トレチノインでシミはいつ消える?効果は?
この記事でわかること
- 1トレチノインがシミに効く理由と、効果が現れるまでの期間
- 2トレチノインが効くシミと効きにくいシミの種類
- 3トレチノインとハイドロキノンの相乗効果
- 4失敗しないトレチノインの使い方と注意点
目次
今回はシミへの高い効果に期待できる、トレチノインについてお伝えします!
増えたシミをなんとかしたい!という方は、ぜひご覧ください。
トレチノインを塗るだけで、なぜシミが改善されるの?トレチノインを使用したらシミが濃くなった!シミはいつ消えるの?ハイドロキノンとの併用は?
などの疑問についてお答えします。
トレチノインで、シミの目立たないお肌を取り戻しましょう!
いつ実感できる?トレチノインのシミへの効果
トレチノインを使用すると、顔の一般的なシミの場合であれば、比較的早い段階(2カ月程度)で効果を実感される方も多いようです。
濃いシミや肝斑、体のシミなどの場合はもう少し時間がかかるかもしれませんが、ターンオーバーが活発に繰り返されることで徐々に薄く目立たなくなります。
シミの改善には、お肌が生まれ変わるサイクルを正常に保つことが大切です。
お肌が生まれ変わるサイクルとは、ターンオーバーのことです。
健康的なお肌の場合、ターンオーバーのサイクルは、おおよそ30〜75日程度です。
お肌の奥で生成されたシミのもとであるメラニン色素は、通常はターンオーバーによってお肌表面に持ち上げられ、やがて古い角質などと一緒にお肌から自然と排出されます。
ところがターンオーバーのサイクルが乱れると、お肌が生まれ変わるスピードは低下し、生成されたメラニン色素はいつまでも排出されずお肌に蓄積し、やがて色素沈着を起こしシミとなります。
年齢を重ねるとターンオーバーのサイクルも遅くなり、さらにメラニンが蓄積されやすくなるためシミが増えます。
一度できてしまったシミは、通常のスキンケアでは改善することが難しくなります。
シミの改善のためには、メラニンの生成を抑えることはもちろん、お肌に蓄積されたメラニンの排出を促進する必要があります。
ところが一般的に販売されている美白化粧品では、すでに蓄積されているメラニン色素の排出を促す効果には期待できません。
そこで、メラニン色素の排出を促す効果に期待できるトレチノインがおすすめなのです。
トレチノインはターンオーバーを整え、ターンオーバーのサイクルスピードをおおよそ14日から28日程度に促進します。
お肌の生まれ変わるスピードが活発になるため、ターンオーバーが積極的に繰り返され、メラニンの排出スピードも上がるためシミの改善効果が期待できるのです。
以上が、トレチノインのシミへの効果です。
トレチノインが有効的なシミは?効かないシミもある?
トレチノインが効かないシミ
トレチノインの効果が得られないのは、以下のようなシミです。
- 黒いほくろ
- 生まれつき存在する黒色のあざ
- 老人性ゆうぜい(加齢に伴い現れる盛り上がりのあるいぼ)
- 後天性真皮メラノサイトーシス(お肌の浅い層(表皮)と深い層表(真皮)両方にメラニンが存在している状態)
これらは、お肌の深い層(真皮層や脂肪部分)にメラニンが色素沈着することで生じています。
お肌の深い層で起きている色素沈着は、ターンオーバーのみでは取り除くことができません。
この場合、別のシミ治療を併用する必要があります。
トレチノインが有効的なシミ
トレチノインが有効なのは、次のようなシミです。
- 老人性色素斑
- 30歳代以降、出現してくる、比較的濃い茶色の輪郭のはっきりしたしみ
- 炎症性色素沈着(ニキビ跡、傷や火傷などの炎症後に生じるシミ)
これらは、トレチノインの効果も比較的早く実感することができるシミです。
以下は少し時間を要する可能性はありますが、継続することで徐々に目立たなくしていけるシミです。
- 肝斑
- そばかす
- 茶色いホクロ
- 扁平母斑(生まれつきや思春期に発生するシミ)
改善効果が期待できるシミに共通しているのは、お肌の浅い部分に生じている色素沈着が原因で生じるシミだということです。
また顔だけではなく、年齢が出やすい手のシミも改善したいという方も多いと思いますが、手のシミについては少し注意が必要です。
手のシミも、治療すること自体は可能です。
ただし、改善までに長い時間を要する可能性があります。
手は顔と比べるとお肌の再生が遅く、トレチノインに対する反応が鈍くなる部分です。
また水を使用する頻度が高く、トレチノインの成分が奪われやすい部分でもあります。
そのため、効率的にメラニンが排出されない可能性が高くなります。
手のシミ改善にトレチノインを使用する際は、可能であれば手を保護するために綿の手袋などを着用するようにしましょう。
特に家事を行う際は、家事用の手袋を使用することを意識しましょう。
また保湿ケアと紫外線対策は、顔以上に徹底しましょう。
以上のようにトレチノインは、お肌の浅い層に存在するメラニン色素の沈着に、高い効果を発揮します。
シミの多くはお肌の浅い層に生じているため、ほとんどのシミの改善効果が期待できるといえます。
では次に、さらに美白効果を高めたい方におすすめの治療について見ていきましょう。
美白効果を高めるならハイドロキノンとの併用治療がおすすめ
ハイドロキノンも、シミの改善に高い効果を発揮するため「お肌の漂白剤」と呼ばれています。
トレチノインとは違う働きで、お肌を美白に導きます。
トレチノインは、ターンオーバーの働きを活発にしてメラニン色素の排出を促し現存するシミにアプローチする働きが期待できるのに対して、ハイドロキノンはメラニンの生成を抑制して新たなシミができるのをストップします。
トレチノインとハイドロキノンは、しばしば併用されることの多い薬剤です。
美白効果が期待できるハイドロキノンですが、単体で使用しても浸透力があまり高くありません。
トレチノインを併用し浸透力を高めることで、美白効果をより発揮できるのです。
シミの治療経過
ハイドロキノンとトレチノインの治療では、お肌を白く導く期間(漂白期)と、炎症を抑える期間(治癒期)に分かれます。
治療期間は、おおよそ1カ月〜3カ月程度を目安に行います。
漂白期には、トレチノインでメラニン色素の排出を促進します。
そしてハイドロキノンの作用により、新たなメラニン色素の生成を抑制します。
治癒期には、シミが薄くなった段階でトレチノインを中止します。
ハイドロキノンは継続しつつ、炎症の経過を観察します。
使用開始後は治療部位の赤みや、皮むけや角質がポロポロと剥がれ落ちます。
これがA反応と言われる症状です。
これはお肌のターンオーバーが急激に促進するため、起こります。
赤みは次第に増してきますが、シミが薄くなってきます。
個人差がありますが、通常最初の1カ月程度が皮むけのピークです。
お肌がトレチノインに慣れてくると赤みなども薄れてきます。
塗り方
使用開始時のトレチノインやハイドロキノンの塗り方についてお伝えします。
1.優しくクレンジングと洗顔でメイク汚れなどを落とします。
洗顔料は泡立てて、ゴシゴシ洗いは避けましょう。
2.低刺激で保湿成分のある化粧水でお肌に潤いを与えます。
3.ハイドロキノンを、できるだけ広い範囲に伸ばして塗りましょう。
4.トレチノインを、気になるシミの部分に丁寧に薄く塗りましょう。
ベビー綿棒や指先で、はみ出さないよう狭い範囲で塗ります。
境界がハッキリしている部分は、なるべくはみ出ないようにしてください。
5.よく乾かします。
その後、美容液、乳液、オイルなどを塗ります。オイルを使用することで、お肌の突っ張りや乾燥を防ぐことができます。
6.日中は紫外線対策のために、日焼け止めなどを上に重ねるように塗ります。
力を入れて塗らないように気を付けてください。
7.メイクには、UVカット入りのクリームパウダーファンデーション、カバー用ファンデーションなどを使いましょう。
※トレチノインは、目の周りや口の周りギリギリに塗らないように気を付けてください。
赤みや腫れなどの反応が強く出る恐れがあります。
トレチノインは塗った場所から反応を起こし、かぶれが出る恐れがあります。
以上が、使用開始時の基本的な塗り方になります。
治療が進むにつれて、塗り方などについて変更があると思いますので、必ず処方を受けたクリニックの指示に従ってください。
トレチノイン・ハイドロキノン|大阪プライベートスキンクリニック
注意点
トレチノインやハイドロキノンを使用するにあたって、知っておきたい注意点があります。
使用方法を誤ると、効果がないばかりか副作用が強く起きる可能性があります。
A反応が強い時
A反応が出始めるとハイドロキノン使用時に、ピリピリとした痛みを感じやすくなります。
刺激が強すぎる時はトレチノインの使用を一時的にストップし、ハイドロキノンの使用は続けるようにしましょう。
A反応は適度であれば薬が効いているという一つの目安になりますが、反応が強い時は処方を受けたクリニックにご相談ください。
反応が強すぎると色素沈着を起こす恐れがあります。
皮むけしない時
通常はトレチノインの使用開始から2・3日後からA反応が始まり、皮むけなどの症状が見られます。
ただし
- 体質
- 耐性がある
- 濃度が低い
- 皮脂が多い
などによっては、皮むけしないことがあります。
これまでトレチノインを使用したことがある方は、お肌に耐性がついていて反応が出ないことがあります。
逆にトレチノインが初めてなのに皮むけしない方は、体質といえます。
トレチノインの濃度が低く、お肌に合っていない場合も反応が出にくくなります。
これらの場合は、濃度を上げるなどして対処します。
皮脂が多いお肌は、皮むけしにくい場合があります。
その場合は、オイルコントロールする必要があります。
ただA反応の出方は、人それぞれです。
ボロボロと角質が剥がれるという方もれば、少しお肌がけば立っているような感じになるという方までいろいろです。
そのため皮むけしなくても、いつものお肌と何か違うという場合は、反応が出ている可能性が十分にあります。
しばらく様子を見てみましょう。
1週間経ってもお肌に変化がない場合は、トレチノインを朝晩の2回塗って様子を見ましょう。
それでも反応を感じられない場合は、濃度を上げる必要があるかもしれません。
ただし自己判断せずに、処方を受けたクリニックに相談しましょう。
治療中シミが濃くなる?
ハイドロキノンやトレチノインを使用していると、シミが濃くなったと感じることがあります。
また、お肌トラブルが起こることがあります。
これには、さまざまな理由があります。
治療が順調
トレチノインを使用していると、一時的にシミが濃くなることがあります。
個人差はありますが、一般的にはトレチノインの使用を始めてから一カ月程するとシミが濃くなり、そこから数カ月かけて徐々に薄くなる傾向にあります。
これはトレチノインの作用によってターンオーバーが促進され、シミがお肌表面に押し上げられることによって一時的に濃く見えているということです。
シミはお肌の表面に近づくほど、茶色い色素が鮮明になります。
治療が順調だという一つの目安になりますので、心配いりません。
紫外線などの刺激
トレチノインやハイドロキノン使用中のお肌は、とてもデリケート。
ハイドロキノンを使用中は、メラニンが減少しているため紫外線の影響をとても受けやすくなっています。
そのため紫外線を無防備に浴びてしまうと、シミが濃くなります。
また、新たなシミの原因にもなります。
外的な刺激を少し受けるだけでも、色素沈着を起こしやすくなっています。
トレチノインやハイドロキノン使用中は、紫外線対策をしっかり行い、外的な刺激からお肌を守りましょう!
使用期間
トレチノインやハイドロキノンの治療では、決められた使用期間があります。
その期間を超えて使用を続けると、返ってお肌のトラブルになることがあります。
ハイドロキノンの長期継続使用は、組織黒変症というお肌が黒くなる症状が出ることがあります。
また反対に、お肌の一部だけが白く抜ける白斑という症状が出ることもあります。
トレチノインの長期継続使用は、お肌が薄くなり赤ら顔になる可能性があります。
このように、さまざまなことが原因で、治療期間中に返ってシミが濃くなったりお肌トラブルが起こることがあります。
シミが濃くなる原因は個人では判断がつかないことが多く、自己判断で治療を継続することはとても危険です。
基本的に医療機関での処方になるトレチノインですが、最近では輸入などによって個人で入手し使用している方も少なくありません。
こうしたお肌のトラブルが起きた時のためにも、医療機関で処方を受けることをおすすめします。
まとめ
以上トレチノインのシミへの効果や、ハイドロキノンとの併用治療などについてお伝えしました。
トレチノインやハイドロキノンで、シミのないお肌を取り戻しましょう!
トレチノイン・ハイドロキノン併用治療をご検討中の方は、ぜひ当院へご相談ください!
しっかりカウンセリングを行い、最適なプランをご提案いたします。
皆様のご来院、心よりお待ちしております。
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よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
Q.トレチノイン・ハイドロキノン使用中にシミが濃くなってしまいました
トレチノインやハイドロキノンを使用していると、治療が順調、日焼けしてしまった、使用期間を守っていないなど、さまざまなことが原因でシミが濃くなることがあります。
何が原因でシミが濃くなっているのか、個人で判断することは難しいため自己判断せずに、処方を受けたクリニックに相談してください。
Q.トレチノインを使用しても皮むけしません
・体質
・トレチノインに耐性がある
・トレチノインの濃度が低い
・皮脂が多めである
などによっては、皮むけしないことがあります。
この場合は、トレチノインの濃度を上げるなどの対処が必要かもしれません。
処方を受けたクリニックに相談し医師の指示を仰ぎましょう。
Q.トレチノインは目の周りに塗っても大丈夫ですか?
トレチノインは、目の周りや口の周りギリギリに塗らないように気を付けてください。
赤みや腫れなどの反応が強く出る恐れがあります。
使用したい部分がある場合は、事前にクリニックに確認してみましょう。安心してトレチノインを使用することができます。
美容外科 美容皮膚科 プライベートスキンクリニック 梅田院
〒530-0002 大阪府
大阪市北区曽根崎新地1-3-16
京富ビル2階
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
学会発表
第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
※当クリニックのホームページは、厚生労働省より2018年6月に施行された「医療広告ガイドライン」を遵守して作成しております。
※当クリニックの施術メニューは、公的医療保険が適用されない自由診療です。