女性のすそわきが特徴と原因・対処法を解説
この記事でわかること
女性に多い「すそわきが」は、デリケートゾーンから発する強い臭いを指します。
独特な臭いが特徴で、清潔な状態を保っても改善されないことも多いです。
なかなか相談しにくい部位でもあるため、悩んでいる女性もいるのではないでしょうか。
本記事では、すそわきがの特徴や原因を中心に、その対策方法や効果的な治療法をご紹介します。
すそわきがかも?とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
すそわきがとは?女性に多い理由を解説
すそわきがとは、デリケートゾーン(陰部)から発せられる独特な臭いのことです。
ワキガと同じようにアポクリン腺という汗腺から発生し、汗の増加や雑菌の繁殖によって臭いが強くなる傾向があります[1]。
すそわきがは男女ともに発症する症状ですが、女性に多くみられるといわれています。
そもそも女性の外陰部は構造が複雑で、汗や分泌物が溜まりやすい環境です。
さらに、生理周期の影響や妊娠・出産によるホルモンバランスの変化で、すそわきがが生じたり症状が悪化したりすることもあります。
まずは、女性に多いすそわきがの特徴をチェックしてみましょう。
女性にみられるすそわきがの特徴
すそわきがのニオイには、いくつかの特徴があります。
代表的なものは、次のような臭いです。
- お酢のような酸っぱい臭い
- ネギやニラのようなツンとした刺激臭
- チーズのような発酵した臭い
- 香辛料のクミンに似たスパイシーな臭い
すそわきがの症状には個人差があり、臭いの種類や強さも人によってさまざまです。
ただし、通常の汗とは異なる独特な臭いがデリケートゾーンから発生するため、自分で違和感をおぼえる方も少なくありません。
特に、入浴後から数時間で臭いが戻ったり、鼻につくような臭いが長時間続いたりする場合は、すそわきがの可能性が高いと考えられます。
女性のすそわきがの原因とは?
すそわきがは、アポクリン腺の働きが深く関係しています。
また、遺伝や体質、ホルモンバランスの変化によっても影響を受けるため、それぞれの原因を理解しておくことが大切です。
それでは、すそわきがの原因を一つずつ見ていきましょう。

アポクリン腺の働きと常在菌
すそわきがの原因は、アポクリン腺から分泌される汗と、それを分解する雑菌の繁殖によるものです。
アポクリン腺から出る汗には、脂質やタンパク質などの成分が多く含まれており、雑菌のエサになりやすい性質があります。
この汗が肌の常在菌によって分解されることで、独特の臭いが発生するのです。
アポクリン腺は全身に分布しているわけではなく、ワキやデリケートゾーン、耳の穴といった特定の部位に存在しています。
特に、ワキやデリケートゾーンはアポクリン腺が多いため、強い臭いを発生しやすい傾向があります。
遺伝や体質による影響
すそわきがは、遺伝や体質の影響を受けやすいといわれています。
臭いの原因となるアポクリン腺の数は、遺伝によってある程度決まっています。
そのため、家族にワキガ体質の人がいる場合、すそわきがを発症する可能性も高くなるでしょう。
一般的には片親がワキガの場合、子どもに遺伝する可能性は約50%、両親がワキガの場合は約75%とされています。
すそわきがの症状が気になる方は、体質について聞いてみるのも一つの方法です。
デリケートゾーンの環境
すそわきがの独特なニオイは、デリケートゾーンの環境が関係している可能性も高いです。
特に、陰毛の量が多かったり、蒸れやすい素材の衣類を身につけていたりすると、すそわきがの症状が悪化しやすくなります。
例えば、ナイロン素材や締めつけの強い下着は、デリケートゾーンの蒸れや雑菌の繁殖を招きます。
綿やシルクといった通気性のよい素材を選ぶことで、臭いの発生を抑えられるケースも多いです。
さらに、陰毛の量が多いと、汗や分泌物が付着してデリケートゾーンを清潔に保ちにくくなります。
定期的に処理したり、脱毛で量を減らしたりするのも効果的です。
ホルモンバランスの変化
女性のすそわきがは、ホルモンバランスの変化によって発症することも多いです。
思春期になると性ホルモンの分泌が盛んになり、それにともなってアポクリン腺の働きも活発化します。
この時期にアポクリン腺が発達し、汗の分泌量が増えると臭いが発症しやすくなるのです。
また、生理前や生理中もホルモンバランスの影響を受けやすく、臭いが強くなる傾向があります。
ホルモンバランスは、妊娠や出産、更年期によっても大きく変動するため、どの時期に症状が強くなるのかを記録しておくと原因を把握しやすいでしょう。
自宅で簡単!すそわきがのチェック方法
すそわきがかどうかを確認する方法はいくつかあります。
まずは、以下のチェック項目を見ていきましょう。
- 家族にワキガ体質の人がいる
- 耳垢がキャラメル状に湿っている
- 下着に強い臭いや黄ばみがある
- 生理前・生理中に臭いが強くなる
- デリケートゾーンが蒸れやすい
上記の項目に多く当てはまるほど、すそわきがの可能性が高いといえます。
それでは、それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
家族にワキガ体質の人がいるか確認しよう
すそわきがの可能性がある方は、ご家族にワキガ体質の人がいるか確認しましょう。
両親ともにワキガである場合は、すそわきがの発症率も高くなります。
また、臭いの強さは自分では気づきにくいことも多いため、気軽に相談できる関係であれば、家族にチェックしてもらうのもよい方法です。
原因を把握できると臭いの対策もしやすくなります。
まずは、遺伝や体質の傾向を知るところから始めてみてください。
下着の臭いや黄ばみをチェック
下着から強い臭いがしたり、黄色い汗ジミが目立ったりする場合は、すそわきがの可能性が高いと考えられます。
アポクリン腺から分泌される汗は、やや黄色く濁っているのが特徴です。
この汗が下着に付着し、時間の経過とともに酸化や雑菌の繁殖が進むことで黄ばみや臭いが発生します。
デリケートゾーンは蒸れやすく、清潔に保つことが難しい部位です。
そのため、しっかりケアしても臭いが気になる場合は、すそわきがの可能性を疑ってよいでしょう。
耳垢の状態を見てみよう
アポクリン腺は耳の中にも存在するため、耳垢の状態からワキガ体質かどうかを確認できます。
耳垢が湿っている場合は、アポクリン腺の働きが活発である可能性が高く、すそわきがを含むワキガ体質のサインといわれています[2]。
耳垢を綿棒で取ったときに、しっとりして黄色みがある状態よりも、粘り気のあるキャラメル状であれば、その可能性はさらに高いでしょう。
自宅で簡単にチェックできるため、すそわきがの疑いがある方は試してみてください。

生理周期と臭いの変化を記録してみよう
女性のすそわきがは、生理前や生理中、性行為後などに臭いが強くなる傾向があります。
これはホルモンバランスの変化が関係しているため、あらかじめ臭いが強まりやすい時期を把握しておくと対策しやすくなります。
例えば、通気性のよい素材の衣類に変えたり、生理中はこまめにナプキンの交換をしたりすると、強い臭いの発生を防げるでしょう。
生理周期の確認は体調管理にも役立つため、ぜひ毎日の習慣として取り入れてみてください。
今日からできる!すそわきがの対処法4選
すそわきがの臭いは、日々の対策によって軽減できます。
主な対処法は以下の4つです。
- デリケートゾーンを清潔に保つ
- 下着や衣類は通気性のよいものを選ぶ
- 臭いを強める食事を控える
- ストレスをため込まず発散する
それぞれについて詳しくご紹介します。
デリケートゾーンを清潔に保つ
すそわきがの臭いを防ぐには、デリケートゾーンを清潔に保つことが大切です。
ただし、洗いすぎると常在菌のバランスが崩れてしまうため、デリケートゾーン専用の石けんを使ってやさしく汚れを落としましょう。
なかでも小陰唇の外側は汚れが溜まりやすく、臭いの原因になることもあります。
特に生理中は経血が付着しやすいため、洗い残しがないようにシャワーでしっかり流しましょう。
下着や衣類は通気性のよいものを選ぶ
デリケートゾーンは臭いがこもりやすいため、通気性のよい素材の衣類を選びましょう。
なかでもコットンやシルクは通気性に優れているだけでなく、肌への刺激が少ない素材です。
肌触りも柔らかいため、生理前や生理中の敏感な肌にも適しています。
一方、ナイロン・ポリエステル・アクリルなどの合成繊維は、繊維同士の隙間が少なく、熱や湿気がこもりやすいのが特徴です。
すそわきがの臭いを悪化させる原因にもなるので、できるだけ避けるようにしましょう。
臭いを強める食事を控える
すそわきがの臭いは、摂取する食材が関係していることもあります。
脂っこい料理や香りの強い食品を多く摂ると、皮脂や汗に含まれる成分が変化し、体臭が強まりやすくなるといわれています。
一方で、ビタミンCやビタミンEを多く含む野菜や果物、海藻類には体臭を抑える働きが期待できます。
食生活を見直すことで、体の内側からすそわきがの臭いを軽減できるでしょう。
ストレスをため込まず発散する
アポクリン腺は交感神経によってコントロールされており、強いストレスを感じると活動が活発になるといわれています。
日常生活の中でストレスを感じやすい方は、趣味の時間をつくったり、リラックスできる環境を整えたりしてみましょう。
また、十分な睡眠を取ることや、適度な運動を取り入れるのも効果的です。

すそわきがに効果的なボトックス注射とは
すそわきがの改善には、ボトックス注射が効果的です。
ボトックス注射は筋肉を抑制する働きがあるため、シワ改善というイメージをもつ方も多いのではないでしょうか。
しかし、ボトックスは臭いの原因となるアポクリン腺の働きを抑える作用があり、デリケートゾーンに注入することで臭いの発生を防ぐことができます。
すそわきがボトックスのメリット
すそわきがボトックスの主なメリットは、以下の通りです。
- 施術時間は5〜10分と短い
- ダウンタイムがほとんどない
- 効果が数ヶ月〜半年ほど続く
- 体への負担が少ない
すそわきがボトックスは、施術時間が短く、ダウンタイムが少ないのが特徴です。
個人差はありますが、効果は数ヶ月ほど持続するため、忙しい方にも受けやすい施術といえます。
当クリニックでは、安全性の高い2種類のボトックスをご用意しています。
注入量によって効果の調整もできるので、ぜひお気軽にご相談ください。
すそわきが治療はPSCへお任せください
今回は、女性のすそわきがの特徴や原因、そして対策と治療法についてご紹介しました。
すそわきがは、遺伝や体質の影響を受けやすく、強い臭いに悩む女性も少なくありません。
セルフケアを続けてもなかなか改善が見られない場合は、美容医療による治療を検討してみましょう。
当クリニックでは、経験豊富な医師が一人ひとりの状態に合わせて最適な施術をご提案いたします。
美容クリニックが初めての方も、どうぞお気軽にご相談ください。
参考文献・論文
[1]A Gordon James, Corrine J Austin, Diana S Cox, David Taylor, Ralph Calvert.Microbiological and biochemical origins of human axillary odour.FEMS Microbiol Ecol
. 2013 Mar;83(3):527-40.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23278215
[2]Yoshiura K, et al.A SNP in the ABCC11 gene is the determinant of human earwax type.Nat Genet
. 2006 Mar;38(3):324-30.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16444273
[3]Salmanpoor, Rahmat MDRahmanian, Mohammad Javad MD
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
すそわきがは自然に治ることはありますか?
すそわきがは、放置しても自然に治ることはありません。
体調や季節によって一時的に臭いが和らぐことはありますが、根本的な改善は難しいといわれています。
すそわきがボトックス注射のデメリットはありますか?
すそわきがボトックスは、臭いの原因であるアポクリン腺の働きを抑制するため、臭いの発生を根本的に改善する効果が期待できます。
施術時間やダウンタイムも少ない施術ですが、持続期間は数ヶ月〜半年程度と永久的ではありません。
効果を継続させるには、定期的な治療が必要です。
すそわきがはどこから臭う?
すそわきがの臭いは、陰部(VIO)の陰毛が生えている部分のアポクリン汗腺から出る汗によって臭います。
診療時間
[ 完全予約制 ] 10:30〜19:00
土日診療あり
| 美容外科・ 美容皮膚科 |
西梅田駅から徒歩2分 プライベートスキンクリニック |
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| 所在地 | 〒530-0002 大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-16 京富ビル2階 |
| 診察時間 | [ 完全予約制 ] 10:30~19:00 |
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このページの監修医師
資格
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology)正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボルベラXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボラックスXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボライトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ウルトラXC/ウルトラプラスXC認定医
- ボトックスビスタ認定医
- レスチレン認定医
経歴
| 平成15年 | 大阪医科大学 形成外科教室:入局 |
|---|---|
| 平成21年 | 大阪医科大学 助教(准):就任 |
| 平成24年 | 医学博士学位取得 |
| 平成25年 | 某美容クリニック:院長就任 |
| 令和5年 | プライベートスキンクリニック |
学会発表
- 第48回 日本美容外科学会総会(2025年9月25日~26日)
- 顎のヒアルロン酸注入を用いた輪郭形成-248症例の治療経験
- 第43回 日本美容皮膚科学会総会・学術大会(2025年8月16日~17日)
- POTENZA®を用いた美肌・毛穴・ニキビ治療の臨床経験
- 第42回 日本美容皮膚科学会総会(2024年8月31日~9月10日)
- PRPを用いた複合治療におけるざ瘡後瘢痕と毛穴開きの治療の当クリニックでの経験について
- 第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
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