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ミノキシジルの副作用について医師が解説

薄毛・AGA

ミノキシジルの副作用について患者に説明する医師
ミノキシジルは、AGA治療薬として高い効果が期待されている成分です。
一方で、「副作用が強いのでは?」「安全性は大丈夫?」と不安を感じる方も少なくありません。
そこで本記事では、ミノキシジルの副作用や注意点をメインに、その効果や作用について解説します。

AGA治療薬ミノキシジルに副作用はある?

ミノキシジルは、高い発毛効果が期待できるAGA(男性型脱毛症)の治療薬です。
ネット上では「副作用」という言葉もよく目にするため、少し心配になりますよね。
実際に、ミノキシジルにはいくつかの副作用が報告されています。
重い副作用はまれですが、安心して治療を受けるためにはリスクを把握しておくことが大切です。

ミノキシジルとは?

​​ミノキシジルは、男性型脱毛症(AGA)の改善薬として世界的に知られています。
しかし、はじめから育毛目的でつくられたわけではなく、意外な経緯から発毛効果が発見された成分なのです。
まずは、その開発の背景や特徴についてご紹介します。

降圧薬として開発されていた成分

ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発が進んでいた成分です。
血管を拡張して血圧を下げる作用がある一方、副作用として体毛が濃くなる「多毛」が認められました。
この作用が発毛・育毛効果につながることが分かり、薄毛治療に応用されるようになったのです[1]。
日本では厚生労働省に承認された医薬品として扱われており、外用薬は薬局で購入できるほか、医療機関でも取り扱われています。
しかし、内服薬については日本では未承認の状態です。

内服薬と外用薬がある

前述の通り、ミノキシジルはタブレット型の「内服薬」と、頭皮に直接塗布する「外用薬」があります。
外用薬は厚生労働省によって認可されていますが、内服薬は国内では承認されていません。
そのため、AGA治療を美容クリニックなどで受ける場合は、保険が適用されず自由診療となります。
また、ミノキシジルを有効成分とする外用薬は医薬品として発毛効果が認められていますが、一般的な「育毛剤(化粧品・医薬部外品)」は発毛効果までは期待できません。
男性の薄毛改善には育毛剤よりも発毛効果の根拠があるミノキシジルをおすすめする女性医師

ミノキシジルの効果と作用

男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモン「テストステロン」が酵素「5αリダクターゼII型」の作用を受けて、「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されることで発症します。
DHTは毛根にある毛乳頭細胞に作用し、ヘアサイクルを乱して脱毛を引き起こすと考えられています。
ミノキシジルはこういった症状にどうアプローチするのでしょうか。
それぞれの効果や作用について解説します。

毛包を活性化して発毛を促進する

ミノキシジルは、DHTの生成を抑制するのではなく、頭皮の血流を改善し、毛母細胞を活性化させることで髪の成長を促す治療薬です。
髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」という毛周期を繰り返しており、成長期が長いほど太く丈夫な毛が育ちます。
しかし、AGAを発症すると毛周期が乱れ、成長期が短縮されて細く弱い毛や抜け毛が増えることで、薄毛が進行していきます。
ミノキシジルは休止期にある毛包を再び成長期へ移行させ、新しい太く健康な髪が育ちやすい環境を整えるのです[2]。

血管拡張により頭皮の血流を促す

ミノキシジルには、血管を拡張して頭皮の血流を改善する作用があります。
血流がよくなると「毛乳頭細胞」に栄養や酸素が行き渡り、太く健康な毛髪の成長につながると考えられています。
しかし、血液に十分な栄養が含まれていないと、その効果はあまり期待できません。
特に、タンパク質・ビタミンB群・亜鉛などは髪の成長に欠かせない栄養素です。
頭皮にしっかり栄養を与えるためにも、毎日の食生活を見直すようにしましょう。

成長期を維持して抜け毛を減らす

成長期が長く休止期が短いほど、太くしっかりとした毛が増えていきます。
また、毛根がより太く成長することで、抜け毛の減少にも効果を発揮します。
一方で治療をせずに放置すると、毛髪の成長に欠かせない「毛包」が縮小し、新たな毛が生えにくくなる可能性も高いです。
この「毛包のミニチュア化」は50代以上によく見られるため、早い段階での治療が効果につながりやすいでしょう。
豊かな毛髪の初老男性

ミノキシジルの副作用

ミノキシジルの内服薬はいくつかの副作用が報告されています。
ここでは、代表的な副作用の症状についてご紹介します。

古い毛が抜け落ちる【初期脱毛】

飲み始めの副作用として知られているのが「初期脱毛」です。
内服開始からおよそ2週間〜1ヶ月ほどの間に、一時的に毛髪が抜け落ちることがあります。
これはミノキシジルの毛母細胞の活性化で起こる現象で、抜け落ちる毛髪はすでに成長を終えています。
シャンプーやブラッシング中に毛が多く抜けても、過度に心配する必要はありません。
通常は2ヶ月以内に落ち着くため、長く続く場合は医師へご相談ください。

全身の毛が濃くなる【多毛症】

ミノキシジルの作用は頭皮にとどまらず、全身に及ぶことがあります。
内服薬は血流にのって全身へ届くため、頭皮以外の毛が濃くなったり増えたりするケースも報告されています。
これは発毛作用がしっかり働いている証ですが、気になる方も少なくありません。
対策としては、外用薬やメソセラピー(後半で解説)への切り替え、あるいは医療脱毛を取り入れるのも一つの方法です。
ライフスタイルにあわせて、自分に適した治療法を検討してみましょう。
ミノキシジルの副作用が心配な男性

血流促進による動悸・息切れ

血流を促して頭皮に栄養を届けるミノキシジルですが、動悸や息切れなどの副作用が報告されています。
これは薬の作用で血管が拡張し、血行がよくなることで起こる症状です。
しかし、服用を継続すると体が慣れてくるため、徐々に症状が落ち着く傾向があります。
一方で、長く続いたり強い動悸や息切れがある場合は、早めに医師へ相談しましょう。

血管拡張作用による心疾患リスク

血管が拡張して心臓に流れ込む血液が増えると、心臓への負担も大きくなります。
そのためミノキシジルを服用すると、心拍数の上昇や不整脈が起こることがあり、稀に狭心症などの心疾患につながるケースも報告されています。
明確な因果関係は解明されていないものの、心疾患の既住歴がある方は必ず医師に相談するようにしましょう。
以下の項目に該当する方も、医師への相談が推奨されています。

・高血圧または低血圧がある
・肝臓や腎臓に障害がある
・65歳以上の方

ミノキシジル外用薬の副作用

頭皮に直接塗布する外用薬は、内服薬のミノキシジルに比べて副作用が少ないといわれています。
主な症状は、頭皮の発疹や発赤、かゆみ、かぶれ、熱感などです。
稀に頭痛や気が遠くなるといった精神神経系の症状や、胸の痛み・動悸など循環器系への影響が報告されることもあります。
なかでも赤みやかぶれといった皮膚トラブルが起こりやすいため、症状が出た際は直ちに使用を中止して医師へ相談しましょう。

ミノキシジルの内服薬と外用薬はどちらを選ぶべき?

ミノキシジルは内服薬と外用薬のどちらを選ぶかで迷う方も少なくありません。
ここでは、それぞれのメリットやデメリットを中心に解説します。
ミノキシジルの内服薬と外用薬の違いについて解説する女性医師

効果を実感しやすいのは内服薬

ミノキシジルの効果を実感しやすいのは、全身に作用する内服薬です。
発毛作用が強く、効果を感じるまでの期間も比較的短い傾向があります。
さらに、1日1回の服用で済むため、忙しい方でも続けやすい点も大きなメリットです。
一方で、多毛症や血管拡張作用に関連する副作用は、外用薬より起こりやすいとされています。
そのため、一部のクリニックでは定期的に血液検査を行い、副作用の重症化を未然に防いでいます。
内服薬に不安がある方は、事前に医師へ相談してみるとよいでしょう。

副作用のリスクが少ないのは外用薬

外用薬は副作用が少なく、手軽に始められるのが大きなメリットです。
塗布量が限られているので血液中に吸収される量も少なく、重い副作用はほとんど報告されていません。
さらに、頭頂部や生え際など気になる部分にピンポイントで使える点も特徴です。
内服薬のように全身の毛が増える心配も少ないため、AGA治療が初めての方にも試しやすいでしょう。
一方、外用薬は内服薬ほどの効果は期待できない可能性があります。
頭皮の状態によっても効果が左右されるため、医師と相談してから治療を決めるとよいでしょう。

ミノキシジルの服用に関する注意点

ミノキシジルは薄毛治療に効果がありますが、服用には注意が必要です。
ほかの薬との組み合わせや生活習慣による影響を理解し、安全に使うのが大切です。
ここでは、服用時に気をつけるポイントを紹介します。
ポイント解説をする笑顔の男性医師

他の薬と併用できない可能性がある

ミノキシジルには血管を広げる作用があるため、ほかの薬と併用する際は注意が必要です。
降圧剤や心臓に影響を与える薬と一緒に使うと、血圧が下がりすぎる危険性があります。
降圧剤を服用している方や、不整脈・心疾患がある方は、ミノキシジルの使用をご自身で勝手に判断してはいけません。
ミノキシジルを安全に使うためにも、他の薬を服用している場合は、事前に医師に相談しましょう。

服用前後の飲酒は控える

ミノキシジルには、アルコールと一緒に摂取すると血圧が下がりすぎる場合があります。
血圧が下がると、めまいやふらつきを感じるでしょう。
立ちくらみや失神を引き起こす危険性もあるため、服用時の飲酒は控えたほうが安全です。
また、アルコールは肝臓で分解されるため、ミノキシジルと併用すると肝臓に大きく負担がかかる可能性があります。
副作用の影響を避けるためにも、服用前後の飲酒は控えましょう。

ミノキシジルを使用できない人もいる

ミノキシジルは全ての人が安全に使用できるわけではありません。
特に、以下の条件に該当する方は使用を避けるべきです。
・アレルギー体質の方
・妊娠・授乳中の方
・肝機能や腎機能に障害がある方
・心疾患・高血圧・低血圧のある方
使用前には必ず医師の診断を受け、自分に合っているか確認するのことが大切です。

個人輸入は危険

ミノキシジルは海外でも広く流通しており、個人輸入で購入する方も少なくありません。
しかし、個人輸入品には以下のリスクがあります。
・適切に管理されていない
・成分が正規品と異なる可能性がある
・副作用が出た際に対応が難しい
安全性を確保するため、医師の処方や正規の販売ルートで購入しましょう。
ミノキシジルの個人輸入は危険ということを伝える女性医師

頭皮に直接注入するメソセラピー治療

AGA治療には、内服薬や外用薬のほかに「メソセラピー」という施術方法があります。
メソセラピーは頭皮に直接薬剤を注入し、発毛を促したり薄毛の進行を抑えたりする治療法です。
投与される薬剤はクリニックによって異なりますが、当クリニックではミノキシジルを追加成分として組み合わせています。
メソセラピーに使用する成分は以下の通りです。

エクソソーム(幹細胞上清液)

幹細胞から抽出された成長因子を豊富に含む、近年注目されている成分です。
AGA治療では毛根を活性化し、新しい毛髪の成長を促す効果が期待できます。

PRP(多血小板血漿)

ご自身の血液から抽出した血小板を多く含む成分で、成長因子が豊富に含まれています。
太く強い毛髪の成長を促すとともに、自己由来であるため安全性が高いのが特徴です[3][4]。

ACRS(自己血サイトカインリッチ)

血小板を一定の温度で3時間培養することで、高濃度の成長因子や細胞増殖因子、さらに抗炎症性サイトカインが含まれるようになります。
頭皮環境のバランスが悪く、頭皮の炎症が強くなっているAGA方におすすめです。
自己由来なので安心です。

メソセラピーの治療方法

当クリニックでは、MPガンという最新のメソガンを用いてメソセラピー治療を行っています。
メソガンによる注入は、従来の手技よりも正確かつ均一に頭皮にアプローチすることが可能です。
さらに、圧をかけて注入するので針先のブレが少なく、針の動きも速いため、痛みの軽減にもつながります。

メソセラピー治療のメリット

メソセラピー治療は、内服薬に比べて副作用が少ないメリットがあります。
よく見られる副作用としては、施術直後の頭皮の腫れや赤みです。
通常は数日以内に治るため、大きなダウンタイムもほとんど生じません。
内服薬との併用も可能なので、より効果を実感したい方はお気軽にご相談ください。

AGA治療ならPSCforMENにお任せください!

今回は、AGA治療薬「ミノキシジル」の副作用や注意点を中心にご紹介しました。
ミノキシジルには内服薬と外用薬があり、それぞれ副作用の症状は異なります。
当クリニックでは患者様が安心して継続できるよう、定期的な血液検査を行うことも可能です。
さらに、頭皮に直接注入できる「メソガン」を用いたメソセラピー治療も導入しています。
治療方法に迷われている方には、医師が一人ひとりに合わせて最適なAGA治療をご提案いたします。
美容クリニックがはじめての方も、ぜひお気軽にご相談ください。

プライベートスキンクリニックforMENのAGA治療

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よくある質問

Q.ミノキシジルの副作用はやばいですか?

A.ミノキシジルの副作用は一般的には、かゆみや赤みなどの軽い症状が多いです。
ただし、血圧の変動や動悸などの重い副作用が出る可能性もあるため、異変を感じたらすぐに使用を中止しましょう。

Q.ミノキシジルは肝臓に負担がかかる?

A.外用薬のミノキシジルは肝臓への影響はほぼないと言われています。
ただし、完全にないとは言い切れないため、肝臓に持病をお持ちの方や肝臓機能に不安がある方は、治療前に医師へ相談を行いましょう。

Q.ミノキシジルで体への負担は大丈夫?

A.外用薬と内服薬どちらも完全に負担がないとは言い切れないため、ミノキシジルの効果や副作用について精通した医師の指示に従い治療を行うことがおすすめです。

Q.ミノキシジルの効果はどれくらいから実感できますか?

A. 効果には個人差がありますが、内服薬では3〜6ヶ月程度で実感されることが多いです。
メソガンを用いたメソセラピー治療では、一般的に3〜5回の施術後から変化を感じるケースが多く報告されています。

Q.ミノキシジルとフィナステリドの違いはなんですか?

A.ミノキシジルとフィナステリドはいずれもAGA治療薬ですが作用が異なります。
ミノキシジルは毛根を刺激して発毛を促すのに対し、フィナステリドは原因物質(DHT)の生成を抑えてAGAの進行を防ぎます。
当クリニックではどちらの薬もご用意しており、組み合わせることでより高い効果が期待できます。

参考文献・論文

[1] Preeti Patel; Trevor A. Nessel; Dinesh Kumar D.Minoxidil
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK482378/
[2]A Tosti, F Camacho-Martinez, R Dawber.The management of androgenetic alopecia
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10461639/
[3]Rubina Alves, Ramon Grimalt.Randomized Placebo-Controlled, Double-Blind, Half-Head Study to Assess the Efficacy of Platelet-Rich Plasma on the Treatment of Androgenetic Alopecia
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27035501/
[4]Pietro Gentile,, Simone Garcovich, Alessandra Bielli, Maria Giovanna Scioli, Augusto Orlandi, Valerio Cervelli.The Effect of Platelet-Rich Plasma in Hair Regrowth: A Randomized Placebo-Controlled Trial
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4622412/

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この施術ページの監修医師

医療法人優聖会最高顧問井畑 峰紀

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

医療法人優聖会最高顧問 井畑 峰紀

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

所属

平成15年
大阪医科大学 形成外科教室:入局
平成21年
大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
平成24年
医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
平成25年
某美容クリニック:院長就任
令和5年
プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る

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