30代男性は急に太る?
「20代の頃と食べる量も生活も変わらないのに、なぜかお腹が出てきた・・」
30代に入り、このような悩みを抱えている男性は少なくありません。
20代の頃と同じ生活をしているつもりでも、なぜか体重が増え、体型が崩れてしまう「中年太り」。
この記事では、30代男性が忙しい日々の中でも実践できる効果的な食事と運動のポイントをご紹介します。
さらに、医師の管理下で行う「メディカルダイエット」という選択肢についても詳しくご説明します。
健康的で自信に満ちた30代、そしてその先の未来のために、今日からできる一歩を踏み出しましょう。
もくじ
30代男性が急に太る4つの理由
30代になり、「昔と同じ生活なのに体重が増える」と感じる男性は少なくありません。
ここでは、30代男性が太りやすくなる主な4つの理由について解説します。
基礎代謝の低下
基礎代謝の低下によって、20代までと同じ食生活をしているのに、30代になると急に太ったと感じることがあります。
30代になると、私生活や仕事において動く機会が減り、基礎代謝が低下する傾向があります。
私たちの体は、呼吸や心臓の動き、体温維持など、生命活動を維持するために常にエネルギーを消費しています。
これが「基礎代謝」です。
筋肉量が多いほど基礎代謝は高まりますが、運動習慣が少なくなると筋肉量が減少しやすいため、それに伴い基礎代謝も低下します。
同じ食事量、同じ運動量でも、基礎代謝が低下すると消費されるエネルギーが少なくなるため、脂肪が蓄積されやすくなります[1]。
男性ホルモン「テストステロン」の減少
男性ホルモンである「テストステロン」は、筋肉の発達や骨密度の維持、性機能だけでなく、脂肪の分解や蓄積にも深く関わっています。
このテストステロンの分泌量は、20代をピークに30代後半から緩やかに減少していく傾向です。
テストステロンが減少すると、筋肉量が減少しやすくなる一方で、体脂肪、特に内臓脂肪がつきやすくなると指摘されています[2]。
また、意欲の低下や倦怠感、集中力の低下といった症状が現れるケースがあり、これが運動不足や食生活の乱れに繋がり、さらなる体重増加を招く悪循環を生む場合もあります。
ストレス・睡眠不足・運動機会の減少
30代は、仕事での責任が増したり、結婚や子育てといったライフステージの変化があったりと、ストレスが増大しやすい時期です。
ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌され、これが脂肪蓄積を促す作用があると考えられています。
また、仕事や育児で忙しくなり、慢性的な睡眠不足に陥る方も少なくありません。
睡眠不足は食欲を増進させるホルモン(グレリン)を増やし、食欲を抑えるホルモン(レプチン)を減らすため、過食に繋がりやすくなります。
さらに、多忙な日々の中で運動の時間が確保しにくくなり、消費カロリーの減少と筋肉量の低下を招く点が、太りやすくなる要因となります。
20代の感覚で続けている食生活による影響
20代の頃と同じような食生活によって、徐々に体重が増加していく可能性があります。
特に以下のような食生活は注意が必要です。
・外食・飲み会
・コンビニ食
・インスタント食品への依存
・夜遅い時間の食事 など
高カロリー・高脂質・高糖質な食事を摂る機会が増え、体重増加に拍車がかかります。
基礎代謝の低下やホルモンバランスの変化により、同じ食事量でも消費しきれないエネルギーが余剰となり、体脂肪として蓄積されやすくなるでしょう
意識的に食事の内容や量を見直さない限り、30代での中年太りの原因となっていきます。
30代の肥満がもたらす深刻なリスク
ここでは、30代の肥満がもたらす主な悪影響について解説します。
生活習慣病の発症リスクが高まる
30代の肥満は、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病のリスクを高める可能性があります。
「血糖値や血圧が高め」「肝機能の数値が悪い」といった指摘を受けても、具体的な症状がないために放置してしまうと、知らず知らずのうちに血管や臓器に負担がかかり続けます。
その結果、30代では肥満の症状だけであっても、40代、50代になったときに、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる重篤な病気を引き起こす可能性が高まります。
体型が気になり始めたら健康への意識を高め、肥満の改善に取り組むことが、将来の健康を守る上で重要です。
見た目の「おじさん化」と自信の喪失
体重増加は、見た目の変化に直結します。
特に30代男性の場合、お腹周りや顔に脂肪がつきやすくなり、「急におじさんっぽくなった」と感じる場面も少なくありません。
体型の変化は、実年齢よりも老けて見えるなど、周囲に与える印象に影響を及ぼします。
自分の見た目に自信が持てなくなると、積極性や活力が失われ、活動量も落ちるためさらに痩せにくくなる可能性も考えられます。
見た目が若々しく健康的である点は、自己肯定感を高め、日々の生活を充実させる上でも非常に大切です。
中年太り対策の「食事」5つのポイント
30代からのダイエットには、無理な食事制限ではなく、健康的で継続可能な食生活の見直しが不可欠です。
ここでは、中年太りを撃退し、太りにくい体を作るための食事のポイントを5つご紹介します。
カロリーより「PFCバランス」を意識
ダイエットと聞くと、まず「カロリー制限」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
30代からのダイエットでは、単にカロリーを減らすだけでなく、PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物のバランス)を意識する点が大切です。
筋肉の材料となる「タンパク質」の摂取を多くして、炭水化物や脂質もバランスよく摂取しましょう。
PFCバランスを意識した食事については、医師やスポーツトレーナーに管理してもらうのが理想です。
手軽に始めたい方には、スマートフォンの管理アプリを使うこともおすすめです。
食べる順番による工夫
食事の順番を工夫するだけで、血糖値の急上昇を抑え、脂肪を溜め込みにくくできます。
以下のようにごはんやパン、麺類などの炭水化物を最後に食べるのがおすすめです。
・ベジファースト(野菜・汁物→肉・魚→炭水化物)
・ミートファースト(肉・魚→野菜・汁物→炭水化物)
どちらの方法も血糖値の急上昇を抑制する効果が期待できます。
ちょっとした工夫ではありますが、太りにくくするためにも意識して食事をしてみてはいかがでしょうか。
太りにくい炭水化物の選択
炭水化物は活動のエネルギー源として不可欠ですが、種類によっては太りやすさが変わると言われています。
以下のように食物繊維が豊富な炭水化物に変更することによって血糖値を上げにくくする効果が期待できます。
・白米→玄米やもち麦
・食パン→全粒粉パンやライ麦パン
・うどん→そば など
ただし、血糖値を上げにくくする効果はありますが、摂りすぎには注意してください。
飲み会とアルコールの賢い付き合い方
お酒を飲むなら、比較的糖質の少ないハイボール、焼酎、ウイスキーなどがおすすめです。
ビールや日本酒、カクテル、酎ハイは糖質が多くなるため飲み過ぎは控えましょう。
また、おつまみについては脂質が多い食べ物や炭水化物を避けることがおすすめです。
例えば食べ過ぎには注意が必要ですが、枝豆、冷奴、焼き鳥(塩)、刺身などはおつまみの中でも太りにくい料理です。
忙しい方向け・自宅でできる「運動」3選
「ジムに行く時間がない」という方でも、自宅や通勤時間でできる効率的な運動法をご紹介します。
基礎代謝を上げる「大きな筋肉の筋トレ」
基礎代謝を向上させるには、大きな筋肉(おしりから足、背中、胸)の筋トレが効果があります。
筋トレは継続が大切になるため、無理のない範囲で週に2〜3回行えるものを選びましょう。
全身の筋肉の約7割は下半身に集中しているため、「スクワット」で太ももとお尻の筋肉を鍛えるのがおすすめです。
30回×3セットなど回数を決めてしまうと、続かない可能性があるため、1日1分×3セットなど時間で管理するのもいいでしょう。
短時間で脂肪燃焼「HIIT(高強度インターバルトレーニング)」
HIITとは「高強度インターバルトレーニング」の略で、限界に近いレベルの運動と短い休憩を繰り返すトレーニング法です。
例えば「20秒間全力でもも上げ+10秒休憩」を8セット(合計約4分)などで行います。
HIITの特徴として、運動後も数時間にわたりカロリー消費が続く「アフターバーン効果」が期待できる点が挙げられます。
これにより、トータルのエネルギー消費量が高まり、効率的な脂肪燃焼に繋がると考えられます。
短時間で心肺機能も向上させられる、まさに忙しい30代男性のための非常に効率的な時短トレーニングといえるでしょう。
「ながら運動」で日常生活の消費カロリーを増やす
特別な運動時間を設けなくても、日常生活の「ついで」に活動量を増やす意識が大切です。
・エスカレーターを階段にする
・一駅手前で降りて歩く
・歯磨きをしながらかかとを上げ下げする
こうした小さな積み重ねが、1ヶ月後、3ヶ月後に大きな差となって現れます。
おすすめのメディカルダイエット3選
セルフダイエットでは効果が感じにくかったり、続かずに挫折してしまう方もいます。
できるだけ効果を早く感じたいという方や運動や食事制限をできる限りせずにダイエットしたい方には、メディカルダイエットがおすすめです。
マンジャロ
「GLP-1/GIP受容体作動薬」という種類の薬で、脳や胃に働きかけ、自然に食欲を抑制します。
以下のような方におすすめです。
・食欲のコントロールが難しい方
・無理な食事制限を避けたい方
週に一度の自己注射で、空腹感のストレスから解放され、無理なく食事量をコントロールできます[3]。
リポセル
リポセルは、高密度の超音波(HIFU)で、狙った部位の脂肪細胞だけを破壊・排出する医療痩身マシンです。
以下のような方におすすめです。
・特定の部位の脂肪が気になる方
・外科的な手術を避けたい方
特に、お腹周りやわき腹など、食事や運動では落ちにくい部分の脂肪に効果が期待できます。
メスを使わないため体への負担も少なく、リバウンドのリスクも低いのが特徴です。
脂肪溶解注射
脂肪を溶かす成分を、気になる部分に直接注射する治療法です。
以下のような方におすすめです。
・二重あごなど、狭い範囲の脂肪を減らしたい方
・ダウンタイムを短く抑えたい方
わき腹のつまめる脂肪や、二重あごの原因となるあご下の脂肪など、より細かい部位のデザインが可能です。
注射だけで済むため、ダウンタイムが短いのも魅力です。
まとめ
今回は、30代で急に太ったと感じる理由や対策について、解説してきました。
30代は、仕事やプライベートが充実する一方で、個人差はありますが体の変化も気になり始める年代です。
30代からの体型管理は、単なる見た目の問題に留まらず、その先の健康への影響も考えられます。
まずは、今回ご紹介した食事術や運動術などできることから始めてみましょう。
ダイエットが続かない方やそもそも運動や食事管理が苦手という方は、専門家の力を頼ることをおすすめします。
当クリニックでは、医師が患者様一人ひとりのライフスタイルやお悩みに適したメディカルダイエットプランをご提案しております。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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よくあるご質問
Q.30代から急に太り始めるのはなぜですか?
A.30代になると、主に基礎代謝の低下、男性ホルモン(テストステロン)の減少、そして仕事やライフスタイルの変化に伴うストレス増加、睡眠不足、運動機会の減少が重なるためです。
20代と同じ食生活や運動習慣を続けていると、消費エネルギーが追いつかずに脂肪が蓄積しやすくなります。
Q.メディカルダイエットは、どのような人におすすめですか?
A.メディカルダイエットは、以下のような方におすすめです。
・自己流ダイエットで結果が出ない
・効率的に体質改善を目指したい
・運動や食事制限をできる限りしたくない
・部分的に痩せたい
メディカルダイエットは、医師の診察のもと、科学的根拠に基づいた内服薬や注射薬、医療機器を用いた施術を組み合わせるため、安全かつ効果的な減量を目指せます。
Q.お酒が好きで、完全にやめるのは難しいです。どうすればいいですか?
A.無理に禁酒する必要はありません。「種類を選ぶ」「量を決める」点が大切です。
また、週に2日は休肝日を設けるなど、肝臓を休ませる日を作るのも重要です。
メディカルダイエットも検討しましょう。
参考文献
[1[厚生労働省「加齢とエネルギー代謝」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-07-002
[2]The Role of Testosterone in the Pathogenesis of Obesity and Type 2 Diabetes
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4154787/
[3]Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35658024/
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受付時間 10:30〜19:00 (完全予約制)
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑 峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医