カミソリ負けの赤いブツブツの治し方を医師が解説
「カミソリ負けによる赤いブツブツって放置して大丈夫?」「髭を剃ったあとにヒリヒリ感が治らない」など、シェービングをした際に生じる肌トラブルに悩む男性は少なくありません。
カミソリ負けは、悪化すると細菌感染や炎症が長引く原因になるので注意が必要です。
本記事では、カミソリ負けによる赤みやブツブツの原因から、治し方や予防方法まで詳しく解説します。
もくじ
カミソリ負けに見られる代表的な症状
カミソリ負けは赤いブツブツだけではなく、ヒリヒリとした痛みや出血が生じることもあります。
通常はシェービング後に発症し、悪化すると炎症や傷跡として残るので注意が必要です。
まずは、カミソリ負けの主な症状を確認していきましょう。
赤いブツブツ(炎症や毛嚢炎)
カミソリ負けでよく見られるのが、毛穴に沿って出る赤い小さなブツブツです。
これは髭剃りによって生じた細かい傷から「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」が入り込み、炎症を起こすことで発症します。
医学的には毛嚢炎(毛包炎)と呼ばれ、慢性化すると「尋常性毛瘡(じんじょうせいもうそう)」と診断されることもあります。
尋常性毛瘡は、皮膚の奥まで炎症が及ぶのが特徴です。
髭剃りを繰り返すと症状が悪化し、髭が生えにくくなったり跡が残ってしまうケースもみられます[1]。
ヒリヒリした痛み・かゆみ
シェービング後に感じるヒリヒリとした痛みや痒みは、肌のバリア機能が損なわれることで起こります。
これは肌表面にある角質層が、必要以上に削られてしまうことが原因です。
私達の肌は何層にも重なってできており、その一番外側にあるのが角質層です。
角質層は水分を保つことでうるおいを維持し、外部の刺激から肌を守る働きを担っています。
しかし、カミソリを使うと角質層が無理やり剥がされ、ヒリヒリ感や痒みを引き起こしやすくなります。
特に、敏感肌や皮膚の薄い方は、こういった症状が現れやすいので注意が必要です。
切り傷や出血
毛穴周辺からの出血は、カミソリの刃が直接皮膚にダメージを与えることで発生します。
毛穴はわずかに盛り上がっているので、他の部分よりも刃が当たりやすく、逆剃りや強い圧力で剃ると起こりやすくなります。
出血を伴う傷は炎症につながるだけでなく、跡が残ったり色素沈着を招いたりする可能性も高いです。
また、切り傷は細菌感染のリスクを高め、毛嚢炎を引き起こす原因にもなるので注意しましょう。
色素沈着・黒ずみ
肌の色素沈着や黒ずみは、メラニン色素が過剰に生成されることで起こります。
髭剃りをする部位だけ肌が黒ずんでいる場合は、カミソリによる刺激や摩擦が原因かもしれません。
カミソリで肌表面が傷つくと、皮膚は防御反応としてメラニンの生成を活発にします。
本来であればターンオーバーによってメラニンは排出されますが、繰り返し髭を剃って肌に負担がかかるとターンオーバーが乱れ、結果としてメラニンが蓄積してしまうのです。
色素沈着は一度できると改善に時間がかかることも多く、日常的な予防と適切なケアが重要となります[2]。
カミソリ負けで赤いブツブツができる4つの原因
カミソリ負けで赤いブツブツができる主な原因は次の4つです。
・肌に強い刺激や摩擦が加わる
・劣化して切れ味が落ちたカミソリを使っている
・肌が乾燥したまま髭を剃ってしまう
・髭剃り後のスキンケアをしていない
なかでも刺激を受けやすい肌の方は、カミソリの使用に注意が必要です。
ここからは、それぞれの原因を詳しくご紹介します。
肌への刺激や摩擦
カミソリの刃は肌に直接触れるため、摩擦や刺激が生じやすいのが特徴です。
特に、力を入れて剃りすぎたり、同じ部分を何度も剃る「二度剃り」を繰り返したりすると、角質層が傷ついて炎症を起こします。
また、毛流れに逆らって剃る「逆剃り」を無意識に行っている男性も少なくありません。
逆剃りは毛穴に負担をかけるだけでなく、埋没毛(埋もれ毛)を引き起こす原因になります。
肌へのダメージが大きいほど、回復に時間がかかるので注意しましょう。
劣化したカミソリの使用
カミソリ負けの赤いブツブツは、使用しているカミソリの状態が原因かもしれません。
刃が古いものを使うと切れ味が落ち、髭が引っかかりやすくなります。
それによって余計な力がかかり、肌への負担が増してしまうのです[3]。
さらに、錆びたカミソリを使うと雑菌が角質層に侵入し、炎症や肌荒れを招きます。
髭剃り後はしっかり手入れを行い、常に清潔な状態で使用しましょう。
事前に手入れのタイミングや替刃の交換時期を決めておくとスムーズです。
乾燥など肌状態が整っていない
肌が乾燥したまま髭剃りをすると、摩擦や刺激で角質層が傷つきやすくなります。
急いでいるからといって、乾いたままカミソリを当てるのは絶対に避けましょう。
シェービング剤を使用すると刃のすべりがよくなり、肌への負担をぐっと減らせます。
さらに刺激を抑えたいときは、保湿成分を含むタイプを選ぶのがおすすめです。
また、シェービング前に肌を温めておくと、毛穴が開いて髭が柔らかくなり剃りやすくなります。
時間に余裕のあるときは、ぬるま湯で顔を洗ったり蒸しタオルを活用してみてください。
シェービング後のケア不足
髭を剃った直後の皮膚はバリア機能が低下し、外部からの刺激に敏感な状態です。
肌トラブルを防ぐためにも化粧水や保湿クリームを使用して、肌にうるおいを与えましょう。
特にカミソリを使用すると、目に見えないほどの細かな傷がつきやすくなります。
赤いブツブツだけでなく、出血や色素沈着につながる可能性もあるので注意が必要です。
もし、傷や出血が生じた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
カミソリ負けの対処法と治し方
カミソリ負けは、症状の程度によって対処法が異なります。
軽度であれば、患部を冷やしたり保湿をするだけで落ち着くこともあります。
一方で、炎症が強かったり出血を伴う場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。
ここからは、自宅でできるケアとしてカミソリ負けの対処法をご紹介します。
熱感のある部位を冷やす
カミソリ負けを起こしたら、まずは熱感のある部位を冷やしましょう。
肌の炎症を落ち着かせることで、悪化を防ぎやすくなります。
冷却には冷水で湿らせたタオルやコットン、布で覆った保冷剤などがおすすめです。
保冷剤を直接肌に当てると刺激になるため、必ず柔らかい布で包んでから当ててください。
また、長時間冷却すると乾燥の原因になるので、炎症が落ち着いたら終えるようにしましょう。
十分な保湿ケアを行う
カミソリ負けを起こした肌は、外からの刺激を受けやすい状態になっています。
放置すると肌トラブルの悪化につながるため、化粧水やクリームでしっかりうるおいを補いましょう。
刺激に敏感なときは、保湿力が高くシンプルな成分で作られたスキンケアアイテムがおすすめです。
特に、ワセリンやスクワランといった成分は、肌表面をコーティングして水分を守る働きがあり、乾燥を防いでくれます。
乾燥肌の方はもちろん、敏感肌の方でも取り入れやすい成分なので、ぜひチェックしてみてください。
市販薬を使用する
軽度のカミソリ負けによる傷や炎症であれば、市販薬で改善できることがあります。
ただし、深い切り傷や出血を伴う場合は、自己判断せずに必ず医療機関を受診してください。
軽い炎症なら、子どもでも使用できる「非ステロイド性」の抗炎症薬がおすすめです。
顔などのデリケートな部位にも使いやすく、ドラッグストアや薬局で手に入ります。
一方、より強い消炎効果を持つ「ステロイド外用薬」は、細菌感染があると悪化する可能性があります。どの市販薬を選べばよいか迷うときは、薬剤師に相談するか、医療機関で処方を受けましょう。
カミソリ負けの予防と対策
カミソリ負けを防ぐためには、次の3つのポイントを意識することが大切です。
・電気シェーバーを使う
・シェービング剤を使う
・スキンケアをきちんと行う
それぞれのポイントについて順番に解説していきます。
電気シェーバーに切り替える
電気シェーバーは内刃が直接肌に触れないため、刺激や摩擦を最小限に抑えられます[4]。
入浴中に剃れるものや敏感肌にも対応したタイプなど、種類も豊富で選択肢が多いのもメリットです。
電気シェーバーは刃の動き方によって「往復式」と「回転式」に分かれます。
刺激を感じやすい方には、なめらかな使い心地で肌にフィットしやすい回転式がおすすめです。
一方、往復式は深剃りに向いていますが、肌が敏感な方は刺激を感じやすいので注意が必要です。
シェーバーを選ぶ際は、肌質や仕上がりの好みに合わせて検討するとよいでしょう。
シェービング剤を使用する
カミソリ負けを防ぐには、シェービング剤を使うことが大切です。
乾燥した肌はダメージを受けやすくトラブルの原因になりやすいため、ヒアルロン酸やグリセリンなど保湿成分が配合されたものを選ぶとよいでしょう。
保湿しながら剃ることで、髭剃り後もうるおいのある肌を保てます。
一方で、敏感な肌のときはメントール入りのシェービング剤は控えたほうが無難です。
清涼感はありますが、ヒリヒリとした刺激を感じやすいので注意しましょう。
適切なスキンケアを行う
髭剃りを終えたあとは、必ずスキンケアで保湿しましょう。
化粧水で水分を補い、そのあと乳液やクリームで蓋をすると長時間うるおいをキープできます。
こうしたケアによって肌のバリア機能が整い、乾燥やヒリつきなどのトラブルを防ぐことが可能です。
スキンケアはドラックストアで購入できるプチプラのアイテムでも構いません。
特に、敏感肌用やセラミド・ヒアルロン酸が配合された保湿力の高いものがおすすめです。
一方で、肌荒れやニキビ用のアイテムは、刺激になりやすい成分が含まれている可能性もあります。
まずは、シンプルな成分配合のスキンケア商品から試してみるとよいでしょう。
カミソリ負けを根本的に解決するなら医療脱毛
カミソリ負けを根本的に解決するなら、医療脱毛が効果的です。
回数を重ねるごとに髭が薄くなり、赤みブツブツや出血などの肌トラブルを防ぎやすくなります。
医療脱毛は費用が高いイメージがありますが、長期的に見ると替刃やシェービング剤にかかる出費を抑えられるため、結果的にお得になるケースも少なくありません。
当クリニックでは、患者様のお肌の状態にあわせて2つの機械を使い分けています。
濃い深い毛も根本からしっかり脱毛できるため、少ない回数で効果を実感したい方にも向いています。
施術の目安としては、1.5〜2ヶ月に1回のペースで、平均6〜8回程度で終了するケースが多いです。
しかし、毛の濃さや毛量によって適切な回数は異なるため、まずはお気軽にご相談ください。
ヒゲの医療脱毛ならPSCforMENへ!
今回はカミソリ負けに悩む男性に向けて、その原因や対策方法を中心にご紹介しました。
カミソリは手軽に髭を剃れる便利なアイテムですが、使い方を間違えると肌トラブルにつながります。
特に、毎日使用すると肌のダメージが蓄積し、改善までに時間がかかることも多いです。
そのため、根本的に毛の量を減らしてカミソリ負けを防ぐなら、医療脱毛を検討するとよいでしょう。
当クリニックのヒゲ脱毛は、皮膚の色や毛の太さに合わせて細かく調整できるため、多くの方に効果を実感していただいております。
また、事前に医師とカウンセリングを行うことで、患者様一人ひとりに合わせた最適なプランのご提案が可能です。
詳しい施術内容や費用についても分かりやすく説明するので、ぜひお気軽にご相談ください。
#カミソリ負け #ブツブツ #肌荒れ
カミソリ負けに悩む男性によくある質問
Q.カミソリ負けがあっても脱毛はできますか?
A.カミソリ負けの状態にもよりますが、赤みや切り傷がある場合は患部を避けての施術になります。
症状が落ち着いてからの照射となるため、詳しくはカウンセリング時にご相談ください。
Q.ヒゲ脱毛は痛みを感じやすいですか?
A. 個人差はありますが、鼻下やアゴなど毛が濃い部分は特に痛みを感じやすい傾向があります。
当クリニックでは、照射前のクーリングや麻酔クリームの併用などで痛みを和らげる工夫をしています。痛みが不安な方は、事前に医師やスタッフへご相談ください。
参考文献・論文
[1]Richard D. Winters; Mark Mitchell.Folliculitis
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK547754/
[2]Elizabeth Lawrence; Hasnain A. Syed; Khalid M. Al Aboud.Postinflammatory Hyperpigmentation
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK559150/
[3]The Gillette Company.Method for measuring the wear of a razor blade edge during shaving
https://patents.google.com/patent/US6212777B1/en
所在地 〒530-0002 大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-16 京富ビル2階
TEL 06-6940-7101
FAX 06-6940-7102
受付時間 10:30〜19:00 (完全予約制)
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑 峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医