イソトレチノイン(ニキビ内服薬)の副作用は怖い?個人輸入がだめな理由とは?
この記事でわかること
目次
ニキビの治療薬である「イソトレチノイン」は、副作用の多さや内容から怖いと感じる方もいると思います。ニキビに対する効果がどんなに高くとも、体によくない作用があるのであれば、誰だって使用は控えたいですよね。
「イソトレチノインは服用しても本当に大丈夫なのか?」「副作用の危険性はないのか?」と心配な方こそ、イソトレチノインというお薬の働きについてよく理解したうえで、危険性について判断していただきたいと思います。
そこで、本日は、イソトレチノインの効果と副作用、リスクについて詳しく解説していきます。多くの方が怖いと感じるポイントについても掘り下げていきますので、是非チェックしてください!
治らないニキビでお悩みの方、イソトレチノインのご使用を検討中の方、必見です!
イソトレチノイン(ニキビ内服薬)は本当に怖い?
イソトレチノインは、正しく使えば決して怖い薬ではありません。海外では保険適用されている国もあり、多くの方が医師の管理の元で使用しているお薬です。注意事項と医師の指示を守り、万が一不調を感じたような際は、いつでも診察を受けられるような環境下にて使用することで、大きな副作用なく治療ができますし、リスクも軽減できます。
イソトレチノインが怖いと感じるのは、副作用に関するインパクトが強く、また、保険適用外であることも理由として考えられます。
イソトレチノインには、胎児に影響を及ぼす重篤な副作用があるため、妊娠中の使用は禁止されています。そのため、副作用が怖いと不安に感じる方がいるのは当たり前かもしれません。ただし、どんなお薬であっても、何かしらの副作用はありますし、妊娠中や授乳中は服用できない薬が多いのが現状です。
また、イソトレチノインは、日本では認可薬ではないため保険適用外となりますが、1982年FDA(米国商品医療品局)の認可を受けており、世界各国で40年以上前から使用されている内服薬です。日本で保険適用外である理由として、ニキビ治療は「疾病の治療」ではないという判断と、重篤な副作用の可能性があるため、日本では認可されにくい薬であると考えられます。
イソトレチノインの服用にて得られる効果だけではなく、起こり得る可能性のある副作用やリスク、禁忌事項について事前に確認し、使用するか否かを検討していただきたいと思います。
イソトレチノイン(ニキビ内服薬)の効果
イソトレチノインは、ビタミンAの一種であり、皮脂の分泌と炎症を抑える働きにより、ニキビの改善に効果的な治療薬です。イソトレチノインは成分名であり、お薬の製品名としては、アキュテイン、イソトロイン、ロアキュタン、アクネトレントなど複数あります。
重症ニキビの方、軽症から中等症であってもニキビが繰り返しできて治りにくい方に適応しています。
難治性ニキビ治療に効果的
皮脂の減少、毛穴づまりの改善、アクネ菌による炎症を抑える働きによって、治りにくいニキビに対して高い改善効果が期待できます。
皮脂線を縮小させて皮脂の分泌量を大きく減少させる働きがあり、アクネ菌が定着しにくい環境となり、ニキビの悪化を防ぎます。また、皮膚細胞を正常化させる働きによって、皮膚が厚くなるのを防ぎ毛穴詰まりを予防します。抗炎症作用によってアクネ菌による炎症の悪化を防ぎます。
ニキビ跡の予防効果
繰り返しできるニキビを改善したり、ニキビの炎症が長引くことを防ぐため、赤みや凹み状態のニキビ跡の悪化を予防します。また、新たなニキビ跡ができるリスクも軽減されます。
ニキビ跡を残さないためには、早期治療が大切です。重症化するニキビの連鎖がストップすれば、ニキビ跡もできにくくなります。
イソトレチノイン(ニキビ内服薬)の副作用
イソトレチノイン(ニキビ内服薬)は、日本ではニキビ治療薬としての厚生労働省の認可がおりていませんが、 欧米ではニキビ治療薬として40年以上の歴史があり、ポピュラーな治療です。
中々治らないニキビ、何度も繰り返すニキビなど、重度のニキビにとても効果がありますが、極稀に副作用が起きる場合があります。もし、体の調子がいつもと違うかな?と感じた場合は処方してもらったクリニックで医師に相談しましょう。
イソトレチノインの副作用として、皮膚や粘膜の乾燥、肝機能低下、コレステロール値の上昇、うつ病の恐れ、頭痛や吐き気などの症状が報告されています。特に生じやすい副作用とし、皮膚の乾燥があげられています。乾燥以外は稀な症状となりますが、起きる可能性はゼロではないため把握しておきましょう。
皮膚や粘膜の乾燥
皮脂腺の収縮作用によって、肌や唇、口、鼻、目が乾燥しやすくなります。乾燥による肌のバリア機能の低下により、唇の端に炎症が起こる口角炎や、唇に炎症が起こる口唇炎、ドライアイ、鼻出血等の症状が生じるケースがあります。お顔だけでなく、体の皮膚も乾燥しやすくなります。普段以上に念入りな保湿ケアが必要となります。
肝機能障害
イソトレチノインの服用により、肝機能が低下するケースがあります。長期間におけるビタミンAの過剰摂取にて生じる可能性があります。採血にて内蔵の働きに異常がないかの確認を行います。
採血では、肝機能にプラスして、高脂血症や高コレステロールの検査も合わせて行います。
精神的な副作用
うつ病などの精神疾患を抱えている方は、イソトレチノインの内服はできないとされています。FDAでは、うつ病との関係性に関するエビデンスはないが、可能性はあるとして、副作用として表示しています。
イソトレチノインによりニキビが改善されて、うつ病の症状が改善する例もあり、うつ病との因果関係は明らかになっていませんが、イソトレチノインによる脳機能の変化は把握されているため、精神的な副作用として認識されています。そのため、うつやうつ気質の方の使用はできません。
頭痛や吐き気
頭蓋骨内部の圧力の上昇によって頭痛や吐き気が生じるケースがあります。ビタミンAの大量摂取や、一部の抗生剤とイソトレチノインの併用にて発症する可能性があります。
イソトレチノイン(ニキビ内服薬)のリスク
イソトレチノインの服用に際して、妊娠中は胎児に影響を及ぼすリスクがあります。また、服用可能な年齢には制限があるほか、飲み合わせの悪いお薬との併用に注意が必要です。他の疾患で治療中の方も処方できないケースがありますので、事前に医師に確認しましょう。
妊娠希望・妊婦の方・授乳中の方
妊娠した女性が服用した場合、胎児に奇形が生じたり、流産を引き起こす可能性があるため、妊活中、妊娠中、授乳中の方は、イソトレチノインの使用はできません。服用期間と服用後6か月間は、必ず避妊を行ってください。男性の方が服用する場合も、服用期間と服用後1か月間の避妊が必要となります。
また、骨への影響が懸念されるため、服用には年齢制限があります。
他の薬の併用
イソトレチノインと併用不可なお薬があります。
- ビタミンA剤
- テトラサイクリン系の抗生物質(ミノマイシン、ミノサイクリン、ビブラマイシン)
- 副腎皮質ステロイド内服(プレドニン、セレスタミン等)
テトラサイクリン系の抗生物質との併用で、 頭蓋内圧亢進による頭痛が出やすくなるケースがあります。
他のビタミン剤、抗生物質、鎮痛薬、アレルギー薬、ピルとの併用は可能です。
何か服用している薬、サプリメントがあればカウンセリングに伝えましょう。
イソトレチノイン(ニキビ内服薬)の個人輸入は厳禁
イソトレチノインを安価でお試しできないかと考える方もいますよね。市販や通販など、病院の処方以外で入手する方法や、どこで買えるのかお探しの方もいると思います。アキュテイン(イソトレチノイン)は、代行業者を利用した個人輸入にて入手が可能ですが、海外においても医師の診察が必要な処方薬であり、健康被害等のリスクが高いため、通販での購入はやめましょう。
日本の厚生労働省のサイトでも、アキュテインに関する注意喚起がなされています。
「※アキュテイン及びそのジェネリック医薬品については、数量に関係なく、医師の処方せんまたは指示書に基づき必要な手続きを行わない限り、個人輸入することはできません。」
引用元:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html
個人輸入でのイソトレチノイン入手には、以下のようなリスクがあります。
- 品質の保証がない
- 使用期限が過ぎたもの、偽物が届く可能性
- 副作用や禁忌について正しく認識できない可能性
- 副作用が生じた際のサポートが得られない
イソトレチノイン(ニキビ内服薬)は正しく使用すれば怖くない
イソトレチノインは、正しく使えば決して怖い薬ではありません。海外では、難治性ニキビの第一選択薬であり、長年使用されているお薬です。
年齢や妊娠中の使用制限があるため、怖いと感じてしまう方はどうしてもいると思いますが、医師の管理のもと、体調変化が生じた際もしっかりと対処しながら治療を行えば、ニキビ治療に対して高い有効性を感じられるお薬です。
心配な点は、ドクターやクリニックでよく相談しながら、治療を進めていくのがいいでしょう。
まとめ
イソトレチノインの効果や副作用、リスクについて詳しくご紹介しました。
イソトレチノインは、副作用の多さから、怖いという印象を抱く方もいるかもしれませんが、注意点を守って使用すれば、問題ありません。重症ニキビの方や再発を繰り返すニキビの治療薬として大きな効果をもたらしてくれる可能性大なのです。
使用に際して心配がある方は、まずはクリニックでご相談くださいね!
ただし、個人輸入については、リスクが高いため行わないでください。
プライベートスキンクリニック(PSC)では、患者様一人ひとりに最適な施術プランをご提案いたします。
治りにくいニキビでお悩みの方、イソトレチノインの服用をご検討中の方は、当院へお気軽にご相談ください。
医師・スタッフ一同心より皆様のご来院をお待ちしております!
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よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
Q.イソトレチノイン(ニキビ内服薬)にはどんな効果がありますか?
イソトレチノインは、皮脂量を減少させて毛穴詰まりを防ぎ、アクネ菌の炎症を抑えてニキビを改善する効果があります。治りにくい重症ニキビの方におすすめです。
Q.イソトレチノイン(ニキビ内服薬)に副作用はありますか?
イソトレチノインの起こりやすい副作用として、皮膚や粘膜の乾燥があります。乾燥による皮膚の炎症やドライアイ、口角炎、口唇炎、鼻出血が生じるケースがあります。その他の症状として、稀に肝機能低下や血中コレステロール値の上昇が生じる可能性があります。
美容外科 美容皮膚科 プライベートスキンクリニック 梅田院
〒530-0002 大阪府
大阪市北区曽根崎新地1-3-16
京富ビル2階
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
学会発表
第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
※当クリニックのホームページは、厚生労働省より2018年6月に施行された「医療広告ガイドライン」を遵守して作成しております。
※当クリニックの施術メニューは、公的医療保険が適用されない自由診療です。