク質が使われてしまい、髪の栄養が不足する原因になります。また、脂質が極端に少なくなると頭皮が乾燥し、皮脂の分泌が過剰になって頭皮環境が悪化する可能性もあります。
摂取カロリーが極端に低い、糖質制限が過度である、栄養素の偏りがあるといった食生活は、髪に悪影響を及ぼす可能性があります。
ダイエットのストレスが抜け毛の原因に
ダイエットによるストレスも、抜け毛が増える原因となります。強いストレス状態が続くと、自律神経やホルモンバランスが乱れ、髪の成長サイクルが不安定になります。
自律神経の乱れは血流悪化や睡眠不足も招くため、髪の毛の成長を妨げてしまいます。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスは髪の成長に深く関わっており、乱れると薄毛の原因になります。
女性の場合、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少すると、髪の成長が鈍くなり、抜け毛が増える傾向があります。
男性の場合は、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれるホルモンが増えると、毛根が萎縮し、薄毛が進行するとされています。
これらのホルモンの変化は、ストレスによって引き起こされる可能性があります。
血行不良
頭皮の血流が悪くなると、髪の毛を作る毛母細胞に必要な栄養素が届きにくくなります。血液は髪の栄養を運ぶ重要な役割を担っているため、血行不良は髪の成長を妨げ、抜け毛の原因となります。
特に冷えやストレス、運動不足、自律神経の乱れなどが血流を悪化させる要因となります。
マンジャロ治療中の脱毛を防ぐにはどうする?
マンジャロによる痩身治療を受けている際に脱毛を防ぐためには、身体に過度な負担をかけないよう意識することが大切です。特に急激な体重減少は避け、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。ストレスの軽減、頭皮のケア、質の高い睡眠の確保も、髪や頭皮の健康維持に欠かせません。
ゆっくりと体重を落とす
急激な体重減少は、抜け毛の原因になるだけでなく、体調不良や肌荒れ、皮膚のたるみを引き起こす可能性があります。髪の健康を守るためには、1カ月あたり元の体重の3〜5%以内の減量を目安に、無理のないペースで進めましょう。
髪の成長に必要な栄養素を摂取する
タンパク質、ミネラル、ビタミン類は、髪の成長を支える重要な栄養素であり、バランスのよい摂取がポイントです。毛髪の主成分であるケラチンはタンパク質の一種であり、タンパク質の摂取は欠かせません。亜鉛はケラチンの合成を助ける働きがあり、抜け毛対策として積極的に取り入れたいミネラルです。
ビタミンB2やB6は皮脂の分泌を抑え、頭皮の代謝を促進します。ビタミンEには抗酸化作用があり、頭皮の血流を改善して栄養を届ける役割があります。さらに、水分不足は頭皮の乾燥を招くため、こまめな水分補給も意識しましょう。
ストレスを溜め込まない工夫
ダイエット中は、食事制限や体調の変化、思うように結果が出ないことなどでストレスを感じやすくなります。過度な制限は避け、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。運動や食事管理をしている場合でも、休息日を設けるなど、長く続けられるスタイルに調整することが大切です。
頭皮環境を整えるケア
ダイエット中は頭皮の状態が不安定になりやすいため、頭皮ケアも欠かせません。刺激の少ないシャンプーやコンディショナーを選び、優しく洗うようにしましょう。軽い頭皮マッサージを取り入れると血流が促進され、毛根に栄養が届きやすくなります。
睡眠の質と時間をしっかり確保する
髪のダメージは、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって修復されます。睡眠不足が続くと、血行不良やホルモン分泌の低下により、抜け毛が起こりやすくなります。就寝前のスマホの使用を控える、リラックスできる環境を整えるなど、質の高い睡眠を得る工夫を取り入れましょう。
脱毛が気になるとき、マンジャロ以外の痩身治療を検討すべき?
マンジャロ治療中に脱毛が気になり始めたら、まずは減量のペースを確認しましょう。急激な体重減少は身体に大きな負担をかけ、抜け毛の原因となる可能性があります。生活習慣の見直しも重要です。
ダイエットによる抜け毛が増えるタイミング
急激な体重減少による脱毛は、一般的に減量開始から2〜3カ月後に現れるケースが多いとされています。これはマンジャロに限らず、急なダイエット全般に見られる傾向です。
マンジャロ治療では、副作用が出やすい初期段階に配慮し、まずは2.5mgからスタートします。4週間後に問題がなければ5mgへ増量し、効果の様子を見ながらさらに4週間ごとに段階的な増量が可能です。
このように薬の投与量を徐々に増やしていくことで、効果を実感しやすくなりますが、増量のタイミングと脱毛の時期が重なると、薬の影響だと感じる方もいるかもしれません。実際には、体重減少による体調の変化が主な原因と考えられます。
医師と相談し治療方針の見直しが大切
脱毛が続いている場合は、「薬の効き方が強すぎる」「食事制限や生活習慣とのバランスが崩れている」などの理由が考えられます。自己判断で対応するのではなく、医師と相談しながら薬の処方量や治療内容を見直すことで、安心して治療を継続できます。
まとめ
マンジャロが禿げるという情報について詳しくご紹介しました。脱毛は急激なダイエットでは起こりうるリスクの一つです。マンジャロに限らず、どんなダイエットでも起きる可能性がありますので、しっかり計画を立てて行いましょう。
当クリニックでは、マンジャロの他、サクセンダ、リベルサスも扱っています。リベルサスは内服タイプですので、自己注射に抵抗がある方でも始めやすくなっています。また、他のメディカルダイエットも多数ありますので、患者様のご希望を伺い、体に負担のかかりにくい方法も考慮してご提案いたします。
プライベートスキンクリニック(PSC)では、患者様一人ひとりに最適な施術プランをご提案いたします。
マンジャロをご検討中の方は、当クリニックへお気軽にご相談ください。
医師・スタッフ一同心より皆様のご来院をお待ちしております!
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
マンジャロで禿げるのはなぜ?
マンジャロ自体に脱毛の副作用は報告されていません。ただし、急激な減量やストレスによるホルモンバランスの乱れ、血行不良などが原因による休止期脱毛症が起き、髪の毛が抜けやすくなる可能性があります。抜け毛は急激なダイエットで起こりうる現象です。
マンジャロの増量が抜け毛に関係していますか?
一部の人は、マンジャロの用量を増やしたタイミングで抜け毛を感じることがあるため、マンジャロのせいだと感じてしまう可能性があります。ただし、これは薬の直接的な影響ではなく、ダイエットによる体重減少や代謝の変化による可能性が高いとされています。
抜け毛が気になるときはマンジャロを中止すべきですか?
マンジャロに限らず、どのようなダイエットでも大きな体調変化が生じると、抜け毛が起きやすくなる可能性があります。急激な減量を避けて、計画的かつ健康的なダイエットを目指しましょう。自己判断で中止するのは避け、抜け毛が気になる場合は医師に相談し、必要に応じた治療方針の見直しが大切です。
マンジャロを使いながら抜け毛を防ぐにはどうすればいいですか?
急激な減量を避け、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。特にタンパク質、亜鉛、ビタミン類の摂取が大切です。また、十分な睡眠とストレスケアも効果的です。
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DOCTOR.
このページの監修医師
資格
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology)正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボルベラXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボラックスXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボライトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ウルトラXC/ウルトラプラスXC認定医
- ボトックスビスタ認定医
- レスチレン認定医
経歴
| 平成15年 | 大阪医科大学 形成外科教室:入局 |
|---|---|
| 平成21年 | 大阪医科大学 助教(准):就任 |
| 平成24年 | 医学博士学位取得 |
| 平成25年 | 某美容クリニック:院長就任 |
| 令和5年 | プライベートスキンクリニック |
学会発表
- 第48回 日本美容外科学会総会(2025年9月25日~26日)
- 顎のヒアルロン酸注入を用いた輪郭形成-248症例の治療経験
- 第43回 日本美容皮膚科学会総会・学術大会(2025年8月16日~17日)
- POTENZA®を用いた美肌・毛穴・ニキビ治療の臨床経験
- 第42回 日本美容皮膚科学会総会(2024年8月31日~9月10日)
- PRPを用いた複合治療におけるざ瘡後瘢痕と毛穴開きの治療の当クリニックでの経験について
- 第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
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