赤ら顔・酒さは、顔の中心部に赤みや炎症が起こる慢性的な皮膚疾患です。
「赤ら顔がなかなか治らない」「ニキビのような吹き出物が目立つ」といった症状でお悩みの方は、酒さの可能性も考えられます。
赤ら顔・酒さは放置すると悪化しやすいため、適切な対策と治療が必要です。
今回は、赤ら顔・酒さの原因や悪化を防ぐ方法、さらに効果的な美容医療の施術についてご紹介します。
赤ら顔・酒さの原因とは?
酒さとは、顔面(頬・鼻・額・顎)に発生する慢性的な皮膚疾患です。
皮膚に赤みを伴うのが特徴で、いわゆる「赤ら顔」が代表的な症状とされています。
また、ニキビのような赤いブツブツや、ヒリヒリとした刺激もよく現れる症状の一つです。
酒さの原因は完全に明らかになってはおらず、遺伝や環境による要因が複雑に関与しています。 男性よりも女性の方が発症しやすく、紫外線や寒暖差、香辛料などの刺激物の摂取、飲酒、ストレスが悪化の原因と考えられています。
酒さは顔に現れるため、日常生活に支障が出るケースも少なくありません。
また、症状によってはニキビと間違える方も多く、自己判断で誤ったケアをしている方もみられます。 長期にわたって肌の赤みやブツブツが治らない場合、酒さの可能性もあるので早期に受診しましょう。
赤ら顔・酒さの種類
赤ら顔や酒さの種類は、症状や発症部位により以下の4つに分類されます。
これらの症状は混合する場合もあるため、治療には医師の判断が必要です。
紅斑毛細血管拡張型
紅斑毛細血管拡張型(こうはんもうさいけっかんかくちょうがた)は、酒さの中で最もよく見られるタイプです。
顔の中心部(頬・鼻・額・顎)に、持続的な赤み(紅斑)と毛細血管の拡張が生じます。
皮膚が熱くなったり、灼熱感や刺激を感じることも少なくありません。
さらに、寒暖差や飲酒によって症状が悪化しやすいといわれています。
丘疹膿疱型
丘疹膿疱型(きゅうしんのうほうがた)は、赤い隆起と膿を含む吹き出物などがみられる状態のことです。
見た目はニキビに似ていますが、酒さの場合は面皰(コメド)は伴いません。 症状によっては炎症が強く、熱感や痛みを生じることもあります。
自己判断でニキビだと誤認する方も多く、適切なケアができていないケースも多いです。
瘤腫型
瘤腫型(りゅうしゅがた)は、鼻の皮膚の厚みが増し、ボツボツや腫瘤と呼ばれるできものが生じる状態です。 特に、脂性肌の男性に多いとされていますが、日本人の発症は少ないといわれています。 皮膚表面が赤紫色で凸凹となるなど、見た目の特徴が顕著です。
酒さを長期間放置することで現れやすく、進行すると鼻の形が変わるほど悪化する場合もあります。
眼型
眼型(がんがた)は4つのタイプの中で最も珍しく、発症率は低めとされています。
酒さは眼に影響を及ぼすこともあり、主に充血やかゆみ、異物感などの症状が特徴です。 皮膚の症状よりも先に生じることもあり、悪化すると涙が止まらなくなるケースもみられます。 また、角膜炎や結膜炎などの疾患と合併する危険性もあるので注意が必要です。
赤ら顔・酒さの症状
赤ら顔や酒さは、具体的にどのような症状が現れるのか気になりますよね。
ここでは、代表的な4つの特徴について詳しく解説します。
- 毛細血管の拡張
- 膿を含む吹き出物の発生
- 鼻全体がゴツゴツする
- 目の充血・異物感
毛細血管の拡張
毛細血管の拡張は、赤ら顔や酒さの初期の症状として現れることが多いです。 血管が拡張すると血流が増加し、皮膚表面から赤みが透けて見えるようになります。 主に顔の中心部に現れやすく、鼻・頬・眉間・顎などに赤みが生じます。
また、通常の毛細血管拡張症とは異なり、酒さの場合は炎症症状を伴うことも多いです。 初期段階は一時的な症状ですが、進行すると赤みが持続的になり、次第に範囲が広がっていきます。
膿を含む吹き出物の発生
膿を含むポツポツとしたできものは、赤ら顔や酒さに見られる「丘疹膿疱型」の特徴的な症状です。 見た目はニキビに似ていますが、通常のニキビとは異なり毛穴の詰まりが原因ではありません。 特に、毛穴の多い部分(鼻や顔の中心部)に発生しやすく、強い炎症を伴うこともあります。 紅斑毛細血管拡張型が進行した状態とされており、改善するには適切な治療が必要です。
鼻全体がゴツゴツする
鼻瘤型では、鼻の毛穴のポツポツが悪化すると、次第にゴツゴツとした見た目に変化します。 赤みや膿を伴わないこともあり、鼻全体が大きく見えるのが特徴です。
鼻の毛穴や皮膚表面が凸凹が目立つため、日常生活に影響を感じる方も少なくありません。 放置するとさらに症状が悪化することから、早い段階の治療が推奨されています。
目の充血・異物感
目の充血や異物感は、「眼型」の酒さに見られる特徴です。
顔面の酒さを伴うこともありますが、その重症度とは直接関連しません。
このタイプは4つの酒さの型の中では比較的少ないものの、重要な合併症として知られています。 眼型は専門医の間でも認知度が低く、皮膚の症状が出てから気付かれる方も多いです。
赤ら顔・酒さを改善する美容医療は?
赤ら顔・酒さを改善するには、美容医療の施術が効果的です。
今回は、赤ら顔・酒さに対応している以下の4つの施術をご紹介します。
ここからは、それぞれの施術の特徴について解説いたします。
ACRS療法
ACRS療法は、ご自身の血液から抽出した血小板を利用する治療法です。
採取した血液を約3時間、特定の温度で保存し、成長因子や抗炎症性サイトカインを培養します。 これらを注入することで、注入部位の肌の炎症を抑えたり、老化によるダメージを改善できます。
ご自身の血液を使用するので拒否反応が出にくいことや、ニキビや酒さなど炎症性の肌疾患に高い効果が期待 できる点が大きなメリットです。
IPL光治療(フォーマα)
IPL治療は、肌の表面を冷やしながら光を照射し、赤みやくすみ(色素沈着)を改善する施術です。 広範囲の波長が毛細血管に作用し、炎症を鎮めることで肌の赤みを抑える効果が期待できます。
酒さの治療では、原因となる毛細血管に熱ダメージを与えて破壊し、治療効果を高めます。
痛みやダウンタイムは少なく、複数回の施術を繰り返すことで効果を実感できるでしょう。
ポテンツァ
ポテンツァは、毛細血管がある真皮層に高周波(RF)の熱エネルギーを直接与えることで、顔の赤みや赤ら顔(酒さ)の原因となる毛細血管の新生を抑え、根本的な改善へと導きます。
一般的によく使われる薬剤浸透型(ドラッグデリバリーモード)ではなく、赤みに特化した専用チップを使用することで、毛細血管にピンポイントでアプローチできます。
ポテンツァ(POTENZA)の施術例(毛穴・赤みモード4回)
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
施術 |
皮膚に刺した微細な針(マイクロニードル)から高周波RF(ラジオ波)を照射することで、赤みの原因となる毛細血管の新生を抑制する施術です。(毛穴・赤みモード)
赤ら顔の改善や毛穴の開きの改善、お肌のハリ感アップ効果が期待できます。 |
料金 |
33,000~154,000円(毛穴・赤みモードの料金) |
期間・回数 |
7カ月・5回 |
リスク (副作用) |
針によるかさぶた・腫れ・赤み・皮むけが2~5日程度起こることがあります。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
ケアシス
ケアシスは、高濃度の美容成分を肌の深層まで浸透させる施術です。
イオン導入の約20倍もの浸透力があり、高濃度の薬剤を肌の真皮層まで届けます。冷却しながら導入すると血管が収縮されるため、炎症を伴う赤ら顔や酒さの治療にも効果的です。
導入する薬剤によって様々な肌悩みに対応でき、針を使わないので痛みが少ない点もメリットです。冷却しながら導入すると血管が収縮されるため、炎症を伴う赤ら顔や酒さの治療にも効果的です。
赤ら顔・酒さの対策とセルフケア
赤ら顔・酒さは、日頃の生活習慣が影響している場合が多いです。
特に、紫外線、スキンケア、食生活の乱れが悪化の原因となることがあります。
ここからは、赤ら顔・酒さを悪化させないための対策とセルフケアの方法をご紹介します。
紫外線対策をする
紫外線は、酒さを悪化させる代表的な要因の一つです。
日焼け止めは季節問わず使用し、こまめに塗り直すようにしましょう。
肌が敏感の方は、界面活性剤やアルコールが含まれていないものがおすすめです。
特に紫外線が強い夏場は、ツバの広い帽子や日傘なども活用してくださいね。
肌に優しいスキンケア
赤ら顔や酒さは刺激を受けやすいため、肌に優しいスキンケアを行うことが大切です。 洗顔料は肌に負担の少ない弱酸性のものや、香料・着色料・アルコールフリーのものを選びましょう。 一方、スクラブ入りの洗顔料は、酒さを悪化させる可能性があるので避けるようにしてください。 化粧水やクリームは、セラミドやヒアルロン酸など保湿効果の高い、シンプルな成分が配合されているものがおす すめです。
炎症を抑える食材を取り入れる
毎日の食事も、赤ら顔や酒さに影響を与えることがあります。
炎症を抑える栄養素としては、オメガ3脂肪酸やビタミンA、ビタミンCなどが挙げられます。 これらの栄養素が豊富に含まれている、豆腐や発酵食品、アボカド、葉物野菜などを積極的に取り入れましょう。 一方で、血管を拡張させる作用のあるスパイスや香辛料には注意が必要です。
また、アルコールや熱い飲み物も悪化を引き起こす可能性があるため、できるだけ控えるようにしてください。
体を冷やさない・温めすぎない
赤ら顔や酒さは、体温の変化に非常に敏感です。
体を極端に冷やしすぎたり、温めすぎたりしないよう、適切に体温を調整しましょう。
激しい運動を避け、軽い有酸素運動に切り替えることや、サウナや熱いお風呂を控えるのも大切です。 また、こまめに水分を摂ると体温調節がしやすくなるため、普段からお水を持ち歩くとよいでしょう。
赤ら顔・酒さを改善するならPSCへ!
今回は、赤ら顔・酒さの原因や種類、さらにおすすめの美容医療の施術についてご紹介しました。 赤ら顔や酒さを悪化させないためには、紫外線対策やスキンケアなど日頃からの対策が欠かせません。
しっかり改善を目指したい方は、美容医療の施術を取り入れるのがおすすめです。
当クリニックでは、経験豊富な医師が患者様一人ひとりに合わせた施術をご提案いたします。 赤ら顔・酒さにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。