【美容皮膚科医解説】花粉による肌荒れの原因と対策は?


この記事でわかること
目次
花粉による肌荒れの原因や予防法を医師が解説します!
「春になると、なんだか肌がかゆい」「赤くなってヒリヒリする」
そんなお悩みはありませんか?
花粉シーズンは、鼻や目の症状だけではなく、肌荒れに悩む方が少なくありません。
この記事では、花粉による肌荒れの原因から、ご自身でできる正しい予防と対策、そしてクリニックで受けられる効果的な治療法まで、分かりやすく解説します。
花粉シーズンの肌荒れを乗り切り、健やかな肌で過ごすための手助けとなれば幸いです。
花粉で肌荒れが起こる原因
花粉が飛ぶ季節になると肌荒れが起こりやすくなる原因について、詳しく説明していきます。
花粉が肌に与える物理的刺激
スギ花粉など、種類によっては表面にトゲのような凹凸があり、肌に付着した花粉粒子そのものが、チクチクとした物理的な刺激になる場合があります。
また、空気中に飛散している花粉は、非常に小さな粒子です。
肌に花粉が付いた状態で、かゆみを感じて無意識に手でこすってしまったり、マスクや衣服がすれたりする摩擦によって肌へダメージを与えます。
肌へのダメージは少ないですが、刺激に敏感な方は肌荒れを引き起こす可能性があります。
肌のバリア機能の低下とアレルギー反応
肌のバリア機能が弱まっていると、花粉のようなアレルゲン(アレルギーの原因物質)が肌内部に侵入しやすくなります。
肌内部に侵入した花粉に対して、体の免疫システムが過剰に反応すると、ヒスタミンなどの炎症物質が放出され、かゆみや赤みといったアレルギー反応が肌に現れます。
元々、鼻炎や結膜炎などの花粉症の症状がある方は、肌にもアレルギー反応が出やすい「花粉皮膚炎」を起こす可能性が高いため、特に注意が必要です。
また、アレルギーだけでなく乾燥肌の方も肌バリアが正常に機能しない可能性があり、肌荒れの症状を引き起こす可能性があります。
季節の変わり目による肌環境の乱れ
春は気温や湿度が大きく変化する季節です。
急激な気候の変化は、肌の水分と油分のバランス(皮脂分泌バランス)や、角質層の水分保持能力を乱し、肌全体の調子を崩す原因となります。
また、春は紫外線量も急激に増加し始めます。
肌が敏感になっているところに、紫外線ダメージが加わると、肌のバリア機能はさらに低下し、花粉による刺激や炎症も悪化しやすくなります。
花粉による肌荒れの特徴
花粉による肌荒れの、代表的な症状を見ていきましょう。
赤み・かゆみ・ヒリヒリ感
最も多く見られる症状の一つが、赤みとかゆみです。
ムズムズとしたかゆみだけでなく、人によってはヒリヒリとした刺激感や灼熱感を伴うケースがあります。
かゆみが強いと、つい掻いてしまいがちですが、掻くとさらに肌を傷つけ、炎症を悪化させてしまう悪循環に陥りやすいため注意が必要です。
乾燥や粉吹き、ゴワつき

花粉による炎症が起こると、肌のバリア機能はさらに低下し、肌内部の水分が蒸発しやすくなる傾向です。
そのため、肌表面がカサカサに乾燥したり、ひどい場合には白い粉を吹いたような状態になったりする場合があります。
また、肌のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れると、古い角質がうまく剥がれ落ちずに肌表面に溜まり、触った時にザラザラ、ゴワゴワとした硬い質感に感じる場合もあります。
ブツブツや湿疹、ニキビの悪化

赤みやかゆみだけでなく、細かいブツブツとした赤い発疹(丘疹)や、小さな水ぶくれを伴う湿疹が現れる場合もあります。
これらの症状は、花粉に対するアレルギー反応が主な原因と考えられます。
また、花粉による炎症反応が毛穴の周りの皮膚にも影響を与え、毛穴が詰まりやすくなってニキビができやすくなったり、元々あったニキビが悪化したりするケースも少なくありません。
花粉での肌荒れを予防するには
花粉による肌荒れを防ぐためには「肌に花粉をつけない」「肌のバリア機能を整え、刺激を与えない」の2つが基本です。
以下に、具体的な対策を紹介します。
花粉を物理的にブロック
まず重要なのは、肌に花粉をできるだけ付着させないことです。
外出時には以下のものを着用し、物理的に花粉が肌に触れるのを防ぎましょう。
- メガネ(または花粉対策用ゴーグル)
- マスク
- 帽子
肌が露出する部分には、花粉付着防止効果のあるスプレーやクリームを活用するのも良いで しょう。
また、衣服は表面がツルツルした素材(綿やニットよりポリエステルなど)を選ぶと、花粉が付着しにくく、付いても払い落としやすいです。
帰宅時には、玄関前で衣服や髪についた花粉を払い落とし、すぐに洗顔やシャワーで肌に付着した花粉を洗い流す習慣をつけましょう。
室内に花粉を持ち込まないよう、空気清浄機を使用したり、洗濯物は室内干しにしたりするなどの工夫もおすすめです。
肌のバリア機能を保つスキンケア
花粉シーズンで敏感になっている肌を守るために、以下の2点を意識しましょう。
- 徹底した保湿
- 掻かない、触らない
バリア機能が低下すると刺激を受けやすいため、洗顔や入浴後はすぐに化粧水で水分を補ったあと、乳液やクリームで油分のフタをして、肌の潤いを守りましょう。
洗顔はたっぷりの泡でやさしく洗い、タオルはこすらず、押さえるように水分を拭き取ります。 かゆみがあっても「掻かない、触らない」が大切です。
我慢できない時は、冷やすとかゆみが軽減される場合があります。
クリニックの受診
花粉による肌荒れは、セルフケアによる工夫でも効果は期待できますが、ひどい肌荒れや即効性を期待する方にはクリニックでの施術がおすすめです。
乾燥肌や肌バリア機能が低下している場合には、それらの改善効果が期待できます。
セルフケアをしていても悪化していく可能性もあるため、早めのクリニックへの受診をおすすめします。
花粉での肌荒れにおすすめの施術
「セルフケアだけではなかなか改善しない」「毎年ひどい肌荒れに悩んでいる」という方には、美容クリニックでの治療も有効な選択肢です。
当クリニックでは、花粉による肌荒れでお悩みの方に、以下のような施術をおすすめしています。
バリア機能を底上げする「ケアシス」
花粉で肌荒れしている方はお肌の外側の角層が正常に機能していない状態です。 ケアシスは、肌のバリア機能を正常に戻す効果が期待できます。
特殊な電気パルス(微弱な電流)を使って、一時的に皮膚の細胞間に微細な隙間を作り、そこから美容成分を肌の奥深くまで浸透させます。
イオン導入よりも高い浸透力を持ち、乾燥や赤み、かゆみといった症状に悩む敏感肌の方におすすめの施術です。
保湿成分や抗炎症成分を含む薬剤を導入して、花粉シーズンに乱れた肌のバリア機能を整えます。

肌再生と炎症ケアを同時に叶える「リジュラン注射」
リジュラン注射は、サーモン由来のポリヌクレオチド(PN)を皮膚に注入する再生治療です。
リジュラン注射は、以下のような効果が期待できます。
- 弱ったバリア機能を根本から立て直す
- 起きている炎症を鎮める
- ダメージを受けた肌の回復を早める
- 乾燥を防ぐ
花粉でダメージを受けた肌の再生を促すだけでなく、エイジングケアにも役立つため、乾燥小ジワやハリ不足にも効果的です。

体の内側から炎症を抑える「アレルギー点滴」
花粉やアレルギーによる肌荒れが辛い時は、体の内側から炎症を和らげる「アレルギー敏感肌点滴」も有効な選択肢です。
この点滴には、以下の成分が配合されています。
- 強力ネオミノファーゲンシー(肝機能改善・抗アレルギー作用)
- アスコルビン酸(ビタミンC)
- ポララミン(抗アレルギー作用)
花粉シーズンに毎年ひどい肌荒れや体調不良を繰り返してしまう方におすすめの施術です。
まとめ

花粉による肌荒れは、花粉の物理的刺激、アレルギー反応、そして季節の変わり目の肌環境の乱れなどが複合的に絡み合って起こります。
まずは、花粉を肌に付着させない工夫と保湿の徹底が、肌のバリア機能を守る上で大切です。
しかし、セルフケアでは改善が難しい場合・炎症がひどい場合・毎年繰り返す場合は、専門医への相談をおすすめします。
プライベートスキンクリニックでは、肌の状態を正確に診断し、ケアシスやリジュラン注射、アレルギー点滴など、患者様の症状や肌質に合わせた効果的な治療法をご提案しています。
花粉症シーズンになると肌の調子が悪くなる方は、お気軽に当クリニックへご相談ください。
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
花粉症による肌荒れは自宅ケアだけで改善しますか?
症状が軽度であれば、花粉対策や保湿ケアの徹底で改善する可能性はあります。 しかし、かゆみや赤みが強い場合、炎症が慢性化して色素沈着などの跡を残すリスクがあります。
自己判断せず、早めの受診がおすすめです。
アレルギー点滴はどれくらいの頻度で受けるといいですか?
効果の感じ方や持続時間には個人差がありますが、一般的には週1回を目安としています。 医師が患者様の症状に合わせて最適な頻度をご提案しますので、ご相談ください。
敏感肌でもケアシスやリジュランは受けられますか?
ケアシスは刺激が少なく、敏感肌や乾燥肌の方でも比較的安心して受けていただける施術で す。
リジュランは肌の自己再生力を高め、外的刺激に強い健やかな肌質を目指せる施術ですが、施 術後に赤みや腫れ、内出血といったダウンタイムが生じる場合があります。 当クリニックでは、医師が刺激への反応やリスクを十分に考慮したうえで、一人ひとりに最適な治療をご提案いたします。
美容外科・ 美容皮膚科 |
西梅田駅から徒歩2分 プライベートスキンクリニック |
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所在地 | 〒530-0002 大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-16 京富ビル2階 |
診察時間 | [ 完全予約制 ] 10:30~19:00 |
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DOCTOR.
このページの監修医師
資格
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology)正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボルベラXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボラックスXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボライトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ウルトラXC/ウルトラプラスXC認定医
- ボトックスビスタ認定医
- レスチレン認定医
経歴
平成15年 | 大阪医科大学 形成外科教室:入局 |
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平成21年 | 大阪医科大学 助教(准):就任 |
平成24年 | 医学博士学位取得 |
平成25年 | 某美容クリニック:院長就任 |
令和5年 | プライベートスキンクリニック |
学会発表
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