「口角が上がらない」と感じて悩んでいる方は多くいます。無表情のときや笑っているときでも、口角が下がって見えると、不機嫌そうに見られたり、実年齢より老けて見られることがあります。
加齢による影響だけでなく、遺伝的な骨格や歯並び、日常的なクセや生活習慣も、口角の動きに大きく関係しています。実際に、20代など若い世代でも「口角が上がらない」と感じている人は少なくありません。
この記事では、口角が上がらない原因や下がって見える理由をわかりやすく解説、自宅でできるセルフケアや筋トレ法、そして美容医療による治療法までを紹介します。
自然で明るい笑顔を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。
口角が上がらない原因とは?
口角が下がってしまう原因として、遺伝による骨格や歯並びの影響、加齢や生活習慣による表情筋の衰え、皮膚のたるみなどがあげられます。
無表情の時だけではなく、笑顔を作っているのに口角が下がってしまう方もいらっしゃいます。また、笑っている時に片方の口角のみが下がるという方もいます。
生まれつき口角が下がっているケース
実は、ほとんどの日本人は生まれつき口角が下がっていると言われています。骨格や歯並びなどの遺伝的要素が関係していると考えられています。
もちろん人によって下がり度合いは異なりますので、多少下がっていてもまったく気にならない方も多いと思います。
歯並び・噛み合わせが影響
歯並びの悪さが口角を下げる原因となるケースもあります。特に出っ歯の場合、口が閉じにくく口まわりの筋肉が緊張しやすくなるため、口角が下がりやすくなります。また、出っ歯によって口が前へ突き出ると、相対的に口角が下がっているように見えてしまいます。口元が突出している口ゴボの方も、出っ歯と同様の理由で口角が下がってるように見えます。
歯や顎の大きさ・形は遺伝するため、歯並びも遺伝の影響を受けますが、2割程度の方は後天的な生活習慣が要因となっていると言われています。舌で前歯を押すクセや歯ぎしり・食いしばり、硬いものを食べない習慣、頬杖、姿勢の悪さ、口呼吸など、日常的に行っているクセが歯並びに悪影響を及ぼすケースもあります。
姿勢やクセなど日常習慣による影響
猫背によって常に前かがみの状態でいると、口元から首や胸に広がる広頚筋(こうけいきん)が縮むため、口元の筋肉が下に引っ張られて口角も下がりやすくなります。猫背のクセがある方、スマートフォンやパソコンを俯いた状態で長時間使用している方は、特に注意が必要です。
表情筋の衰えがもたらす影響
口角を下げる原因の一つに、表情筋の衰えがあげられます。口のまわりには多くの筋肉が存在しています。口元の表情に影響する筋肉として、「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」と「口角挙筋(こうかくきょきん)」、「口角下制筋(こうかくかせいきん)」があります。大頬骨筋と口角挙筋は、口角を上げる働きがあり、口角下制筋は、逆に口角を下げる働きがあります。これらの表情筋は、それぞれが持つ収縮する力によって拮抗した関係にありますが、加齢や生活習慣による表情筋の緊張や衰えが理由で、筋力のバランスが崩れると、口角が下がってしまう可能性があります。
また、口角下制筋の力がもともと強い人は、下に常に引っ張られるため、年齢に関係なく若くても口角が下がり気味となるケースもあります口をギュッと強く閉じるクセがある人も、口角下制筋が発達してしまう原因となります。
無表情や口呼吸、食いしばり・歯ぎしり、噛む回数が少ないなどのさまざまな生活習慣も、表情筋の衰えや緊張を招く原因となります。
皮膚のたるみも口角が上がらない原因に
お顔の皮膚のたるみも口角が下がって見える原因となります。肌の弾力低下が起きるのは、加齢や肌の乾燥、紫外線によって蓄積されるダメージが原因と考えられ、口角の下がりだけではなく、ほうれい線やマリオネットラインができる原因ともなります。
口角が上がらないとどんな印象になる?
口角が上がっていると、にこやかで楽しそうな印象を受けますよね。逆に、口角が下がっている時は、真剣な様子や集中しているような印象を受けるかもしれません。ただし、常に口角が下がり気味だと、どうしても不機嫌に見えますし、老け見え度もあがってしまいます。
- 不機嫌、怒っている、イライラ
- 悩んでいる
- 困っている
- 老けて見える
普段あまり意識していない方でも、ご自身の写真をみて「アレ?口角下がってるかも…」とあらためて気づくケースも多く、笑顔に自信がもてないとお悩みの方は少なくありません。
口角が下がる主な理由は、上述の通り、遺伝の影響もありますが、加齢や生活習慣も関係しています。セルフケアやクセをやめると改善する可能性もありますので、当てはまる習慣がないか確認しましょう。
口角を上げるための生活習慣・トレーニング方法
口角が上がると、表情が明るくなり元気な印象を受けるようになります。そんな自然な笑顔を手に入れたいですよね!口角が下がってると感じている方は、まずはセルフケアで口角を上げる方法に挑戦してみましょう。日常生活の改善や表情筋を鍛えて口角の下がりを改善する方法をご紹介します。
噛む回数を増やす
食事の際はよく噛むことを意識して、口まわりの筋肉を鍛えましょう。柔らかいものだけでなく歯ごたえがある食材を積極的に選ぶことも大切です。ひとくちにつき30回以上を目標とし、左右均等にゆっくりと噛む習慣をつけましょう。
表情筋をよく使う
よく話すこと、よく笑うことで、表情筋が鍛えられれば口角が上がりやすくなります。逆に普段からあまり喋らず無表情の状態が続くと、表情筋が衰えますので注意が必要です。
割り箸トレーニング
割り箸を使った表情筋トレーニングです。
- 1,割っていない割り箸を横にして口にくわえましょう。
(口を横に広げ、奥歯を使って割り箸を挟むイメージでくわえます)
- 2,箸をくわえた状態で、口角をしっかり上げ、口を「イ」の形にして30秒間キープします。
(実際に「イー」と声にだした方が口の形を作りやすくなります。)
- 3,力を抜いて10秒休みましょう。
- 4,上記2~3を、3回繰り返し行います。
舌回しトレーニング
舌をまわして、口まわりの筋肉を鍛えるトレーニングです。
- 1,上の前歯と唇の間に舌をセットします。
- 2,口を閉じた状態で、歯茎をなぞるように舌を一周させましょう。
- 3,時計回り、反時計回りに20回ずつ舌を回します。
姿勢を正す
スマートフォンやパソコンを使用するときの俯き姿勢や猫背を解消して、姿勢を正すようにしましょう。背筋を伸ばして、顎を引いた姿勢を意識するよう心がけましょう。
歯科矯正
歯並びが原因の場合は、歯列矯正にて歯並びや噛み合わせを整えると、口角が上がる可能性があります。マウスピース矯正やワイヤー矯正など、矯正の方法はいくつか種類があり、いずれも治療にはある程度の期間が必要です。また、矯正治療において口角を上げる効果はあくまでも二次的なものですので、矯正歯科でよく相談したうえで検討しましょう。
気になるクセを改善する
口角が下がる可能性がある悪い習慣を改善しましょう。
- 口呼吸
- 横向き寝・うつぶせ寝
- 歯ぎしり・食いしばり
- 頬杖
メイクでカバー
リップメイクで工夫をすれば、口角が上がった状態にみせることができます。コンシーラーを使って唇の輪郭を消してから、リップラインを入れましょう。口角の下がりを根本的に解消する方法ではありませんが、多少なりとも見た目をカバーできますので、メイク術も取り入れてみてください!
口角が下がってる人におすすめの美容クリニックでの治療
セルフトレーニングで効果がでるまでには時間がかかりますし、挑戦したけれどあまり効果を実感できなかったという方には、口角ボトックスがおすすめです。
口角ボトックス
口角ボトックスは、口角を下げる筋肉(口角下制筋)にボトックスを注入して筋肉の力を緩め、口角をキュッとあげる治療法です。
口元のたるみやマリオネットラインの改善にも効果的で、柔らかく若々しい印象の口元を目指せます。ボトックス注射の効果は、3~6カ月程度持続します。
注入治療であるため、体への負担が軽く、大掛かりな手術は避けたい方におすすめです。
スマイルリップ
スマイルリップは、口角ボトックスと唇のヒアルロン酸を組み合わせた施術です。
唇は年齢を重ねるとともにボリュームが無くなり薄くなっていきます。ヒアルロン酸を唇に注入して、唇のボリュームを出したり、口角を上方に押し上げたりできます。口角ボトックスとの組み合わせで、口角が上がり、より明るく若々しい印象となります。
スマイルリップの施術例(ボルベラXC+ボトックスビスタ)
施術、料金、期間・回数、リスク(副作用)
施術 |
【ヒアルロン酸注射】
唇にヒアルロン酸を注入することで、唇にボリューム感とハリを出すことができる施術です。
また、縦ジワを目立ちにくくする効果も期待できます。
【ボトックス注射】
口角を下げる筋肉(口角下制筋)にボトックスを注入することで口角をキュッと上げる施術です。
「への字口」や口元のたるみ改善への効果が期待できます。 |
料金 |
74,000円(ジュビダーム ビスタ®ボルベラXC+ボトックスビスタ®) |
期間・回数 |
1回・30分ほど |
リスク (副作用) |
【ヒアルロン酸注射】
針を刺した部分や注入部分に、赤みや腫れが1~7日ほど出る可能性があります。
【ボトックス注射】
注射直後は、針穴程度の傷跡と赤みがありますが1~2日程度で消失します。 |
※注意事項:治療の結果には個人差があります。
まとめ
口角が上がらない原因は、加齢だけでなく、生まれつきの骨格や歯並び、表情筋の衰え、日常のクセや姿勢の悪さなど、さまざまな要素が関係しています。
まずは、普段の姿勢を見直したり、表情筋を意識的に動かすセルフケアから始めてみましょう。口角を引き上げる意識を持つだけでも、表情が明るくなり、印象が大きく変わっていきます。
それでも「なかなか口角が上がらない」「への字口が改善しない」とお悩みの方は、美容医療のサポートを受けるのも一つの選択肢です。表情筋のバランスを整える口角ボトックスやスマイルリップなどの施術で、自然な笑顔を目指すことができます。
大阪梅田のプライベートスキンクリニック(PSC)では、患者様一人ひとりのお悩みに合わせた最適な治療をご提案しています。
口角が上がらないと感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
医師・スタッフ一同、皆様のご来院を心よりお待ちしております。