男性の肌が汚くなる原因と改善法
「肌荒れやボツボツがあって鏡を見たくない..」
「周りの人の肌が自分よりもキレイに感じる」
など顔のお肌について、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
男性の肌には、ニキビ・毛穴の黒ずみ・くすみ・テカリといった多くの「肌のトラブル」が潜んでいます。
しかし、これは生まれつきではなく、多くの場合「原因」を正しく知ると改善できる可能性が高いです。
この記事では、美容皮膚科医の視点から「肌が汚くなる原因」と「今日からできるセルフケア」さらに、おすすめの美容医療までわかりやすく解説します。
今日から正しい知識で対策し、自信を持って人と向き合える清潔感のある肌を目指しましょう。
もくじ
男性を悩ませる5大「肌トラブル」症状
ここでは代表的な5つの汚肌症状について解説します。
ニキビ・ニキビ跡(赤み、色素沈着、クレーター)
30代以降も繰り返しできる大人ニキビに悩む男性は少なくありません。
フェイスラインや顎周りにできるケースが多く、同じ場所に繰り返しできる傾向があります。
炎症による赤みだけでなく、治った後に残る茶色い色素沈着は、まるでシミのように肌の透明感を奪います。
また、ニキビの炎症が真皮層まで達すると、皮膚が凸凹に陥没してしまう「クレーター」状のニキビ跡となることもあります。
これらは一度できてしまうとセルフケアでの改善が非常に難しく、肌の清潔感を著しく損なう大きな原因となります。
シミ・そばかす(茶色い斑点)
ゴルフやレジャー、通勤など、日頃から紫外線を浴び続けると、肌内部にメラニンが過剰に蓄積され、やがて目に見える茶色いシミとなって現れます。
紫外線対策を怠ると、放っておくと色がどんどん濃くなり、範囲も広がるため、セルフケアでは消えにくくなるので注意が必要です。
女性に比べてシミ対策への意識が低い男性は、気がつかないうちにシミを悪化させているケースが多く見られます。
毛穴の黒ずみ・開き(イチゴ鼻、みかん肌)
皮脂の過剰分泌や、古い角質の蓄積、そして間違った洗顔によって毛穴が詰まり、酸化した皮脂が黒ずんでしまうのが「イチゴ鼻」と呼ばれる状態です。
小鼻の周りに黒い点々が目立ち、不潔な印象を与えてしまいます。
また、頬や額では、皮脂の詰まりや加齢によるたるみで毛穴が開いたまま凹凸が目立ち、肌がみかんの皮のように見える「みかん肌」となるケースも。
これらは見た目の清潔感を大きく損なう原因のひとつであり、肌のキメの粗さにもつながります。
肌全体のくすみ・色ムラ
「なんだか顔色が悪く、疲れて見える」
それは肌全体の「くすみ」が原因かもしれません。
血行不良や乾燥、古い角質の蓄積、喫煙、さらには排気ガスなどの外部刺激によって肌の透明感が失われ、健康的でない、どんよりと暗い印象になります。
また、適切な紫外線対策の怠りによる日焼けの色ムラも、肌の均一感をなくし、まるで汚れているかのような印象を与えてしまいます。
カサツキ・テカリ
一見真逆に見える乾燥と脂っぽさ。
しかしこれは「肌の水分が足りないために、皮脂が過剰に出てしまっている」典型パターンです。
洗顔後に何も塗らない「放置スキンケア」を続けていると、肌は本来持っているバリア機能を失ってしまいます。
その結果、乾燥やかゆみが生じ、肌を守ろうとするあまり皮脂が過剰分泌され、テカリを併発しやすくなります。
男性の肌が汚くなる5つの根本原因
なぜ、男性の肌はこれらの肌トラブルを起こしやすいのでしょうか?
そこには、女性とは異なる男性特有の肌の構造や、ライフスタイルに隠された根本的な理由があります。
皮脂は女性の約2倍、水分量は半分以下
男性の肌は、男性ホルモンの影響で皮脂の分泌量が女性の約2〜3倍と非常に多いのが特徴です[1]。
この過剰な皮脂が毛穴を詰まらせ、ニキビや黒ずみの原因となります。
その一方で、肌の水分を保つ力は弱く、水分量は女性の約半分以下とも言われています。
つまり、男性の肌は「ベタつくのに乾燥しやすい」という、非常にデリケートでトラブルを起こしやすい状態にあるのです。
ゴシゴシ洗い、保湿不足などNGケア
多くの男性が無意識に行っている、肌にダメージを与えるNGケアが存在します。
NGケア | 理由 |
---|---|
ゴシゴシ洗い | 顔をゴシゴシこする行為は、肌表面の必要な皮脂や角質まで奪い、肌のバリア機能を破壊します。 肌が傷つきやすくなり、乾燥や炎症、ニキビの悪化を招きます。 |
熱いお湯での洗顔 | 熱すぎるお湯での洗顔は、肌に必要な皮脂まで根こそぎ奪い、肌の乾燥を助長します。 乾燥は肌のバリア機能低下に直結する可能性があります。 |
保湿不足 | 化粧水だけで済ませたり、洗顔後に何もつけなかったりするのはおすすめできません。 水分だけではすぐに蒸発してしまい、肌はより乾燥が進みます。 |
肌が乾燥すると、それを補おうとしてさらに皮脂が過剰分泌されるため、「ベタつくのに乾燥する」という悪循環が加速します。
不十分な紫外線対策
紫外線は「光老化」と呼ばれる肌の老化を加速させる大きな要因の一つです。
紫外線を浴びると、肌はメラニンを過剰に生成し、これがシミやそばかすの直接的な原因となります。
さらに、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンといった弾力線維を破壊し、シワやたるみを引き起こすのです。
毎日のシェービングによる肌ダメージ
T字カミソリや電気シェーバーによる毎日のヒゲ剃りは、ヒゲだけでなく、肌表面の角質層まで削り取っている行為です。
無数のミクロな傷が肌に絶えず与えられ、肌のバリア機能を著しく低下させます。
これにより、カミソリ負けによる炎症や赤み、ヒリつき、乾燥、そして傷ついた部分への色素沈着などが起こりやすくなります。
食事・睡眠・ストレスの影響
脂っこい食事や糖質の多い食事は皮脂の過剰分泌を招き、ニキビを悪化させる一因となります。
また、加工食品やインスタント食品に偏った食事は、肌に必要なビタミンやミネラルが不足しがちです。
さらに、睡眠不足や慢性的なストレスは、ホルモンバランスや自律神経を乱し、肌のターンオーバーを滞らせます。
ターンオーバーが正常に行われないと、古い角質が肌に残り、くすみやゴワつき、ニキビの治りが遅くなる可能性があります。
今日から始める健やかな肌を目指すセルフケア7選
ここでは、今日からすぐに始められる基本的なセルフケアで、肌の土台を整え、美肌へと導く具体的なステップをご紹介します。
摩擦を軽減した洗顔
できる限り摩擦を軽減した洗顔が大切になります。
洗顔時のお湯は熱すぎると余分な皮脂まで奪ってしまうため、人肌程度のぬるま湯が良いとされています。
洗顔料については、泡立て用のネットなどを用いてしっかり泡立ててから使用するのが大切です。
最近では泡対応の洗顔料もあるため、泡立てるのが面倒だという方はそちらもおすすめです。
ゴシゴシ洗うのではなく、泡で顔を包むように顔を洗っていきます。
拭き取る際もタオルを肌にぽんぽんと押し当てるように水分を取っていきましょう。
保湿の徹底
保湿の徹底は継続が大切になります。
洗顔後は、手のひらに適量の化粧水を取り、顔全体に優しくなじませます。
化粧水を使用した後は、乳液やクリームの使用も大切です。
化粧水で水分を与え、乳液やクリームによってバリア機能をサポートし乾燥から肌を守ってくれる効果が期待できます。
保湿と乳液の役割を一つでこなすオールインワンタイプもおすすめです。
紫外線対策
曇りの日でも、冬でも、紫外線は一年中降り注いでいます。
通勤や少しの外出でも、毎日日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。
帽子やサングラス、UVカット機能のある衣類や日傘などの併用で、より効果的に紫外線を防げます。
バランスの取れた食事
きれいな肌を保つためには食事管理も大切です。
まず意識すべきは、バランスの取れた食事です。
以下の栄養素の摂取がおすすめです。
栄養素 | 期待される効果 | 食品例 |
---|---|---|
タンパク質 | 肌の再生を助け、ハリと弾力のある肌を保ちます。 | 肉、魚、卵、大豆製品 など |
ビタミンA、C、E | 紫外線ダメージから肌を守り、シミやくすみを予防します。 | 緑黄色野菜、果物、ナッツ類 など |
ビタミンB群 | 肌のターンオーバーを促します。 | レバー、豚肉、乳製品 など |
脂っこい食事や糖質の多い食事は皮脂の過剰分泌やニキビの悪化を招くため、できるだけ控えめにしましょう。
質の良い睡眠の確保
質の良い睡眠は、肌トラブルの改善に効果が期待できます。
睡眠中に肌の修復・再生が活発に行われる傾向があります。
また、質の良い睡眠は、成長ホルモンの分泌が促され、肌のターンオーバー機能の向上も期待できるでしょう。
寝る前のスマホ操作は控え、リラックスできる環境を整えることが大切です。
ストレスの軽減
慢性的なストレスはホルモンバランスや自律神経を乱し、肌のバリア機能低下やターンオーバーの滞りを引き起こします。
ストレスは溜めてから発散するのではなく、日頃から溜めないようにすることが大切です。
趣味による発散だけでなく、十分な睡眠や適度な運動などもストレスを軽減できる方法です。
医療機関の受診
ニキビやシミ、黒ずみなど、セルフケアだけでは改善効果が感じられなかったり、即効性を感じない場合があります。
以下のように感じる方は、皮膚科や美容皮膚科への受診をおすすめします。
・効果をできるだけ早く実感したい
・肌トラブルを根本から直したい
・そもそも肌が汚い原因を知りたい
患者様の希望やお悩みに適した施術を提案してもらえるでしょう。
男の肌トラブルへの代表的な美肌治療3選
できてしまったシミや、深く刻まれたニキビ跡のクレーター、開いてしまった毛穴をセルフケアだけで元に戻すのは非常に困難です。
シミ取りレーザー
シミ取りレーザーは、気になるシミやそばかすにピンポイントでレーザーを照射し、シミの原因であるメラニン色素のみを選択的に破壊する治療です。
周囲の正常な皮膚組織にはダメージを与えにくく、少ない治療回数で効果が期待できます。
セルフケアに比べて効率的な改善を目指せます。
ケミカルピーリング
専用の薬剤を肌に塗布し、古くなった角質や毛穴の詰まりを溶かして優しく取り除く施術です。
これにより、乱れがちな肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促し、ニキビができにくい、滑らかで透明感のある肌へと導きます。
ニキビ、毛穴の黒ずみ、肌のザラつきやくすみにお悩みの方におすすめです。
ポテンツァ(POTENZA)
極細の針を皮膚に刺し、針先から高周波(RF)を照射。
さらに薬剤を肌の奥深くまで均一に導入する治療です。
肌が持つ創傷治癒能力を利用して、コラーゲンの生成を促すことが期待されます。
肌が本来持つ創傷治癒能力を利用してコラーゲン生成を促し、肌のハリやキメを整え、滑らかな肌へと導きます。
・ニキビ跡のクレーター
・たるみによる毛穴の開き など
セルフケアでは改善が難しい凸凹肌に効果が期待できます。
まとめ
今回は男性の肌が汚く感じる理由や肌トラブルの原因、改善方法について解説してきました。
男性の肌悩みは、ニキビ・毛穴・シミ・くすみなど多岐にわたります。
女性より皮脂が多く水分が少ない男性の肌は、間違ったケアや生活習慣でトラブルが悪化しがちです。
しかし、原因を知り、正しい洗顔・保湿・紫外線対策によって改善が期待できます。
セルフケアで難しい悩みには、レーザー、ケミカルピーリング、ポテンツァなどの美容医療の選択肢も考えられます。
当クリニックでは患者様一人ひとりの肌状態やお悩みに合わせ、最適な施術をご提案します。
まずはお気軽にご相談ください。
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よくあるご質問
Q.男性でもスキンケアは必要ですか?
A.男性にもスキンケアは不可欠です。男性の肌は皮脂分泌が多く水分量が少ないため、ニキビやテカリ、乾燥といったトラブルを起こしやすい特徴があります。
適切なスキンケアで肌の状態を整えることで、清潔感のある印象を保ち、肌トラブルの予防や改善が期待できます。
Q.どんなスキンケア用品を選べばいいですか?
A.まずは、洗顔料、化粧水、乳液の基本3点から始めるのがおすすめです。
洗顔料は洗浄力が強すぎず、肌に優しいものを選びましょう。
化粧水で水分を補給し、乳液やクリームでしっかりフタをして保湿することが重要です。
Q.ニキビが繰り返しできます。どうすればいいですか?
A.繰り返すニキビは、皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖、そしてホルモンバランスや生活習慣の乱れが主な原因です。
まずは正しい洗顔と保湿、バランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけましょう。
セルフケアで改善しない場合は、美容皮膚科でのケミカルピーリングや、炎症を抑える外用薬・内服薬の処方といった治療が効果的な場合があります。
参考文献
[1]ポーラ化成が男性の肌を徹底調査
https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_2009_2.pdf
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FAX 06-6940-7102
受付時間 10:30〜19:00 (完全予約制)
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑 峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医