ぷるぷる注射(PRP療法)は本当にやばい?しこりになる?
この記事でわかること
- 「ぷるぷる注射」がやばいと言われる本当の理由
- しこりや膨らみが起きる仕組みとその原因
- 安全なPRP療法を見分ける3つのポイント
- 信頼できるクリニックを選ぶためのチェック方法
自分の細胞を使って肌のハリやシワ・たるみが改善できる、ぷるぷる注射(PRP皮膚再生療法)に興味を持っているけれど、「やばい」「しこりができた」といった怖い噂も耳にして、一歩踏み出せずにいませんか?
かつて、目の下のクマやほうれい線の改善策として注目されたぷるぷる注射ですが、施術後にしこりや膨らみすぎといったトラブルが相次ぎ、社会問題にまで発展しました。
しかし、結論から言うと「すべてのPRP療法が危険なわけではない」のです。
問題は、一部の美容クリニックが本来のPRP療法には含まれない「FGF(線維芽細胞増殖因子)」という成長因子を添加していた点にあります。
この記事では、なぜFGFを添加したぷるぷる注射が「やばい」と言われるのか、その科学的な根拠と実際の裁判事例を詳しく解説します。
さらに、安全なPRP皮膚再生療法を受けられるクリニックの選び方もご紹介します。
「ぷるぷる注射」や「PRP療法」に関心がある方は、どうぞ最後までご覧ください!
「ぷるぷる注射がやばい・危険」と言われる本当の理由

なぜ、ぷるぷる注射は「やばい」「危険」という不名誉な評判が立ってしまったのでしょうか。
その原因を理解するために、まずはPRP療法の基本的な仕組みと、問題となった「FGF」について正しく知ることから始めましょう。
そもそも「ぷるぷる注射」とは?- PRP皮膚再生療法について
ぷるぷる注射とは、一般的に「PRP皮膚再生療法」と呼ばれる再生医療の一つで、一部のクリニックが「ぷるぷる注射」や「プレミアムPRP療法」、「PPRF」と呼んでいる施術です。
PRPとは、Platelet-Rich Plasma(多血小板血漿)の略で、ご自身の血液を採取し、遠心分離機にかけることで血小板を高濃度に濃縮した成分のことです。
この血小板には、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促したり、傷ついた組織の修復を助けたりする「成長因子」が豊富に含まれています。
このPRPを、シワやたるみ、くぼみなど気になる部分に注入することで、肌細胞そのものを活性化させ、自らの力で肌を若返らせることを目的とした治療法がPRP皮膚再生療法です。
自分の血液を使うため、アレルギーや拒絶反応のリスクが極めて低い、安全性の高い治療法として知られています。
しこりや膨らみすぎの原因は「FGF(線維芽細胞増殖因子)」の添加
本来、安全であるはずのPRP療法で、なぜ「しこり」や「膨らみすぎ」といったトラブルが多発したのでしょうか。
その最大の原因は、一部のクリニックで行われていた「FGF(線維芽細胞増殖因子)」の過剰な添加にあります。
FGFは、bFGFとも呼ばれ、その名の通り線維芽細胞を強力に増殖させる作用を持つたんぱく質の一種です。
線維芽細胞は、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを作り出す重要な細胞ですが、FGFによってこの細胞が「予期せぬ形で、過剰に」増殖してしまうと、皮膚の下で硬いしこり(線維化)や、不自然な膨らみ(膨隆)を引き起こすことがあるのです[1]。
効果をより高めたいという安易な目的でPRPにFGFを過剰に添加した結果、細胞の増殖がコントロールできなくなり、取り返しのつかない副作用に繋がってしまった、というのが「ぷるぷる注射はやばい」と言われるようになった真相です。
【実際の裁判事例】説明義務を怠ったとしてクリニックに支払い命令も
FGFを添加したPRP療法による健康被害は、実際に裁判にまで発展しています。
2014年1月、大手美容クリニックで目の下の若返り治療としてFGFを添加したPRP療法を受けた女性が、施術後に目の下が不自然に膨らむなどの後遺症が残ったとして、クリニックを提訴しました。
裁判所は、「医師がFGFの添加やそれによるリスクについて説明義務を怠った」と指摘。
クリニック側が女性に対し、解決金を支払う形での決着となりました[2]。
この事例は、安易なFGF添加の危険性と、クリニック側の説明責任の重要性を社会に問いかける大きなきっかけとなりました。
なぜFGFを添加すると危険なのか?
FGFの添加がなぜこれほど危険視されるのか、その理由をもう少し深掘りしてみましょう。
製薬会社が公式に注意喚起を行っている事実も、その危険性を裏付けています。
FGFが持つ「線維芽細胞の過剰な増殖作用」
前述の通り、FGFは線維芽細胞を増殖させる強力な作用を持っています。
この作用を用い、やけどやケガなどによる皮膚の欠損を修復する目的の薬が「フィブラストスプレー」という薬です。
本来、この薬は傷の治癒などに利用されるスプレータイプの外用薬ですが、美容目的で皮下に過剰に注入した場合、そのコントロールが非常に困難になります。
過剰に注入されたFGFがどの程度、どのくらいの期間、細胞を増殖させ続けるのかを正確に予測することはできません。
そのため、思った以上に膨らみすぎたり、数年経ってから硬いしこりとして現れたりするケースが後を絶たないのです。
一度できてしまったしこりは、自然に消えることは少なく、増殖した細胞が他の細胞に癒着している場合などには、切除手術も困難な可能性もあります。
製造メーカーも警鐘!注入は「適正使用」ではない
実は、FGF製剤(フィブラストスプレー)を製造販売している科研製薬株式会社も、この薬剤の「注入投与」に対して公式に注意喚起を行っています[3]。
同社が公開している「適正使用に関するお願い」という文書では、フィブラストスプレーはあくまで褥瘡(床ずれ)や皮膚潰瘍の治療に用いる「外用薬」であると明記されています。 そして、顔のシワなどに対して注入投与を行った結果、硬結(しこり)や過剰な皮膚隆起が発現した事例が報告されていることに触れ、「注入投与の有効性・安全性は確立されておりません」と明確に警鐘を鳴らしているのです。
つまり、製造メーカー自身が「その使い方は想定していませんし、安全も保証できません」と訴えている薬剤を、一部のクリニックが自己判断で美容医療に転用していた、というのが実態なのです。
後悔しないために!安全なPRP療法を受けるための3つのポイント
では、どうすればFGF添加のような危険な治療を避け、安全にPRP療法の恩恵を受けられるのでしょうか。
クリニックを選ぶ際には、以下の3つのポイントを必ずチェックしてください。

①「FGF無添加」を公式サイトで明記しているか
最も重要なチェックポイントです。
安全性が高く・信頼できるクリニックは、自院のPRP療法にFGFなどの成長因子を一切添加していないことを、公式サイトなどで明確にうたっています。
逆に、「より高い効果」「持続力アップ」といった言葉でFGF添加を推奨してくるクリニックや、添加の有無を曖昧にしているクリニックは避けるのが賢明です。
「FGF等の異物は不使用」としっかり記載しているクリニックを選びましょう。
②厚生労働省に再生医療提供計画を提出・受理されているか
PRP療法を含む再生医療を提供する医療機関は、厚生労働省に「再生医療等提供計画」を提出し、受理される必要があります。
これは、治療の安全性や妥当性が、国の基準に則って審査されていることの証です。
クリニックの公式サイトや院内掲示で、提供計画番号が公表されているかを確認しましょう。
認可を受けているクリニックは、それだけ安全管理に対する意識が高いと言えます。
③リスクや副作用について十分な説明があるか
どのような医療行為にも、リスクや副作用がゼロということはありません。
PRP療法も同様で、FGFを添加しない場合でも、注入に伴う内出血や腫れ、感染症などのリスクは存在します。
カウンセリングの際に、効果やメリットだけでなく、こうした潜在的なリスクやダウンタイムについて、医師が丁寧に時間をかけて説明してくれるかどうかも重要な判断基準です。
患者さんの不安や疑問に真摯に向き合ってくれるクリニックを選びましょう。
FGF無添加で安心!PRP皮膚再生療法が受けられるクリニック
ここまでのポイントを踏まえ、大阪でFGFを添加しない、安全なPRP皮膚再生療法を提供しているクリニックをご紹介します。
大阪梅田プライベートスキンクリニック
当クリニックは、厚生労働省から第二種・第三種再生医療提供機関として正式に認可を受けている、大阪梅田の美容クリニックです。
当クリニックのPRP皮膚再生療法は、異物であるFGFを一切使用せず、患者さん自身の血液(PRP)のみを注入する方法を採用していると公式サイトに明言されています。
安全性を第一に考え、自己の細胞が持つ再生能力を最大限に引き出すことで、肌を根本から若返らせることを目指しています。
目の下のクマや凹み、クレーター状のニキビ跡、シワの改善に効果が期待できます。
大阪でも珍しい形成外科専門医のみ在籍の美容クリニックで、技術力の高さに定評があるクリニックです。
西梅田駅や北新地駅から徒歩2分とアクセスも良く、通いやすいのも魅力です。
PRP皮膚再生療法の症例写真

| 施術 | 採取したご自身の血液から分離した血小板成分を豊富に含むPRPを注射する治療 |
|---|---|
| 特徴 | 血小板成分に含まれるサイトカインや成長因子によってハリのあるふっくらとしたお肌に導く治療 |
| リスク(副作用) | 内出血(1~2週間程度)、腫れ・赤み(1~7日程度)、しこり |
| 注意事項 | 治療の結果には個人差があります。 |
まとめ
「ぷるぷる注射はやばい・危険」という噂の真相は、一部のクリニックで行われていた「FGF」の安易な添加にありました。
FGFは、製薬会社も警鐘を鳴らすほど、過剰な注入投与にはリスクが伴う薬剤です。
しかし、FGFを添加しない純粋なPRP皮膚再生療法は、ご自身の血液だけを使った、アレルギーなどのリスクが極めて低く、安全性の高い再生医療です。
肌の悩みを根本から改善したいと考えたとき、ヒアルロン酸などの異物ではなく、ご自身の細胞を使って改善したいという方は多くいらっしゃいます。
そんな方にはPRP皮膚再生療法は効果的な選択肢の一つです。
PRP皮膚再生療法を受ける際には、メリットだけではなく、デメリットやリスクもきちんと理解した上で受けることが大切です。

参考文献
[1]水野博司,山下理絵,宮田成章ほか、特定細胞加工物および細胞増殖因子を用いた注入療法の現状調査、日美外報,42(1): 19-26, 2020.
https://jsprs.or.jp/member/committee/wp-content/uploads/2022/10/31_biy_kai_2.pdf
[2]朝日新聞社:「美容目的の再生医療で合併症」 医療法人の責任認定、訴訟が終結
https://www.asahi.com/articles/AST1932NCT19UTFL00WM.html
[3]科研製薬株式会社:フィブラストスプレー「適正使用に関するお願い」
https://medical-pro.kaken.co.jp/product/fiblast/index.html
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
PRP療法にはどのような失敗例がありますか?
治療効果が不十分な場合や注入部位が膨らみすぎたり、しこりができるケースがあります。
PRP注射のデメリットはなんですか?
PRP療法のデメリットとしては、効果の現れ方に個人差があること、また即効性がないため効果を感じるまでに多少時間がかかることが挙げられます。
PRP療法でしこりができることがありますか?
注入部の組織再生が強く起きるとしこりができるケースがあります。
人工の成長因子(FGF)を添加しない、または濃度をコントロールすることで、しこりができるリスクが低減します。
FGFを添加しないPRP療法でも、効果は期待できますか?
はい、十分に期待できます。
PRP(多血小板血漿)には、もともと肌細胞を活性化させるための豊富な成長因子が含まれています。
FGFを添加しなくても、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促し、肌のハリや弾力を改善する効果は十分にあります。
何よりも、FGF添加によるしこりや膨らみすぎといった深刻なリスクを避けられることが最大のメリットです。
PRP皮膚再生療法のダウンタイムはどのくらいですか?
個人差はありますが、注入部位に赤みや腫れ、内出血が出ることがあります。
多くの場合、これらの症状は数日から1週間程度で自然に落ち着きます。
施術当日からメイクが可能なクリニックも多いですが、大切な予定がある場合は、ダウンタイムを考慮してスケジュールを組むことをおすすめします。
もし他院で受けた注入治療でしこりができてしまった場合、治せますか?
状態にもよりますので、必ずしも治ると断言は出来ませんが、治療法は存在します。
一般的には、ステロイド注射(ケナコルト注射など)でしこりを小さくしたり、外科的に切除したりする方法が考えられます。
ただし、完全に元通りにすることが難しい場合もあります。
まずは、修正治療の経験が豊富な、信頼できるクリニックに相談することが重要です。
診療時間
[ 完全予約制 ] 10:30〜19:00
土日診療あり
| 美容外科・ 美容皮膚科 |
西梅田駅から徒歩2分 プライベートスキンクリニック |
|---|---|
| 所在地 | 〒530-0002 大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-16 京富ビル2階 |
| 診察時間 | [ 完全予約制 ] 10:30~19:00 |
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DOCTOR.
このページの監修医師
資格
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology)正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボルベラXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボラックスXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボライトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ウルトラXC/ウルトラプラスXC認定医
- ボトックスビスタ認定医
- レスチレン認定医
経歴
| 平成15年 | 大阪医科大学 形成外科教室:入局 |
|---|---|
| 平成21年 | 大阪医科大学 助教(准):就任 |
| 平成24年 | 医学博士学位取得 |
| 平成25年 | 某美容クリニック:院長就任 |
| 令和5年 | プライベートスキンクリニック |
学会発表
- 第48回 日本美容外科学会総会(2025年9月25日~26日)
- 顎のヒアルロン酸注入を用いた輪郭形成-248症例の治療経験
- 第43回 日本美容皮膚科学会総会・学術大会(2025年8月16日~17日)
- POTENZA®を用いた美肌・毛穴・ニキビ治療の臨床経験
- 第42回 日本美容皮膚科学会総会(2024年8月31日~9月10日)
- PRPを用いた複合治療におけるざ瘡後瘢痕と毛穴開きの治療の当クリニックでの経験について
- 第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
- 額(おでこ)へのヒアルロン酸注入による輪郭形成の134症例 -使用量についての経験及び検討-
- 最新型医療ハイフ(ウルトラフォーマー®MPT)の77症例における経験及び安全性についての考察









