肌の糖化ってなに?糖化の原因から改善方法まで徹底解説!
この記事でわかること
目次
お肌の糖化ってご存じですか?
なんとなく悪いイメージがあると思いますが、なぜ糖化が起きるのか、お肌や体にとってどんな影響があるのかなど、具体的にはわからないという方も多いのではないでしょうか。
糖化は、さまざまな老化現象を引き起こす原因となるため、健康や美肌を意識している方には、注意が必要なんです。
そこで、本日は糖化の原因と肌に与える影響、糖化対策について詳しく解説します。糖化を防ぐセルフケアや、糖化してしまったお肌を改善するクリニックでの治療法についてもご紹介しますので、是非チェックしてくださいね。
肌の糖化とは?
糖化とは、体内のタンパク質と、余分な糖が結びつくことであり、糖化が進むとAGEs(終末糖化産物)と言われる物質が作られます。AGEsは、肌の老化や体の不調と密接な関係があるとわかっており、AGEsの数値が高い方ほど、老けた印象が強くなると言われています。
肌の糖化が起こる原因
糖化が起こる原因は、体内の余分な糖の存在です。
本来、わたしたちにとって糖は、脳や体を動かすのに必要不可欠なエネルギー源ではありますが、糖を多く摂り過ぎたり、消費が追いつかなかったりすると、余った糖がエネルギーとして使われずにタンパク質と結びついてAGEsが生成されます。
血糖値が高い状態が長く続くほど、AGEsが多く発生し体にも蓄積されやすくなります。食後の急激な血糖値の上昇時や、インスリンの分泌量が少ない方も、血糖値のコントロールがしきれずにAGEsが作られやすくなります。
また、AGEsは、体内での生成以外にも、体外から食事やタバコなどで取り込まれるケースもあります。
糖化と酸化の違い
糖化は細胞の焦げつき、酸化は細胞の錆びつきと言われており、いずれも肌に悪影響を及ぼし老化の原因となる現象です。酸化は、体内の酸素が他の物質と結びついてできる活性酸素によってダメージを受けるものです。酸化が起きる主な原因は、紫外線や生活習慣の影響などがあり、肌トラブルや生活習慣病を引き起こします。
酸化と糖化は関わりが大きく、「糖化」により活性酸素が発生すると「酸化」が進み、「酸化」は「糖化」を促進するとわかっているため、酸化と糖化の悪循環が、肌や体の老化を加速させてしまいます。
糖化度セルフチェック
糖化をおこしやすい人の特徴として、糖質の摂取量が多いことだけでなく、食事の食べ方や、生活習慣も関係性が高いと考えられています。
以下の項目で当てはまるものが多い方ほど、糖化が進んでいる可能性があり、加えてお肌の不調を感じているのであれば、糖化の影響が肌に及んでいる可能性が高まります。
- お米やパン、麺、菓子をよく食べる
- 甘いジュースや甘いコーヒーなど糖分が多い飲み物をよく摂る
- 食事の際はご飯から先に食べる
- 野菜をあまり食べない
- 食べるスピードが速い
- 一度に食べすぎてしまう
- 朝食を抜く日が多い
- 空腹時間が長い
- 食後に眠くなりやすい
- 運動習慣がない
- 睡眠不足である
- ストレスが多い
肌トラブルの原因は、もちろん糖化だけではありません。加齢による影響や生活習慣、肌ケア不足など、さまざまな要素が重なっていると考えられますが、糖化は決して無視できない原因の一つと言えます。糖化が進むと、肌トラブルだけでなく、体調不良や病気を引き起こすリスクが高まりますので、今一度ご自身の生活習慣をチェックして見直しましょう。
当院では扱っておりませんが、一部の医療機関でAGEsの計測(体内糖化度検査)が可能です。
糖化するとどうなる?
血管や骨、筋肉、内蔵、皮膚、髪の毛など、わたしたちの体は多くのタンパク質から構成されているため、糖化の影響を受けやすく、AGEsが生成されると機能が低下してしまいます。糖化によりお肌の機能が低下すると、シワやたるみ、シミ、くすみなどの肌老化が進行していきます。
乾燥・肌トラブル
AGEsによる炎症や血流の悪化により、肌の保水力が低下したり、お肌に必要な栄養素が行き届かなくなったりと、肌トラブルを起こしやすい肌状態となります。肌の乾燥は、バリア機能の低下を招いたり、小じわやシミが発生する原因ともなりますので、早めの対策が必要です。
シミ・くすみ、肌の色の変化
AGEsにより血管の機能が低下すると、ターンオーバーが乱れて、メラニンの排出がスムーズに行われなくなります。また、AGEsはメラノサイトを刺激するため、シミやくすみをできやすくさせてしまいます。
AGEsは褐色であるため、皮膚に大量にたまると黄ぐすみを引き起こし、肌の透明感が失われていきます。
シワ・たるみ
糖化が進むと、AGEsが真皮のコラーゲン繊維を破壊し、肌のハリや弾力が失われてシワやたるみができやすくなります。
体への影響
AGEsは体内に蓄積されると、さまざまな組織に炎症が起こります。糖化によって血管壁に炎症が起きると、動脈硬化が生じるリスクが高まります。腎機能の低下や骨の強度が下がる骨粗鬆症、ドライアイや白内障など、さまざまな臓器に影響し、病気のリスクが高まってしまうのです。
糖化した肌は戻らない?
体内に溜まったAGEsは分解が難しいため、自然に回復するのは困難です。糖化を進行させないための対策にて、老化を少しでも防ぎ、若々しさと健康をキープしていくことが大切です。
糖化の影響による肌トラブルの改善には、美容クリニックでの施術が有効です。お悩みの症状に適した専門的な治療を、是非ご活用くださいね。
糖化を防ぐ対策・セルフケア
糖化によるAGEsの蓄積を防ぐためには、生活習慣の見直しが効果的です。糖質の摂り過ぎに注意し、AGEsの多い食品も避けましょう。食事の際は、食べる順番を工夫するだけでも、血糖値の急上昇を防ぎ、糖化対策に有効です。UVケアや適度な運動、睡眠時間の確保も大切です。
糖質を摂り過ぎない
完全に糖を控える必要はありませんが、摂り過ぎている方は、量を減らしましょう。血糖値を急激に上げない食材である食物繊維の多い、栄養バランスのよい食事が大切です。
摂取を控えたいもの:
・主食(米、パン、麺)
・菓子類
・糖質を含む飲み物
・糖質を含む酒類
積極的に摂りたいもの:
・低GI食品(全粒穀物・野菜・果物など)
・抗酸化食品(ベリー類・緑黄色野菜など)
AGEsが多く含まれる食品を避ける
高温で調理されているものはAGEsが多く含まれています。焦げているものはAGEsが多いため、特に注意が必要です。
・揚げ物
・焼き物
・クッキーなどの褐色の菓子
逆にAGEsが少ない食べ物は生野菜やお刺身など、生の状態で食べられる食品です。
食べ方に注意して血糖値の急上昇を防ぐ
糖化の原因となる食後の急激な血糖値の上昇を抑えるためには、食べる順序を工夫しましょう。食物繊維を多く含む食品や低GI・抗酸化作用のある食品から、先に食べましょう。
よく噛んで時間をかけて食事を摂るのが基本です。
・食べる順番を意識する
「野菜・海藻・キノコなどの食物繊維が多い食べ物」→「肉や魚、大豆製品などを含むおかず」→「ご飯やパンなどの糖質」
・ゆっくり食べる
・朝食を抜かない
・食事と食事の間の時間をあけすぎない
・低GI食品(全粒穀物・野菜・果物)を選ぶ
調理法の工夫
食材を炒める、焼く、揚げるなどの調理の過程でも、AGEsは生成されます。特に高温での調理はAGEsを多く発生させるため、可能なものは、煮る、蒸す、ゆでると言った調理法に置き換えると、食品を介して体に入るAGEsの量を減らせます。
睡眠時間の確保
睡眠不足が続くと、メラトニンや成長ホルモンの分泌が抑えられてしまうため、代謝が悪くなり疲労物質等の排泄がスムーズにできなくなります。糖化を防ぐためには、十分な睡眠時間が必要と言われています。
適度な運動
適度な運動を取り入れて、代謝をあげましょう。
食後の運動習慣もおすすめです。血糖値は食後1時間くらいが最も高くなるため、食後30分~1時間の間にウォーキングやストレッチのような軽い運動を行うと、血糖値の急激な上昇を防いでくれます。
禁煙
たばこの煙には、AGEsが多く含まれていますので、禁煙はAGEsの蓄積予防に効果的です。
副流煙も同様にAGEsを含みますので、注意が必要です。
紫外線対策
糖化と酸化は互いに影響し合うため、糖化を防ぐには、酸化も避けることが大切です。
紫外線を浴びると、体内で活性酸素が発生して酸化が進みますので、UV対策が大切です。
季節に関係なく、日焼け止めや帽子、衣類などを活用して、紫外線から肌を守りましょう。
糖化したお肌を改善する美容医療
一度糖化した肌細胞は、元に戻すのは難しいとは言われていますが、お肌は日々ターンオーバーを繰り返して生まれ変わるため、日々のスキンケアやUVケアで肌の状態を整えることは大切です。生活習慣の改善とともに、糖化対策として美容医療による施術もおすすめです。糖化によるさまざまな肌悩みの解消に効果的です。
レーザートーニング
糖化によるシミやくすみ、色むらの改善には、レーザートーニングがおすすめです。弱い出力のレーザー光を照射する治療で、肌への刺激を抑えながら、肌に蓄積されたメラニンを少しずつ破壊していきます。お肌全体のトーンアップや毛穴の改善にも有効で、透明感のあるお肌へと導きます。
高濃度ビタミンC点滴
高濃度ビタミンC点滴は、コラーゲン生成の促進、メラニンの抑制、抗酸化作用が期待できる施術です。ビタミンCは、お肌の糖化と酸化を防いでくれますので、糖化対策としておすすめであり、シミやくすみ、毛穴の開きなどの症状に効果的です。
ビタミンCの経口摂取に比べて、ビタミンCの血中濃度が大きく増加するため、高い効果が期待できます。
白玉点滴(グルタチオン点滴)
白玉点滴は、グルタチオンを点滴にて投与する施術で、強力な抗酸化作用があり、活性酸素の発生を抑えてくれるので、糖化対策としても役立ちます。メラニン生成を抑制する作用もあり、シミやくすみの改善、ハリ・弾力の向上効果が期待できます。美白効果、美肌効果の高い施術です。
ソルプロ(飲む日焼け止め)
ソルプロは、日焼けと肌糖化を防ぐサプリメントです。抗酸化作用のある「ニュートロックスサン」の働きで、紫外線を浴びた際に発生する活性酸素を除去して、メラニンの生成を抑えます。抗糖化作用のある「エージーイークリーヴァー」の働きで、AGEsの生成を阻害して、肌の黄ぐすみを防いでくれます。
まとめ
肌の糖化の原因や予防法、改善方法についてご紹介しました。
糖化は、余分な糖やAGEsを含む食品の摂取で進んでいきます。酸化とともに糖化も、肌老化を引き起こす要因となりますので、今すぐ予防対策をしていきましょう。
糖化による肌トラブルでお悩みの方は、セルフケアと並行して、美容クリニックでの施術がおすすめです。お悩みの症状に適した施術はもちろん、減ってしまった肌細胞を増やす再生医療などの選択肢もありますので、是非ご相談くださいね。
プライベートスキンクリニック(PSC)では、患者様一人ひとりに最適な施術プランをご提案いたします。
肌トラブルでお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。
医師・スタッフ一同心より皆様のご来院をお待ちしております!
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
Q.肌の糖化とは何ですか?
肌の糖化は、体内の余分な糖分がタンパク質と結びつき、糖化最終生成物(AGEs)を生成する現象です。糖化が進行すると、肌の老化も進行していきます。
Q.糖化が肌に与える影響は何ですか?
糖化は肌の弾力性を低下させ、シワやたるみの原因となります。また、糖化による黄ぐすみがでて、透明感が失われることもあります。
Q.糖化による肌ダメージを回復させる方法はありますか?
生活習慣の改善により糖化の予防が可能です。過剰な糖分の摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。食べ方の工夫や適度な運動、十分な睡眠時間も大切です。糖化によって進んだ肌のダメージを改善するには、美容クリニックでの治療が効果的です。
Q.糖化と酸化の違いは何ですか?
「糖化」は糖分とタンパク質の結合によって生じる現象であるのに対し、「酸化」は活性酸素が細胞を攻撃することによって生じる現象です。どちらも老化の原因となりますが、それぞれ異なるメカニズムで進行します。
美容外科 美容皮膚科 プライベートスキンクリニック 梅田院
〒530-0002 大阪府
大阪市北区曽根崎新地1-3-16
京富ビル2階
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
学会発表
第67回 日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
※当クリニックのホームページは、厚生労働省より2018年6月に施行された「医療広告ガイドライン」を遵守して作成しております。
※当クリニックの施術メニューは、公的医療保険が適用されない自由診療です。