SNSで「イソトレチノインを飲んだら鼻が小さくなった」という投稿を見かけ、興味を持った方もいるのではないでしょうか。
イソトレチノインは皮脂分泌を強力に抑える内服薬のため、「皮脂が減れば鼻も小さくなるのでは?」と感じるのは自然な発想かもしれません。
ただ、医学的に見ると、この噂には誤解が含まれています。
この記事では、なぜそのような噂が広まっているのか、イソトレチノインの本来の作用、鼻の大きさが決まる仕組み、そして本当に鼻を小さくしたい場合の選択肢について、わかりやすく解説します。
イソトレチノインをご検討中の方は、ぜひ最後までご覧くださいね!
イソトレチノインで鼻が小さくなることは基本的にありません
結論からお伝えすると、イソトレチノインの内服によって鼻の構造そのものが小さくなるという医学的根拠は、現在のところ確認されていません。
イソトレチノインは重症ニキビの治療に用いられる内服薬で、主な作用は「皮脂腺の縮小」と「皮脂分泌の抑制」です。
一方、鼻の大きさを決めているのは、主に以下の要素です。
- 鼻翼軟骨・鼻中隔軟骨
- 皮膚や軟部組織の厚み
- 骨格構造
イソトレチノインはこれらの骨や軟骨を縮小させる薬ではないため、鼻そのものが物理的に小さくなると考えるのは医学的には難しいといえます。
なぜ「鼻が小さくなる」と言われているのか?
SNSでこの噂が広がった背景には、いくつかの理由が考えられます。
皮脂分泌が減ることによる変化
イソトレチノインは皮脂腺を縮小させ、皮脂分泌を強力に抑制します。鼻は顔の中でも特に皮脂分泌が多い部位のため、テカリが減る・皮膚の厚みがわずかに落ち着くといった変化が起こることがあります。
これにより「少しスッキリして見える」可能性はありますが、鼻の骨格が変化するわけではありません。
毛穴が引き締まって見える
皮脂分泌が減ることで毛穴の開きが改善するケースがあります。毛穴が目立つと鼻が横に広がって見える印象を与えるため、毛穴が目立ちにくくなることで視覚的に「小さくなったように感じる」可能性はあります。
ただしこれはあくまで見た目の印象の変化です。
赤みや炎症が改善する
イソトレチノインは炎症を抑える作用もあるため、ニキビの赤みが改善することがあります。鼻の赤みが強いと膨張して見えやすいため、赤みが落ち着くことで引き締まったように感じるケースがあります。
これらはいずれも、皮脂や炎症の改善による印象の変化です。個人差もありますので、過度な期待はしないようにしましょう。
イソトレチノインの本来の効果とは?
イソトレチノインは「鼻を小さくする薬」ではなく、重症ニキビの治療を目的とした内服薬です。ビタミンA誘導体(レチノイド)に分類され、皮脂分泌を強力に抑制する作用があります。
皮脂腺を縮小させる作用
ニキビは、皮脂の過剰分泌・毛穴の詰まり・アクネ菌の増殖・炎症が複雑に関与して起こります。イソトレチノインはこのうち「皮脂の過剰分泌」に強く作用し、皮脂腺のサイズを縮小させることで、ニキビができにくい状態へと導きます。
ただし重要なのは、縮小するのは「皮脂腺」であって、「鼻の軟骨や骨格」ではないという点です。
こんな方に検討されます
- 中等症〜重症のニキビ
- 繰り返す炎症性ニキビ
- 抗生物質や外用薬で改善しないニキビ
- ニキビ跡を残しやすいタイプ
一方で、催奇形性(妊娠中は禁忌)・肝機能への影響・脂質異常・乾燥症状などの副作用リスクがあるため、医師の管理下で血液検査を行いながら慎重に使用する必要があります。
酒さ(3型)に使われるケースもある
イソトレチノインは、重症ニキビだけでなく、酒さ(しゅさ)の一部タイプに使用されることもあります。
特に「3型酒さ(鼻瘤:びりゅう)」と呼ばれるタイプでは、
- 鼻の皮膚が厚くなる
- 皮脂腺が肥大する
- 鼻が大きく変形して見える
といった症状が現れます。
この場合、皮脂腺の異常な増殖が関与しているため、イソトレチノインによって進行を抑えられることがあります。
ただしこれは、通常の「団子鼻」や「小鼻が大きい」といった美容的な悩みとは全く別の病態です。
SNSで言われている「鼻が小さくなる」という話と、医学的な適応は区別して考える必要があります。
鼻の大きさは何で決まるのか?
「鼻が大きい」「小鼻を小さくしたい」と感じるとき、多くの方は皮脂や毛穴を原因としてイメージするかもしれません。
しかし実際に鼻の大きさを決めているのは、主に骨格と軟骨構造、そして軟部組織のボリュームです。
ここを理解すると、イソトレチノインで鼻が小さくなる可能性が低い理由も見えてきます。
鼻の構造(軟骨・皮膚・軟部組織)
鼻は大きく分けて、以下の要素で構成されています。
- 鼻骨(上部の硬い骨)
- 大鼻翼軟骨・外側鼻軟骨(鼻先や小鼻を形作る)
- 鼻中隔軟骨
- 皮膚
- 皮下組織(脂肪や結合組織)
いわゆる「団子鼻」や「小鼻が大きい」という状態は、
- 鼻翼軟骨の張り出し
- 軟骨の角度
- 皮膚の厚み
- 皮下組織のボリューム
などが影響しています。
つまり、鼻の横幅や高さは、主に骨や軟骨の形状によって決まります。
イソトレチノインは皮脂腺に作用する薬であり、これらの骨・軟骨構造を変化させる作用はありません。
そのため、鼻の「構造的なサイズ」が変わるとは考えにくいのです。
皮脂腺の影響はどのくらいある?
鼻は顔の中でも皮脂腺が多い部位です。
そのため、テカリや毛穴の開き、ざらつきが目立ちやすい部位でもあります。
確かに、皮脂分泌が過剰な状態では、皮膚が厚ぼったく見えたり、毛穴が広がり横に大きく見えるといった視覚的な影響はあります。
しかし、皮脂腺はあくまで皮膚の浅い層に存在する組織です。
鼻の横幅そのものを決定づける軟骨構造に比べると、その影響は限定的といえます。
仮に皮脂の影響だけで鼻の大きさが決まるのであれば、皮脂分泌が最も多い10〜20代で鼻の大きさが最大になるはずです。
ですが実際には、「年齢とともに鼻が大きくなった」と感じる方のほうが多いのが現実です。
この点からも、皮脂だけが鼻のサイズを決めているわけではないことが分かります。
加齢で鼻が大きく見える理由
「昔より鼻が大きくなった気がする」という相談は少なくありません。
これは皮脂が増えたからではなく、主に以下のような加齢変化が関係しています。
- 骨の萎縮(顔全体の骨が痩せる)
- 軟骨の変化
- 皮膚のたるみ
- ほうれい線の深化
- 鼻翼基部のボリューム低下
顔の骨が萎縮すると、周囲の支えが弱くなり、鼻が相対的に前方・下方・横方向へ強調されて見えることがあります。
また、ほうれい線が深くなることで鼻翼基部が目立ち、小鼻が広がったように見えることもあります。
つまり、「鼻が大きくなった」という感覚の多くは、皮脂ではなく骨格や軟部組織の変化によるものです。
では本当に鼻を小さくする方法は?
イソトレチノインで鼻の構造自体を小さくすることは難しいとお伝えしました。
では、実際に鼻を小さく見せたい場合、どのような方法があるのでしょうか?
鼻の大きさの原因によって、適した治療は異なります。
小鼻縮小術
「小鼻が横に広がっている」「笑うと小鼻が大きく見える」といった悩みには、小鼻縮小術(鼻翼縮小術)が適応になることがあります。
この手術では、鼻翼(小鼻)の一部を切除し、横幅を物理的に縮小することで、鼻の横幅を狭くします。
皮脂や毛穴ではなく、軟部組織そのものを調整する治療のため、構造的な変化が期待できます。
「鼻の横幅を本当に小さくしたい」という場合、医学的に確実性が高いのはこの方法です。
鼻尖形成術
「団子鼻が気になる」「鼻先が丸く大きい」という場合は、鼻尖形成術が選択肢になります。
鼻先の丸みは主に、鼻翼軟骨の形や軟骨の開き、皮膚や軟部組織の厚みによって決まります。
鼻尖形成では、軟骨の形を整え、余分な軟部組織を調整することで、鼻先を細くシャープに見せます。
イソトレチノインでは変えられない「軟骨構造」に直接アプローチできる治療です。
鼻尖形成術(鼻尖縮小術)の施術例(併せて行った施術:耳介軟骨移植(鼻)・鼻プロテーゼ(隆鼻術))
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
| 施術 |
鼻尖形成術とは、鼻柱の部分を切開し、鼻から余分な軟骨や脂肪組織を切除することで、鼻先の丸みを解消しシャープな鼻先にする手術です。
だんご鼻の改善に適した治療法です。 |
| 料金 |
297,000円 |
| 期間・回数 |
1回・60分ほど |
リスク (副作用) |
麻酔によるアレルギー、出血、血種、感染、傷跡の盛り上がり(瘢痕)、創し開の可能性があります。
ギプスでの固定が終日10~14日程度必要です。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
鼻の脂肪溶解注射
「メスは使いたくない」「ダウンタイムを抑えたい」という方には、鼻専用の脂肪溶解注射が選択肢になることもあります。
鼻翼周囲や皮下脂肪が厚い場合、脂肪を減らしボリュームを軽減することで、スッキリとした印象になることがあります。
ただし、軟骨の広がりが原因の場合は効果が限定的であり、何度かの施術が必要になるなど、適応の見極めが重要です。
「皮脂」ではなく「脂肪」が原因の場合に有効な方法です。
ヒアルロン酸でバランスを整える方法
「鼻を小さくする」というより、バランスを整えて小さく見せる方法もあります。
例えば、
- 鼻根を高くする
- 鼻筋を通す
- 鼻先を少し前方に出す
- 鼻翼基部の凹みを持ち上げる
これらの方法で、相対的に小鼻の広がりが目立ちにくくなることがあります。
これは絶対的なサイズを変えるのではなく、顔全体のバランスを整えるアプローチです。
大きな手術をせずに印象を変えたい方に向いています。
ヒアルロン酸注射(鼻)の施術例
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
| 施術 |
鼻柱、鼻背にヒアルロン酸を注入することで、鼻先の高さを出したり、鼻筋を通す施術です。ヒアルロン酸を注入する鼻のプチ整形のため、ダウンタイムも短く、日帰りでできます。 |
| 料金 |
88,000円(ジュビダームビスタ®ボラックスXC 1本) |
| 期間・回数 |
1回・10分ほど |
リスク (副作用) |
1~7日程度、針を刺した部分や注入部分に赤みや腫れが生じることがあります。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
まとめ
イソトレチノインによって鼻の骨や軟骨構造が縮小するという医学的根拠は、現時点では確認されていません。毛穴や赤みの改善で「小さくなったように感じる」可能性はありますが、鼻のサイズそのものを変える薬ではない点を理解しておくことが大切です。
本当に鼻を小さくしたい場合は、原因が軟骨なのか・軟部組織なのか・バランスの問題なのかを正しく見極めたうえで、目的に合った施術を選ぶことが重要です。
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