クレーター肌は自力で治せる?最新の治療法まとめ!
この記事でわかること
目次
ニキビ跡のクレーターでお悩みの方の中には、なんとか自力で治したいと方法をお探しの方もいると思います。ニキビ跡はいくつか種類があり、自力で改善できるか否かは、ニキビ跡のタイプによって異なります。ニキビ跡の中でも、クレーターは最も治療に時間のかかるニキビ跡と言えます。
本日ご紹介するのは、クレーター肌の対策と治療法です。自力で治せるか否か、また、当院でおすすめしている効果的なクレーター治療についてもご紹介します。クレーター肌でお悩みの方、必見です。
ニキビ跡のクレーターを自力で治すことはできる?
残念ながら、ニキビ跡のクレーターを自力で治すのは困難と言えます。クレーターのへこみ部分は、真皮層の細胞が傷ついた状態であるため、ターンオーバーによる自然治癒が見込めないからです。一度クレーターができてしまうと、スキンケアや生活習慣の見直し等では回復できません。
クレーターができる原因
肌の表面にある「表皮」の細胞は、基底層と言われる表皮最下部で作られ、徐々に表面に近い方へ押し上げられていき、最終的には角質となって剥がれ落ちます。このようなターンオーバーによって、表皮の肌は生まれ変わっていきます。
一方、「真皮」にはこのようなターンオーバーはありませんが、真皮内にあるコラーゲンやエラスチンのような細胞が産生と破壊を繰り返しているため、ダメージを受けたり、損傷した際には創傷治癒作用によって修復されます。ただし、ニキビのような大きな炎症によって組織が大きく破壊されると、完全に修復できずに、へこみとしてクレーター状に残ってしまうのです。
クレーターができる主な原因は、ニキビの炎症によるものです。重症化したニキビほどクレーターができるリスクが高まります。ニキビが治るまでに時間がかかったり、ニキビを潰す行為も、炎症を悪化させてニキビ跡をできやすくします。
また、クレーターは真皮が大きく損傷した時にできやすいため、ニキビ以外の皮膚の炎症や外傷によっても、肌にクレーター状のへこみが残るケースがあります。
クレーターの種類によって改善が難しい
クレーターは形状や深さによって、アイスピック型、ローリング型、ボックス型と大きく3つのタイプに分類されています。どのタイプもダメージが真皮層まで達しているため、自力で治すのは難しいです。アイスピック型のように深い層までクレーターが及んでいるほど、治療に時間を要します。
アイスピック型
アイスピック型は、開口部は点状で小さく、深い層まで及んでいるクレーターです。ダメージが真皮だけでなく皮下組織まで達しているため、最も治療が難しいタイプで、改善するまでに時間がかかる可能性があります。開口部が小さいため。他のクレーターより目立ちにくい傾向があります。
ローリング型
ローリング型は、クレーターの境目が滑らかで、表皮から真皮にかけて楕円状に凹んでいるタイプです。皮下にできた瘢痕組織によって、下に引っ張られてへこんでいます。
ボックス型
ボックス型は、クレーターの境目が垂直に近い角度で凹んでいるタイプです。大きさや深さはさまざまで、このタイプも真皮層までダメージが及んでいます。底が平らな状態であるケースが多く、目立ちやすいクレーターです。
クレーター肌のセルフケア
クレーターのニキビ跡をセルフケアで治すのは難しいですが、肌のコンディションを整えるケアは、ニキビ跡予防に繋がります。新たなクレーターを作らないためには、ニキビ自体をできにくくし、ニキビができた際には、炎症をいち早く抑えることが大切です。
基本のスキンケアを欠かさない
毛穴に汚れが残っていたり、肌の乾燥が続くと、ニキビができやすい肌状態となります。
正しい洗顔を心がけ、保湿ケアやUVケアをしっかり行い、肌のコンディションを整えましょう。基本的なケアは、肌トラブルを防ぐために必要不可欠です。
肌に合ったアイテムを使う
油分の多い基礎化粧品やメイク用アイテム、肌トラブルを起こしやすいと感じる化粧品を使っている方は、今すぐ見直しましょう。もともとニキビができやすい肌質の方もいますが、化粧品の見直しで改善できるケースもあります。
ニキビ予防
毛穴をつまりにくくしたり、角質を取り除く作用のあるニキビ予防に特化したアイテムの使用も効果的です。
ニキビができてしまったら、触り過ぎたり、潰したりしないよう注意しましょう。悪化する前に皮膚科の受診がおすすめです。
栄養バランスのよい食生活
肉や魚、卵、豆類、乳製品に含まれるタンパク質は、健やかな肌を作る働きだけでなく、筋肉や髪の毛など体のさまざまな部位の健康を維持するために重要な栄養素です。十分な量を摂取するよう心がけましょう。また、ビタミンも美肌を維持するために欠かせません。ビタミン類は、果物や野菜はもちろん、玄米や肉類、ナッツなどさまざまな食品に含まれているため、多様な種類の食品を摂るのがおすすめです。
セルフダーマペンは危険?
自宅でダーマペンができれば、費用を抑えて自身のタイミングでクレーター対策ができると思われるかもしれませんが、セルフダーマペンは、リスクが高いためおすすめできません。
クリニックで使用されているダーマペンは医療機器です。通販サイト等で入手できるセルフダーマペンは類似品であるため、医療機器として認定はされていません。安全性や効果の有無が不確かな可能性があります。
ダーマペンで施術を行う際に、肌の状態や施術部位に適した深さで針を刺せなければ、効果が得られないケースや、逆にダウンタイムの症状が強くですぎる可能性があります。針の付け替えや、消毒もご自身で行いますので、適切な処置ができていないと感染のリスクがあります。肌のコンディションや設定によっては、色素沈着や肝斑の悪化などのリスクもあります。
さまざまな理由から、肌トラブルが悪化する可能性があるため、おすすめできないのです。
美容クリニックでのクレーター肌治療
クレーター肌には、創傷治癒力を高める治療法が効果的です。当院では、ポテンツァやダーマペン、リジュランSをおすすめしています。クレーターのタイプによって、適した治療法が異なります。複数のタイプのクレーターが混在するケースもありますので、患者様の症状とご希望に合った施術法をご提案いたします。
ポテンツァPRP・ポテンツァACRS療法
ポテンツァは、マイクロニードルと高周波RFを組み合わせた治療法です。肌に微細な穴をあけ、高周波RFを針先から照射します。また、針を抜くと同時に有効成分を含んだ薬剤が導入されます。皮膚の損傷によって生じる創傷治癒機能とコラーゲンやエラスチンの増生、真皮層への熱エネルギーの作用で、肌の生まれ変わりを促し、クレーターを修復していきます。
導入薬剤は、PRPやACRSの使用がクレーターに効果的です。
PRP(自己血由来多血小板血漿)は、自己の血液から抽出した高濃度の血小板を肌に注入する治療です。
ACRS(自己血サイトカインリッチ血清)は、自己の血液から抗炎症性サイトカインと成長因子を抽出し、培養して増殖させてから肌に注入する施術です。ACRSは、有効成分を増やしてから注入するため、PRP療法より高い効果が期待できます。
いずれも、肌再生を促す働きがあり、クレーター改善効果を高めてくれます。
ダーマペン(ヴァンパイアフェイシャル)
マイクロニードルを使って肌に微細な穴をあけ、自然治癒力を高めて肌の再生を促す治療法です。針であけた穴から有効成分を含んだ薬剤を浸透させます。導入薬剤はPRPやACRSがおすすめであり、いずれもクレーター肌の治療に高い効果が期待できます。
・ヴァンパイアフェイシャル:ダーマペンにてPRPを導入する治療
・ヴァンパイアフェイシャルNEO:ダーマペンにてACRSを導入する治療
リジュランS(水光注射)
リジュラン(高濃度サーモン注射)は、サーモンのDNAから抽出したPN(ポリヌクレオチド)を高濃度で配合した薬剤です。PNには、線維芽細胞の増殖を促す働きがあり、皮膚の再生力を高めます。クレーターのような肌のへこみの改善に効果的です。
リジュランSは、リジュランシリーズの中でも、特に粘度の高い製剤であり、へこんだ皮膚のボリュームを改善する作用が長く続きます。
当院では、医師の手打ちまたは、水光注射による導入が選択できます。症状や範囲によって適した手法にてご提案いたします。
ジュベルック(水光注射・ポテンツァ)
ジュベルックは、トウモロコシやじゃがいもなどを原材料とするポリ乳酸(PDLLA)と、高い保水力を持つ非架橋ヒアルロン酸を組み合わせた美肌治療で、肌に導入することで線維芽細胞を刺激し、コラーゲン生成を促進します。
これにより、真皮層のコラーゲンやヒアルロン酸が増加し、肌の柔らかさや滑らかさを向上しながら、クレーターなどの肌のダメージも修復・改善されていくことが期待されます。
当院では、医師の手打ちまたは、水光注射、ポテンツァによる導入が選択できます。症状や範囲によって適した手法にてご提案いたします。
サブシジョン
※当院ではお取り扱いはございませんが、クレーター治療の情報としてお伝えします。
サブシジョンは、医療用の針を使って、皮膚深部の硬くなった線維をほぐす治療であり、ローリング型のクレーターに効果的です。筋膜に癒着して表皮を下に引っ張っている繊維を、針を使って断ち切るという方法です。サブシジョンのみで改善されない場合は、他の施術の併用にて治療を行うケースもあります。
ピコフラクショナル
※当院ではお取り扱いはございませんが、クレーター治療の情報としてお伝えします。
ピコフラクショナルは、短い照射時間のレーザーの衝撃波で、肌の深部に小さな空洞を作り、創傷治癒力を高める治療です。コラーゲンやエラスチンの生成を促す働きがあり、クレーター治療や肌質改善に効果的です。肌表面へのダメージが少なく、ダウンタイムの少ない施術です。
CO2フラクショナルレーザー
※当院ではお取り扱いはございませんが、クレーター治療の情報としてお伝えします。
CO2フラクショナルレーザーは、マイクロレーザーを照射して肌に微小な穴をあけて、皮膚深部に熱ダメージを与え、皮膚の創傷治癒力を高めて肌を再生する治療法です。傷跡やクレーター肌の治療に効果的です。
まとめ
クレーター肌を治す方法についてご紹介しました。クレーター状のニキビ跡を自力で改善するのは、非常に難しいと言えますので、クレーターができてしまったら、医療機関の受診をおすすめします。ただし、肌の健康を保つことは美肌への近道となりますので、日々のスキンケアはしっかり続けてくださいね。
当院では、クレーターの範囲や深さ等の症状や、肌のコンディション、患者様のご希望に沿った施術をご案内いたします。ニキビでお悩みの方、クレーター以外のニキビ跡が気になっている方、肌質改善にご興味がある方も、合わせてご相談ください。
プライベートスキンクリニック(PSC)では、患者様一人ひとりに最適な施術プランをご提案いたします。
クレーター肌でお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。
医師・スタッフ一同心より皆様のご来院をお待ちしております!
#クレーター肌 #クレーター治療 #ニキビ跡
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
Q.クレーター状のニキビ跡は自力で治せますか?
できてしまったクレーター状のニキビ跡を自力で完全に治すのは難しいため、改善するにはクリニックでの治療が不可欠です。ただし、適切なスキンケアと生活習慣の改善は、ニキビ予防やニキビ跡のできにくい肌作りに有効です。
Q.ピーリングはクレーター状のニキビ跡に効果がありますか?
ピーリングは古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進するため、ごく軽度のクレーターであれば、多少目立たなくなる可能性はありますが、肌の奥まで及んでいるクレーター状のニキビ跡には効果は期待できません。
ケミカルピーリングは、赤みや色素沈着のニキビ跡の改善に有効です。
Q.食事や生活習慣の改善でクレーター状のニキビ跡は良くなりますか?
バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレス管理は肌の健康に大きく影響しますので、ニキビやニキビ跡予防に役立ちます。食生活や生活習慣の見直しでは、できてしまったクレーター状のニキビ跡は治りません。クレーターの改善には、専門的な治療が必要です。
Q.クレーター状のニキビ跡を早く治すための最善の方法は?
クリニックでの専門的な治療が効果的です。当院では、肌の再生を促しクレーターを改善する治療として、ポテンツァやダーマペン、リジュランS(水光注射)、ジュベルックをおすすめしています。適切な治療法を継続しながら、日常的なスキンケアを続けることで、最良の結果が期待できます。
美容外科 美容皮膚科 プライベートスキンクリニック 梅田院
〒530-0002 大阪府
大阪市北区曽根崎新地1-3-16
京富ビル2階
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
学会発表
第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
※当クリニックのホームページは、厚生労働省より2018年6月に施行された「医療広告ガイドライン」を遵守して作成しております。
※当クリニックの施術メニューは、公的医療保険が適用されない自由診療です。